「プレゼンツ」「プレゼンツ・バイ」の意味と使い方、語源(英語)、類語を徹底解説していきます。「プレゼンツバイ」という表現が英文法的には誤用であることは知っていましたか?また、「プレゼンツ」という言葉は厳密には2つの意味合いがあるので紹介していきます。
「プレゼンツ」は「●●プレゼンツ▲▲」の形で使います。 1つ目の意味は、「●●が▲▲を提供する」という意味で使います。 「●●」の箇所には、企業名がきます。 「▲▲」の箇所には、テレビ番組やラジオ番組、イベント、サービスなどがきます。 例えば、以前フジテレビで『KIRIN presents 僕らの音楽』という音楽番組がありました。 これは、「キリンホールディングス株式会社」が「僕らの音楽」という番組を提供している、という意味になります。 「提供」といっても、厳密には番組を制作しているのはフジテレビ、またはフジテレビ系列の制作会社であり、KIRINは資金提供をしているだけになります。 テレビやラジオでの「プレゼンツ」は「資金提供」とイコールと考えてほとんど間違いないと思います。 テレビ番組が始まる前に「ご覧のスポンサーの提供でお送りします」などと聞きますよね。 なぜ「提供」ではなく「プレゼンツ」を使うのか?は、
という理由が考えられます。 「プレゼンツ」は「誰々が何々を企画し提供する」という意味でも使います。 この意味の場合は出資しているという意味合いはかなり薄く、誰か実際に考えた企画を実行するという意味になります。 「●●」の箇所には個人名、「▲▲」の箇所には企画内容がきます。 例えば、YouTube動画で「太郎プレゼンツ静岡旅行」というタイトルが付いていれば、YouTuberの太郎さんが企画した静岡旅行を案内するという意味になります。 この場合、太郎さんが資金提供していると考えるのは不自然ですね。 また、「久石譲プレゼンツ ジブリコンサート」ならば久石譲さんが作曲した音楽をピアノで披露する演奏会ということになります。 この場合も、久石譲さんが資金提供しているコンサート、という意味ではないのは明らかです。
「プレゼンツ」の語源は英語で、スペルは「presents」です。 「〜を贈呈する」という意味の他動詞「present」に、三人称単数のsが付いて、「presents」です。 動詞「present」の発音は、「prizént(プリゼント)」となります。 三人称単数のsがついて「プレゼンツ」なので、「A、Bプレゼンツ〜」などと主語が複数あると英文法的には誤りになります。 「プレゼント」といえば、「誕生日プレゼント」「クリスマスプレゼント」などの「贈り物」を想像する人が多いと思います。 この「プレゼント」のスペルも同じで「present」となります。詳しくは後述します。 ちなみに、動詞「present」は一番コアな意味は「〜を贈呈する」で、これは日常的なプレゼントに対しては使わず、相当価値のあるものを与えるときに使います。 英語「present」には他にも色々な使い方がありますので、興味のある方は下記の記事を参考にしてみてください。
「プレゼンツ・バイ〜」の形で「〜によって提供されている」という意味で使っている場合が時折見受けられます。 しかし、これは英文法的には誤りです。 正しくは、「presented by...(プレゼンティッド・バイ)」です。 受動態にしなくてはいけないので、過去分詞形である「presented」をしようしなくてはいけません。 A presents B.(AがBを提供する) = B is presented by A.(BはAによって提供されている) ということになります。
「プレゼンツ」の使用例 ①「資金提供」の意味での使用例
上記例のように、「プレゼンツ」は「presents」と英語表記する場合も多いですね。 ひらがな、カタカナ、漢字、alphabetの組合わせて、見やすくしているのでしょう。
②「企画し提供する」の意味での使用例
「プレゼンツ」と似たカタカナ語に「プレゼント」があります。 「プレゼント」といえば、「誕生日プレゼント」「クリスマスプレゼント」などの「贈り物」という意味で使いますよね。 「プレゼンツ」の動詞の原型「プレゼント」のスペルは「present」、贈り物の「プレゼント」のスペルも「present」なので全く同じです。 しかし、発音とイントネーションが違います。 動詞「present」の発音は、「prizént(プリゼント)」ですが、 名詞「present」の発音は、「préznt(プレゼント)」です。 名詞「present」の類語には「gift」「souvenir(お土産)」「offering」などがあります。
「プレゼンツ」と似たカタカナ語には「プレゼン」という言葉もあります。 「プレゼン」は「プレゼンテーション」の略で、聴衆に情報を提示して理解を得るようにするための情報伝達手段の一種です。 会社や大学でプレゼンの経験がある人も多いと思います。 「プレゼンテーション」も語源は英語で、スペルは「presentation」です。 「presentation」は名詞ですが、語源である動詞は「present」で、「プレゼンツ」と語源が同じです。 実は、動詞「present」には、「〜を口頭発表する」という意味もあるんです! 英語「present」の詳しい意味と使い方については、下記の記事を参考にしてみてください。
「プレゼンツ」に似たカタカナ語にはもう一つ「プレゼンス」があります。 「プレゼンス」はビジネスシーンで使用され、「(経済市場における)存在感、影響力」という意味で使われます。 「プレゼンス」も語源は英語で、スペルは「presence」です。 「presence」の元の意味は「存在、出席」です。 名詞「presence」の語源も「present」で、「present」は形容詞で「出席している」という意味もあります。 (「present」はどれだけ意味あるんだ・・・!)
