「ワンコール」という言葉を知っていますか?現在ではほとんど死語かもしれませんが、今回は「ワンコール」の意味と使い方、類語、若者の言い方、語源の英語表現を紹介していきます。「ワンコール」は詐欺や嫌がらせの場合もあるのでしっかりと対策が必要ですので、本記事が参考になると幸いです。
「ワンコール」とは「電話をかける際に、呼び出し音を1回だけ鳴らして電話を切る行為」を指します。 「ワンコール切り」を略した「ワン切り」という言い方で広く知られています。 「ワン」を日本語にして「1コール(いちコール)」ということもあります。 呼び出し音が2、3回と少ない場合には、1回でなくとも「ワンコール」「ワン切り」と言われる場合があります。 「ワンコール」「ワン切り」は携帯電話や家庭の固定電話、LINEなどのメッセージングアプリなど様々なデバイスから行われます。 ただし、SNSが普及した現在では、電話機能自体をあまり使わない人が増えているので、「ワンコール」は死語になりつつあります。
「ワンコール」の語源は英語「one call」です。 「一度の電話」で「one call」なわけですが、この英語表現は和製英語です。 英語圏では「one call」だと違う意味になりますので注意してください。 英語で「one call」だと「1回の電話」という意味になってしまいます。 「one call」は「a call」を強調した表現です。 「ワンコール」の英語は「a one-ring call」です。 「one-ring」で「一度しか鳴らない」という意味の形容詞です。 「get a one-ring call」で「ワンコールされる」、「make a one-ring call」で「ワンコールする」の意味になります。 「ワンコール詐欺」は英語で「one-ring call scam」「one-ring phone scam」などといいます。
ワンコールをする理由には、
などなどがあります。 「何かの合図として着信履歴だけ入れる」というのは、LINE世代からしたら意味不明だと思います。。。 メールがまだ普及していなかったときは通話料をおさせるために、呼び出し音の回数に応じて意味を決めておき、暗号的利用をしている人がいました。(昭和・・・) 1980年代に携帯電話の爆発的な普及に伴って、「ワン切り」という悪徳目的の利用法が増加しました。 「ワン切り」することで、ターゲットした携帯電話所有者に折返し電話をさせ通話料を負担させた上に、音声ガイダンスなどで高額サービスに繋いだかのように装い、指定した口座に振り込ませるものです。 通信事業者によって「ワン切り」対策はされていますが、依然としてゼロにはなっていないので注意しましょう。 元カレ元カノの声がどうしても聞ききたいけど、やっぱり会話するのは怖いという心理でワンコールしちゃう人もいます。 恨みのある人に対してひたすら嫌がらせでワンコールをする人もいるそうです。。。 これらの行為は度を超えると犯罪になってしまうので注意しましょう。
見知らぬ番号からワンコール着信を多く受ける場合、とにかく折返し電話をしないことが鉄則です。 そして、特定の電話番号からの電話の受信拒否する機能が固定電話、携帯電話に備えられているので、設定しましょう。 184を相手の電話番号の頭につけると番号非通知での通話ができます。 この方法で相手が何者か確認することもできますが、これも犯罪に巻き込まれる可能性があるのでおすすめできません。 また、
場合は、すべて相手の携帯電話の設定の問題になりますので、こちらから対策することは不可です。 切れてしまう場合は着信拒否されている可能性が大です。 ワンコールで留守電になってしまう場合は、着信拒否しているわけではなく留守電になるまでの呼び出し音回数を少なく設定しています。 通話中はおそらく本当に通話中です。 「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」は、着信拒否、着信通知OFF、話し中、電源OFFなどの原因が考えられます。 ワンコールで繋がらなかったときに、「着信拒否された!」と焦って判断せずに、時間をおいてからもう一度連絡をとってみましょう。
「ワンコール」は単体で名詞としても使いますが、「ワンコールする」の形で動詞として使います。 動詞では「ワンコールされた」「ワンコールして」などとも使います。 さっそく例文です。
例文
「ワンコール」「ワン切り」は死語になりつつあります。 LINEやFacebook Messenger、Slackなどのコミュニケーションアプリの拡大によって、ワンコールする必要自体がなくなっているからです。 ただ現在でもモーニングコールとしてのワンコールなどは残っていて、若い子は
などといいます。 「ワンコ」と聞くと個人的には犬しか思い浮かびませんが、「ワンコール」の略として「ワンコ」が使われています。
「ワンコール」は死語になりつつあり日常会話では使用頻度が低いですが、ビジネスシーンでは今でもしばしば見聞きする言葉です。 「電話はワンコールで出ましょう」=「呼び出し音1回目で電話の受け取る」などと社内ルールを設けている企業も少なくありません。 これは取引先企業に迷惑をかけないために自社にかかってきた電話はすぐに出るという行動規範になります。 また、ビジネスシーンでも昔はコミュニケーション手段として「ワンコール」を使っていた時代もありました。 特に海外出張時に、「出国時と到着時にワンコールして」などと言ったものです。 現在ではeメールやコミュニケーションアプリがあるので、この使い方はほぼ皆無になりました。
「ワンコール」は現在若者の間で少し違う使われ方がされています。 ツイッターやインスタグラムでは、 #ワンコールで集まる仲間達 #ワンコールで集まる地元民 などのハッシュタグとともに友達との写真を投稿している場合があります。 この「ワンコール」は「呼び出し音1回」という意味ではなく、「1回の電話」という意味です。 「ワンコールで集まる」というのは「1回の電話で集まるくらい(事前に予定の調整が必要ないくらい)仲のよい」という意味になります。 この若者が使う「ワンコール」の意味が英語の本来の意味であるのはなんだか面白いですね。
「ワンコールワーカー」とは「一日単位で電話(またはメール、FAX)で派遣元から指示を受け、直接派遣先に出向いて就労する派遣労働者」を指す言葉です。 「電話一本で呼び出される労働者」という意味で、労働条件が悪いことを揶揄した蔑称です。 こちらも和製英語になります。 現在では一部の業種を除いて、「ワンコールワーカー」は法律で禁止されています。 人材派遣会社によっては「スポット派遣」「スポットワーク」「日雇い派遣」「登録型派遣」「単発」などの言い方があります。
「One Call Away」は、Charlie Puth(チャーリー・プース)さんによって2015年に発売された楽曲です。 恋愛について歌った曲なのですが、「I’m only one call away」という歌詞が印象的です。 「I’m only one call away」は直訳すると「たった電話一本分だけ離れている」という意味です。 意訳すると「電話一本で君のところに駆けつけるよ」という愛する気持ちを歌っています。 この歌詞からもネイティブは「one call」を「1回の電話」という意味で使っているのがお分かりいただけるかと思います。
いかがでしたか? 死語といわれて久しい「ワンコール」の意味と使い方はご理解いただけたでしょうか? 「ワンコール」に関して最後にまとめたいと思います。 ✔「ワンコール」は「ワン切り」といい「呼び出し音を1回だけ鳴らして電話を切る行為」こという ✔「ワンコール」の語源は英語「one call」だが和製英語なので注意 ✔「ワンコール」をコミュニケーション手段として使う人はほとんどおらず、現在では詐欺の場合が多い ✔「ワンコール」対策は、折返し電話しない&着信拒否 ✔「ワンコール」は若者言葉では「ワンコ」