「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は、「めざましく活躍することを願っています」という意味です。退職や転職、昇格の挨拶や年賀状などで使用されることが多いです。今回は「益々のご活躍をお祈り申し上げます」はの正しい意味や使い方を例文付きで紹介します。ぜひ参考にしてください。
「益々」は「ますます」と読みます。 「益々」は、「程度が一層甚だしくなるさま」「前よりも一層」「いよいよ」という意味の副詞です。 「益」には「役に立つこと」「もうけ」「利益」などプラスな意味があります。 「益々」は数量や程度が大きくなること表す動詞「益す」を重ねた言葉になるため、「今より一層、甚だしくなるさま」を表します。 「益々」は今後の状態を表すときに使用することで、後ろに続く言葉を強調する効果を持ちます。 基本的に「益々」はより良い状態になる・より発展していくというプラスな意味で使いますが、文によってはより悪くなるというマイナスな意味で使うこともあります。
「ご活躍」は「活躍」に接頭語の「ご」をつけた言葉です。 「活躍」の意味は「めざましく活動すること」「大いに手腕をふるうこと」です。 相手が活躍することを丁寧に言い表わした言葉が「ご活躍」です。 ちなみに、組織に対しては「ご発展」を使用します。 「発展」は、「物事の勢いなどが伸び広がって盛んになること」「物事がより進んだ段階に移っていくこと」を意味しています。 「ご活躍」は個人に対して使用する言葉であり、「ご発展」は主に組織に対して使用する言葉です。
「お祈り申し上げます」は「相手に良いことがあるように祈っていること」を丁寧に伝える言い回しです。 ”祈る”内容としては、相手の健康・健勝・幸福、または冥福であることが多いです。 ビジネスメールなどでは、先方の成功や活躍・発展・繁盛などを願うときに使用されます。 「お祈り申し上げます」は、結びの挨拶としてメールや手紙の文末や改まった場での締めの挨拶として用いられます。
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は、品詞分解すると、「益々」+「ご」+「活躍」+「お」+「祈る」+「申し上げる」+「ます」となります。 「活躍」についている「ご」は接頭語です。 接頭語「ご」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりえます。 「相手が活躍をすることを願う」という意味で使用されているので、「活躍」につく「ご」は接頭語です。 「祈る」についている接頭語の「お」は、祈っているのは自分なので謙譲語です。 また、「お〜申し上げる」で「言う」の謙譲表現になります。 「ます」は丁寧語です。 したがって、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は尊敬語+謙譲語+丁寧語の正しい敬語表現であり、目上の人に対して使用することができるといえます。
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は、退職するときの挨拶で使用することができます。 退社をするときに、今までお世話になったことに対するお礼の気持ちを述べて、さらにお世話になってきた人達が益々活躍していくことを願っていますと伝えることで印象がよくなります。 また、退職してその場からいなくなってしまう人に対して、今までの感謝の気持ちと共に「これからの活躍を祈っています」と伝えることもできます。 いなくなってしまう人に対しては「新天地でのご活躍〜」という言い回しで使用されることが多いです。
例文
ビジネスシーンでは、転職や異動をする場面で使用することもできます。 異動や転職をするときに、お世話になった人達に対して、「この場を離れてしまうことにはなったけど、今後の活躍(発展)を祈っています」という気持ちを伝えます。 また、転職や異動でその場からいなくなってしまう人に対して、今までの感謝の気持ちと共に「これからの活躍を祈っています」と伝えることもできます。
例文
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は、昇進・着任をする相手に対して使用することもできます。 昇進・着任をする相手に対してお祝いの言葉共に、「これからの活躍することを祈っています」という気持ちを伝えます。 また、自分の部署に着任してきた相手にたいして「期待しています、これから一緒に頑張っていきましょう」という挨拶として「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を使用します。
例文
新年会や忘年会、お祝いの席などのスピーチでは、その場にいる人の活躍や健康を願う気持ちを述べて締めくくられる事が多いです。 「益々のご活躍をお祈り申し上げます」も、スピーチの締めの定型文として使用されます。 「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は非常に丁寧な敬語表現であるため、スピーチなどフォーマルな場面で使用するのにも適している言葉です。
例文
就活では、不採用だった場合に「益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます」というメールがきます。 これは通称”お祈りメール”と呼ばれます。 不採用となる旨を、「採用を見送らせていただく」「ご縁がなかった」などといった言い回しで表した後に、最後「ご活躍をお祈り申し上げます」という形で締めていることが多いです。
例文