などの言い回しで使います。
「プレゼンツ」の日本語の類語は、
などになります。 「プレゼンツ」の意味で最も一般的に使われている言葉は「提供」です。 上記でも触れましたが、「ご覧のスポンサーの提供でお送りします」という文言を聞いたことがある人も多いと思います。 イベントなどでは「主催」「協賛」などと使うこともあります。 「主催」は「中心になって催しを行うこと」を指します。 「協賛」は「イベント等の趣旨に賛同し、助力すること」を指します。 「協賛」は資金的協力に留まり、「主催」のように中心的にイベントを企画運営する、という意味合いを含まないのが普通です。 「後援」も「イベント等の趣旨に賛同し、助力すること」という意味で、「協賛」と非常に似ています。 「協賛」は幅広く個人から民間企業、公的機関までが担うのに対して、「後援」は自治会などの公的機関や圧力団体など公共性の高い組織が担うことが多いです。 「出資」は「金銭的援助」という直接的な意味をもつ言葉です。ビジネスで経済的なリターンを見込んで資金提供する場合に「出資」を使います。
「プレゼンツ」の英語は、
などがあります。 「A presents B.」の形で使う他の英語表現はなく、ほとんどが「B is presented by A.」のような受動態になります。 「sponsored by(スポンサード・バイ)」が最も一般的で、「〜によって提供された」という意味です。 日本語でも「スポンサー」といいますよね。 「supported by(サポーティッド・バイ)」は直訳では「〜によって協力された」という意味ですが、ほとんどの場合は「〜資金提供された」という意味で、日本語の「協賛」に近いです。 「powered by(パワード・バイ)」は直訳では「〜によって協力された」という意味ですが、使い方は「sponsored by」「supported by」と同じです。 「powered by」は少しカッコいい言い方で、IT企業が主催するイベントなどで使われることが多いです。 例えば、「VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten」などがあります。 「PR」は「Public Relations」の略で、「大衆に対して情報を伝播する」というのが基本義です。 どこかの会社から依頼された商品などをSNSなどで紹介するときは「#PR」などと使います。 これはスポンサーがいる=タイアップ投稿であること示します。 その他の似た表現には、
などがあります。
「atelier Present's(アトリエプレゼンツ)」は株式会社Dashさんが運営する美容室を指します。 「アトリエプレゼンツ」の「プレゼンツ」は「Present's」です。 厳密には「プレゼントの」という意味になってしまうのですが、どういう意味で命名したのかは定かではありません。。。
本のタイトルでも「プレゼンツ」が使われています。 直木賞作家・角田光代さんの短編集で「Presents」というものがあります。 「女性が一生の間に、親、友達、恋人、子供などからもらう様々なプレゼント」がテーマなので、こちらは「贈り物」の複数形の「presents」です。
「プレゼンツ」は様々なアーティストのアルバムのタイトルとしても使われています。 「present」には、「贈り物」「現在」「提供する」など複数の意味があることから、ダブルミーニングの単語としてアーティストの方に好かれる傾向があります。
いかがだったでしょうか? 「プレゼンツ」の意味と使い方はご理解いただけたでしょうか? 最後に、「プレゼンツ」のついてまとめておきます。