死語と言われて久しい「チェケラ」という言葉の意味と使い方を解説していきます。指を少し曲げた怪しげなポーズを思い浮かべる方もいるかもしれません。古い言葉すぎて死語だろ、と感じる若者も多いと思います。語源である英語「check it out」がなぜ「チェケラ」と発音されるのか、まで徹底解説してみました。
「チェケラ」は「check it out」のカタカナ表記です。 ネイティブの英語話者が「check it out」を早く発音すると、日本人には「チェケラ」と聞こえるため定着した表現です。 「check it out」をゆっくり発音すると「チェック・イット・アウト」です。 ただし、英語は単語と単語が組み合わさって音声変化を起こします。 その結果、「check」と「it」がくっつくと、「チェキット」となります。 「it」と「out」が組合わさると「イタウト」となりそうなのですが、違います・・・(ここがトラップ) アメリカ英語では、Tが母音と組み合わさると、LまたはDの音に変化します。ネイティブの中でもLのように発音する人とDのように発音する人で別れますが、Lっぽく発音する人が多い印象です。これを専門用語で「フラップT」といいます。 例えば、「shut up」は「シャラップ」、「get up」は「ゲラップ」、「water」は「ワーラー」、「party」は「パーリー」のように発音します。 なので、「it」と「out」はくっつけると「イラウ(ト)」と発音します。Tは無声音なので文末は早くいうと聞こえません。 よって、「check it out」はネイティブが発音すると、厳密には「チェキラウ(ト)」となります。 「チェキラウト」を誰かが「チェケラ」と表記しそれが日本では一般化しました。
「チェケラ」は「check it out」です。 他動詞「check out」の基本義は「(人・物・事柄の適格性)を調べる」という意味です。 なので、「check it out」は「それを調べろ、それを確認して」という意味の命令文になります。 他動詞とは目的語を取る動詞のことです。 「check it out」の目的語は「it」です。 「check out a fact」とすれば「事実を確かめる」という意味になります。
You should check it out yourself.
それは自分で確かめた方がいいよ。
Check out that girl. She is so hot!
あの子見てみろよ。ちょーキレイじゃん!
「check out」を自動詞として使うと、「(手続きしてホテルから)出る」という意味になります。 日本語でもそのまま「チェックアウト」といいますよね。対義語は「チェックイン」です。 自動詞は他動詞の反対で、目的語を取らない動詞のことを指します。
I'd like to check out.
チェックアウトお願いします。
「check it out」は「それを確認しろ」という意味から転じて、「よく聞け」「注目しろ」というニュアンスでも使います。 つまり「it」は、「check it out」と発言している本人が「これから言うこと」を指しています。 ラッパーが使う、「check it out」は意訳すれば「これから俺が言うことをよく聞け」という意味になります。 日本で使う「チェケラ」は、この意味で使用されています。 「確認しろ」という本来の意味で使われることはまずありません。 ラップ以外で日本では「チェケラ」を使う場面はありません。 「Listen up.」という表現で言い換えることが可能です。
Guys, check it out!
みんな聞いてくれ!
「よく聞け」「注目しろ」という意味から、また転じて「かっけーじゃん」「すげー」という感嘆詞としても使います。 これは「Oh, my God!」「Shit!」「Cool!」「Awesome!」などと置き換えることが可能です。 「聞くべき対象、注目すべき対象」=「なにかすごいこと」なので、このように使われるようになりました。 具体的に確認したり聞いてほしいことがなく、単に「すげー」という意味で使います。
Check it out! You've got a new jacket!
かっけーじゃん!新しいジャケット買ったんだ!
「チェケラ」の変形版「ヨー、チェケラッチョ」を聞いたことがある人もいるかと思います。 「チェケラッチョ」は、「check it out, yo.」のカタカナ表記です。 「yo」とは「you」のスラング表現で、「お前」という意味になります。 「Yo, check it out, yo.」は「お前、おれの話を聞け」という意味で、ラップで使われる言い回しです。 ちなみに、「yo」は「you」のスラング表現ですが、「ya」は「yes」のスラング表現です。 「チェケラ」は「チェケ」と略す場合もあります。これは「check it」のカタカナ表記です。 「チェケラ」は指を少し曲げた独特なポーズがあります。気になる方はGoogle画像検索でどうぞ。
「チェケラ」への返事は特にありません。 日本語では「チェケラ」はラップでしか基本的に使用しません。 ラップ中の「チェケラ」は「よく聞け」という意味なので、それに対する返しは特にありませんよね。 日常生活で突然「チェケラ」といわれたら、「オーケー」と返してあげると親切でしょう。
いかがでしたか? 「チェケラ」の意味と使い方はご理解いただけたでしょうか? 最後に「チェケラ」についてまとめておきたいと思います。 ✔「チェケラ」は英語「check it out」のネイティブの発音をカタカナ表記したもの ✔「check it out」は正確には「チェキラウ(ト)」と発音する ✔「チェケラ」の意味は「それを確認しろ」「おれの話を聞け」「すげーじゃん」の3つ ✔「チェケラッチョ」は「check it out, yo」のネイティブの発音をカタカナ表記したもの