「起用」と「採用」の違いはわかりますか?「起用」と「採用」は意味が似ていますが違いがあります。「起用」と「採用」の使い分けを解説していきます。
「起用」・・・「今まで認められていなかったり、知られていなかった人を見いだして用いること」 「採用」・・・「いくつかあるものの中から相応しい人物や方法、考えを選び用いること」
「起用」も「採用」も「複数の中からあるものを選び用いること」を表す言葉です。 しかし、「起用」は「隠れていたものを選び出すこと」、「採用」は「ある目的や条件に適したものを選ぶこと」を表現しているという違いがあります。 また、「起用」は人に対して、「採用」は人だけでなくものに対して使うことができます。
「起用」は「きよう」と読みます。 「起用」の意味は「これまで認められていなかったり、埋もれていた人材を取り上げて用いること」です。 「起」は「はじめる、生じる」という意味で、「起案」「決起」「起点」などの熟語で使われています。 「用」は「役立つ、あらわれる効果」という意味で、「作用」「有用」「効用」などの熟語があります。
というような使い方をします。 例えば、「新人を主演に起用する」ならば、今まで映画やドラマに出たことのない、経験の浅い新人に主演を演じてもらうことを表します。 このように、「起用」はこれまで才能や存在を世の中に知られていなかった人を選び出して用いる場合に使用します。すでに実績があったり、知名度がある人を用いる場合は「起用」とは言いません。 「起用」は人に対して用います。「新メニューにタピオカを起用した」などとものに対して使用するのは間違いです。 「起用」の類語には、「抜擢」「登用」「奨励」「育成」「昇任」「挙用」「栄転」「昇進」「昇級」などがあります。
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「採用」は「さいよう」と読みます。 「採用」の意味は、
です。 「採」は「採掘」「採集」などと使われているように、「良材を撰び取る」という意味があります。
というような使い方をします。 「採用」は、ある目的や要求によく合った人物・意見・方法などを取り上げて用いることを表す場合に使用します。 例えば、「山田さんのアイデアを採用する」ならば「いくつか出たアイデアの中で、条件や目的に一番合っているのが山田さんのアイデア」というニュアンスになります。 「若者を採用する」「企画を採用する」など、「採用」は人だけではなくものに対して使うこともできます。 「採用」の類語には、「採択」「採納」「導入」「用いる」「取り入れる」「取り上げる/採り上げる」「雇用」「雇い入れ」などがあります。
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