「誠にありがとうございます」は、日常会話でもビジネスシーンでもよく使われる表現です。日頃からよく使われる「誠にありがとうございます」ですが、この使い方は合っているのでしょうか。今一度「誠にありがとうございます」についての意味や使い方について見直してみましょう。ビジネスメールでの例文や言い換え表現についても解説していきます。
「誠にありがとうございます」は、相手に対して感謝の気持ちを伝える言い回しです。 「ありがとうございます」は、形容詞「ありがたい(有り難い)」の連用形+「ある」の丁寧語「ございます」で成り立っています。 「誠にありがとうございます」は、日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に使われる表現です。
「まことに」を漢字で書くと、「誠に」「真に」「実に」の3通りになります。 「誠にありがとうございます」はよく見かける表現ですが、「真にありがとうございます」や「実にありがとうございます」はあまり馴染みのない表現です。 「まことに」は副詞で、「間違いなくある事態であるさま」「本当に」「じつに」といった意味になります。 一つずつ漢字の意味を見ていくと、 「誠」は、音読みだと「セイ」、訓読みだと「まこと」と読みます。 「誠」は、「嘘偽りのない心」「まごころ」を意味しています。 「真」は、音読みだと「シン」、訓読みだと「ま」「まこと」と読みます。 「真」は、「偽りでないこと」「本当に」「まじめなこと」を意味しています。 「実」は、音読みだと「ジツ」、訓読みだと「まこと」「みのる」を意味しています。 「実」は、「そらごとではない」「本当」を意味しています。 3つとも同じ意味になります。 つまり、どれを使っても意味は同じですが、一般的には「誠にありがとうございます」を使った方が無難になります。ただ「真にありがとうございます」「実にありがとうございます」と使っても決して間違いではありません。 「まことに」とひらがな表記で使うこともあります。 ただ全部ひらがな表記だと少々砕けた表現になってしまいます。
「誠にありがとうございます」は現在形、「誠にありがとうございました」は過去形となります。 現在形の場合は、現在進行している途中で相手が行ったことに対して、感謝の気持ちを表すときに使用します。一方、過去形の場合は、一度終了していること・過去に相手が行ったことに対して使用します。 「誠にありがとうございます」と「誠にありがとうございました」の使い分けとしては、相手の行いが過去なのか、現在なのかで決めます。 ただ、過去か現在か関係なく使うこともあります。 例えば、お店に入る際、「本日のご来店、誠にありがとうございます」と言われます。店を出る際には、「本日のご来店、誠にありがとうございました」、もしくはいつもご利用いただき、誠にありがとうございます」と言われます。どちらにしろ違和感は感じません。 こういった場合もありますが、「誠にありがとうございます」と「誠にありがとうございました」を使い分けられるようにしましょう。
「誠にありがとうございます」は、相手の行いについて、感謝の気持ちを伝える際に使います。 「誠にありがとうございます」は、ただ「ありがとうございます」と言うよりもより丁寧で誠意や真摯な気持ちを伝えることができます。「ございます」は「ある」の丁寧語なので、目上の相手に使用できる表現です。 「誠にありがとうございます」を使用する場面の例としては、
など様々になります。 「誠にありがとうございます」は、ビジネスシーンだけでなく式典・慶事・弔事の挨拶としても用いることができます。
比較的カジュアルな「誠にありがとうございます」の類語・言い換えを紹介していきます。
「どうも」は、感謝や謝罪の気持ちを表す挨拶の語に添えて、その意を強調する言葉です。 「どうも」は、ただ単に「どうも」と言うだけでも、挨拶として通用します。 「ありがとうございます」は「どうも」を付けることによって、感謝する気持ちを強調できます。 「どうもありがとうございます」は、日常会話でも非常に多く使いますが、ビジネスシーンで使うとなると敬語としては成り立っていないので、少し失礼に当たるようなイメージになります。 「どうもありがとうございます」は、ビジネスシーンではなるべく避けたほうが良い表現でしょう。
「本当に」は、「はなはだしいこと」「また心からそう思ったり感じたりしている気持ちを表すこと」を意味しています。 「本当にありがとうございます」と言うことによって、心から感謝しているということを表すことができます。ただ「本当に」は、日常会話などで「本当にありがとう」などと使われていることから、少し砕けた言い方の印象を与えてしまいます。 「本当にありがとうございます」は、敬語としては間違っていない表現ですが、ビジネスシーンではあまり使用しない方がよい言い回しになります。
「大変」は、「程度のはなはだしいさま」「非常に」「たいそう」を意味しています。 「大変ありがとうございます」と言うことで、ありがたく思っている気持ちを強調することができますが、「誠にありがとうございます」よりも心がこもってない言い回しになります。 「大変ありがとうございます」は「大変」が強調を表す言葉ですが、ビジネスメールや手紙で使用するには、少々軽い表現となってしまいます。
ビジネスシーンで使用可能な堅い表現である「誠にありがとうございます」の言い換え・類語を紹介していきたいと思います。
「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。 「心より」は「心の底から」を意味しているので、「心より感謝申し上げます」は「心の底からありがたくおもっています」という意味になります。 「心より感謝申し上げます」は、目上の相手や取引先の相手に対して使うことが多いです。 また「心より感謝申し上げます」の他にも、「心底から感謝申し上げます」や「深く感謝申し上げます」と言い換えることができます。