年賀状に添えるメッセージとして「益々のご活躍をお祈り申し上げます」を使用することもできます。 年賀状に添える「益々のご活躍をお祈り申し上げます」は、「去年よりも活躍できる年でありますように」という意味になります。 かしこまった表現なので、仕事でお付き合いのある人や目上の人に対して使用できます。 「ご活躍を願っております」とややカジュアルな表現にすると、堅苦しさがやわらぎビジネスの相手でなくても使うことができます。
例文
誕生日を迎えた相手に対して、お祝いの言葉と共に「益々のご活躍をお祈り申し上げます」と伝えることもできます。 誕生日を迎え、今後も活躍していくことを祈っていますという意味で伝えます。 かしこまった表現なので、上司や取引先相手など敬意を示すべき相手に対してのお祝いのメッセージに向いています。
例文
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」という文章が入ったメールや手紙をもらったら、何て返事をすれば良いのでしょうか。 このような場合、相手は自分を気遣ってくれていることになるので、それに対するお礼をします。 「感謝いたします」「お礼申し上げます」などと感謝の気持ちを述べた後に、自分から相手に対しても幸福や健康を願う文章を書くのが望ましいです。
上述したように、就活でも不採用通知で「益々のご活躍をお祈り申し上げます」と書いてあるメールをもらうことがあります。このような場合は基本的に返信する必要はありません。 しかし、最終面接で不採用になった場合や、担当者に何かお世話になったり、親切にしてもらっていた場合は、選考してくれたことに対するお礼や今後の抱負などを簡潔にまとめて、返信するのが良いでしょう。
相手から年賀状が届いてから送る場合は、「ありがとうございます」などと手紙の返信のような書き方をしてしまうと失礼にあたります。 相手から年賀状がきて返す場合は、同じような文言を使用して返しましょう。 目上の人などビジネスシーンでお世話になっている人に出す年賀状で使用できる言葉には、「あけましておめでとうございます」の他にも「謹賀新年(きんがしんねん)」「恭賀新年(きょうがしんねん)」などもあります。 「賀正」「迎春」と書かれていることもよく見かける言葉ですが、「賀正」「迎春」はお祝いの言葉を略したものです。 したがって目下の人に使用するぶんには問題ありませんが、目上の人に対して使用すると失礼なので注意しましょう。
「ご盛栄」は「ごせいえい」と読みます。 「盛栄(せいえい)」は、「商売などが盛んになること」「栄えること」を意味しています。 「ご盛栄」は相手方の商売が順調であることや栄えていることを祝うための丁寧な表現です。 「ご盛栄」は、基本的に組織に対して使う言葉ですが、個人であっても商売をしている相手であれば使用しても問題ありません。
「ご清祥」は「ごせいしょう」と読みます。 意味は「相手方の健康であることを祈り、幸せに暮らしていることを喜ぶ」言葉です。 「清祥(せいしょう)」は、「手紙文で、相手が健康で幸せに暮らしていることを喜ぶ挨拶の語」です。 手紙やメール、かしこまった場面の挨拶で使われます。 「ご清祥」は団体や組織に使うこともできますが、個人に対して使うことが多い言葉です。
「ご清栄」は「ごせいえい」と読みます。 「清栄」は”手紙文などで相手の無事、健康と繁栄を喜ぶ挨拶の語”です。 「ご清栄」は「清く栄えること」「相手方の繁栄を喜ぶこと」を意味します。 「ご清栄」は、相手の健康と繁栄を喜ぶという意味合いになるため、個人だけでなく組織に対しても使うことのできる言葉になります。
「ご健闘」は「ごけんとう」と読みます。 「健闘」は「よく頑張ってたたかうこと」「屈せずに努力すること」を意味します。 「ご健闘」は「頑張ってください」「困難に屈しないで精一杯努力してください」という意味になります。 転職する人や、退職する人、新しい役職に就く人などを応援する言葉として使われます。
「ご隆昌」は「ごりゅうしょう」と読みます。 「隆昌(りゅうしょう)」は、「勢いの盛んなこと」「栄えること」を意味しています。 「ご隆昌」には「相手を褒め称える」というニュアンスが含まれるので、取引先とのメールや手紙でのやりとりの際に使うことができる言葉になります。 ただ、「ご隆昌」は「調子の良いこと」を意味しているので、取引先の状況によっては使用するのに相応しくない場合があるので注意しましょう。 「ご隆昌」は「経済的に一層発展し、繁栄している」という意味合いになるので、主に組織に対して使います。
「ご隆盛」は「ごりゅうせい」と読みます。 「隆盛(りゅうせい)」は、「勢いが盛んなこと」「大いにさかえること」を意味しています。 「ご隆盛」は「大いに勢い盛んに栄え、経済的に豊かである」という意味合いで、相手方の繁栄している現在の状況を喜び称えるお祝いの挨拶です。 「ご隆盛」は主に組織に対して使う言葉ですが、個人に対しても使うことができます。
「祈念(きねん)」は「祈り念ずること」「いのり」「祈願」を意味します。 例えば「国際平和を祈念する」「健康を祈念する」などと使います。 「お祈りいたします」「お祈り申し上げます」をより改まった表現にしたのが「祈念」になります。 「祈念」は”心から祈っている”というニュアンスのため、基本的に相手の成功や活躍・発展・回復を祈るときに用います。主に「祈念いたします」「祈念申し上げます」と使います。
「切に願う」の意味は「心より強く思うさま」です。 「切に願う」もビジネスシーンで用いられることがあります。 「切に願っております」の形が定型句です。 ちなみに「お祈り」と組み合わせて「切にお祈り申し上げます」と使われることもあります。
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」とぴったりあった英語表現はありませんが、手紙などの最後に相手の成功を願う表現としては、「wish you the best of luck」があります。
We wish your company the best of luck.