とある起点より後のことを表す言葉に「今後」「以後」「以降」「以来」「その後」と、似た意味を持つ言葉があります。それぞれ少しずつ異なった使い方をするのでしっかりと覚えておきましょう。今回は「今後」「以後」「以降」「以来」「その後」の違いと使い分けを詳しく解説していきますのでしっかりと覚えておきましょう。
「今後」・・・現在を含んでその後、起点が現在のみ 「以後」・・・基準となっている日時・年齢・時期・事柄を含んだその後、単独で「今からその後」の意味も 「以降」・・・「その日時からずっと」基準となっている日時・年齢・時期・事柄を含んだその後の比較的長い期間 「以来」・・・基準となる時点・時期を含んでその時から(今に至るまでずっと) 「その後」・・・ある出来事があった後のこと
「今後」は、「今から後」「この後」を表しています。 「今」は「現在、過去と未来との境」、「後」は「時間的にあとの方、のち」を意味します。 現在を含んでその後を表します。 「今後もよろしく」とした場合は、「現在からその後も引き続きよろしく」といった意味になります。 いつから、といった基準になる日時や時期などは明記されず起点が現在であるという点が他の言葉とは異なる点です。 またビジネスシーンでは「今後とも」とよく使われています。 「これからもずっと」という継続のニュアンスのほかに、「その次もまた同じように」という反復のニュアンスも含まれます。 「今後とも」は、「このまま終わるのではなく、その先も関係を築いていきたい」といった意思表示の言葉になります。
「以後」は「その時点から後」「これから先」を表します。 「以」は「ある時・所を起点としてそれより」、「後」は「時間的にあとの方。のち」を意味します。 「以後」は、基準となっている日時・年齢・時期・事柄を含んだその後からを表します。 「15時以後」「16日以後」「それ以後」などと使います。 ただその瞬間を含まない場合もあります。 「15時以後なら空きます」だと、「15時までなにか予定が入っている」といったニュアンスが含まれることがあります。 この場合は「15時よりも後」ということになります。 また「以後、気をつけます」「以後、注意します」といったように「今から後」という意味で単独で用いることが出来ます。 この意味で使われることは多くなっています。
「以降」は「ある時から後」を表します。 「朝9時以降」「14日以降」といったように、「◯◯以降」という形で使われます。 上述したとおり「以」は「ある時・所を起点としてそれより」、「降」は「その時からあと」を意味します。 「以降」は「その日からずっと」「その時間からずっと」という意味で、基準となっている日時・年齢・時期・事柄を含んだその後から比較的長い期間を表します。 例えば、「4月1日以降」であったら「4月1日を含んだ、その後ずっと」という意味になります。 また「以降」は過去のことであっても、未来のことであっても表すことができます。 「先月の21日以降」とも使えますし、「来月の21日以降」とも使えます。
「以来」は「その時からこのかた」です。 基準となる時点・時期を含んでその時から(今に至るまでずっと)となります。 「卒業以来」「入社以来」といったように、「○○以来」と使います。 そのため過去のことにしか使えません。 「今より後」「これから先」といった意味もありますが、古い言い方となります。
「その後」は「それよりも後」を表します。「そのご」と読みます。 「その後」は「ある出来事があった後のこと」を広く表します。 例えば「その後どうなりましたか?」と使った場合「あの出来事の後はどうなりましたか?」といった意味になります。 「その」で、聞き手が当面している出来事を指します。 そのため「以後」や「以降」のように「○○その後」と使うことはありません。 「トラブルその後は」とは使わず、「話していたトラブルの件、その後はどうなりましたか?」などと使います。