「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。 「厚く御礼申し上げます」は、目上の相手に使うことができる表現で、手紙などで主にお祝いなどのときに、感謝の言葉として使われます。「厚く御礼申し上げます」は、年賀状や暑中見舞いで使用することが多いです。 「厚く御礼申し上げます」と共に使われるフレーズとしては、
といったようになります。
「感謝の念」は、「ありがたく思い、感謝したいと感じる心持ち」を意味しています。 「感謝」に思いや気持ちを表す「念」を付けることによって、相手に一層のお礼やありがたく思う気持ちを伝えることができます。「感謝の念」は少々堅い表現なので、ビジネス文書や手紙で使われることが多いです。 「感謝の念」の使い方としては、
といったようになります。 「感謝の念に堪えません」「感謝の念を禁じ得ない」は、「感謝の気持を抑えることができない」という意味で、非常に感謝していることを表しています。
「次第」は、「事情、状況、経過、成り行き、由来」を意味しています。 つまり、「感謝申し上げる次第です」は、「〜してくれたことに対してありがたく思います」といった意味になります。 「感謝申し上げる次第です」は一般的にはあまり使われない表現です。
「深謝」には、「深く感謝すること」「丁寧にお詫びすること」という意味があります。 「深謝」はお礼状やビジネス文書で、深い感謝を示すときに使う表現です。 「深謝」は「感謝」よりも、強い謝意を表すことができるため、改まった挨拶やスピーチでも使用することができます。
「拝謝」は「感謝」の謙譲語になります。 「拝謝」は、本来の意味は、「拝礼して感謝の言葉を申し上げる」となるので、目上の相手に対して深い感謝を示すときに使います。 「拝謝します」は口語では使わず、主に手紙など書き言葉として使います。 「拝謝します」は、相応しくない相手に対して使用してしまうと、大袈裟な表現となってしまうので、気をつけましょう。
「誠にありがとうございます」はビジネスメールで頻繁に使用します。 今回は場面によってのビジネスメールの例文を紹介します。
<社内に送るメールの場合> 件名:先日のアドバイスのお礼 お疲れ様です。営業部の◯◯です。 先日は、お忙しい中、私のためにお時間を割いていただき誠にありがとうございました。 部長のご指導のおかげで、業務を難なく進めることができました。 正直、一人で考えていると自分の出来ない部分ばかりが目につき、自信を失いかけていました。部長の経験に学んで、今後は前向きにやっていきます。 今回いただいたアドバイスを生かして、しっかり精進していきたいと思います。 取り急ぎメールにてお礼申し上げます。
<取引先に送るメールの場合> 件名:会社訪問の御礼 株式会社◯◯ △△様 いつもお世話になっております。株式会社□□の山田です。 本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。 お忙しい中、私どもの説明を細かく聞いていただき、感謝しております。 おかげをもちまして、十分に所期の目的を達することができました。 いろいろとお取り計らっていただき、心よりお礼申し上げます。 これを機会に今まで以上のお引き立てとご指導のほどお願いいたします。 メールにて恐縮ですが、取り急ぎ、御礼かたがたご報告まで。 今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
<出張時に送るメールの場合> 件名:出張時は大変お世話になりました。 株式会社◯◯ △△様 平素より大変お世話になっております。 株式会社□□の山田でございます。 このたびの○○出張では、大変お世話になりました。ご多忙にも関わらず、 お時間をいただきましたこと誠にありがとうございました。 おかげさまで無事任務を果たし、本日帰社することができました。 これもひとえに◯◯様のご支援あってのことと、改めて感謝申し上げます。 今後ともご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。 取り急ぎ、ご同行のお礼を申し上げます。
<上司に送るメールの場合> 件名:昨日はありがとうございました お疲れ様です。営業部の◯◯です。 昨日は美味しい料理とお酒をご馳走になり、誠にありがとうございました。 仕事の相談にも色々と乗っていただき、とても勉強になりました。 これからも、仕事でもしっかりとお返しができるように頑張りたいと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。また是非ご一緒、食事などをさせていただけたら幸いです。 メールにて失礼かと存じますが、取り急ぎ昨晩の食事会のお礼を申し上げます。
「ありがとう」の英語は皆さん知っての通り、「Thank you.」になります。 「Thank you.」だけでもフォーマルな場面で使うことはできますが、少し工夫するとより丁寧響きがになります。 Thank you so much for ...:...本当にありがとうございます。 ...の箇所には、感謝の対象である相手がしてくれたことを入れます。
Thank you so much for your help.
お手伝いいただき誠にありがとうございます。
「Thank you」以外にもビジネスシーンで使える「感謝」のフレーズがあるのでいくつか紹介します。
の2つがよく使うフレーズです。
I really appreciate your consideration.
ご配慮、誠にありがとうございます。
I'm so grateful for your kindness as always.
毎度のご厚誼、誠にありがとうございます。
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「誠にありがとうございます」について理解できたでしょうか? ✔︎「誠にありがとうございます」は、相手に対して感謝の気持ちを伝える言い回し ✔︎「誠にありがとうございます」の他にも「誠にありがとうございました」と言うこともできる ✔︎「大変ありがとうございます」「本当にありがとうございます」と言うこともできる ✔︎ 類語としては、「感謝申し上げます」「深謝いたします」などがある