「ご活躍」という言葉をご存知でしょうか。「ご活躍」はスピーチの締めの挨拶や激励の際によく使います。「ご活躍を応援しております」「更なるご活躍を」などと聞いたことがあると思います。目上の人に使って良いのか、どういう表現が適切に伝えられるのか難しいですよね。そこで今回は「ご活躍」の意味や使い方、類語との違いについて解説していきます。「ご活躍」はビジネス用語として多く使われるので、意味をしっかり理解しておきましょう。
「活躍」の意味は「めざましく活動すること」「大いに手腕をふるうこと」です。 ビジネスシーンで使われる「ご活躍」は「相手の仕事における成果やその行動」を指しています。
「ご活躍」は相手に関することを指すため、「ご」は「尊敬」を表す接頭語です。 ご活躍の前後に敬語のフレーズを付けて、より丁寧な言葉として使います。
「ご活躍」は誰に対しても使える言葉ですが、注意したいのが「ご活躍を期待しております」という表現です。 「期待する」と言うと、”相手に対して何らかの結果や成果を求める”というニュアンスになり、上から目線の印象が相手に不快感を与える恐れがあります。 また、「ご活躍を楽しみにしております」という言い回しも「期待しております」と同様、”仕事の成果を待ち望んでいる”といニュアンスなので失礼に当たります。 目上の相手に使う場合は、「ご活躍をお祈りいたします」や「ご活躍を祈念しております」を使いましょう。
個人向けのビジネスメールでは「ご活躍」が役立ちますが、企業や団体に向けての文書やビジネスメールでは「ご発展」を使います。 「ご発展」は目上の人に使える言葉であり、「今よりも良い方向へ進んでいく」「どんどん良くなっていく」といったプラスな意味合いで、縁起の良い言葉とされています。 「ご発展」は個人に対しても使うことができます。
「ご発展」の例文
「ご活躍」は目上の人だけでなく、同僚や部下など同等以下の相手にも使うことができます。 ビジネスメールや文章、スピーチの挨拶文、主に文末の締めの挨拶として使われることが多いですが、文頭の挨拶で使うこともあります。 文末の締めの挨拶では、プライベートであれば相手の健康や幸せを、ビジネスシーンであれば相手の活躍や繁栄を祈る気持ちを記します。結びの挨拶をしっかり書くことでより良い印象になります。
「ご活躍」を用いた言い回しは多々ありますが、「ご活躍ください」とは言いません。 「ご活躍ください」だと”活躍すること”を強制しているようなニュアンスとなり、非常に失礼です。 「今後のご活躍」は相手のこれからを期待する場合に使います。 「今後一層のご活躍」とすることで、”これからより活躍する”という意味合いになります。
「ご活躍を祈念しております」は目上の相手にも使うことができます。 「祈念(きねん)」は「祈り念ずること」「いのり」「祈願」を意味し、「お祈りします」をよりかしこまった表現の言葉です。 ビジネス文書やメールの最後の言葉などでよく使われています。
例文
ビジネスで関わっている相手への年賀状にも使えるのが「更なるご活躍をお祈り申し上げます」です。 また、「ご活躍を願っております」とややカジュアルな表現にすることでビジネスの相手でなくても使うことができます。
例文
例文
「新天地でのご活躍」は「新しい世界、環境、土地での活躍」という意味です。 異動、転職先などでの新しい活動の場所を表します。 主に、別れや送別での挨拶として用います。 ただ、ポジティブな意味合いを持っているので相手を送り出すときに使い、失脚だったりアクシデントによる離脱などネガティブな理由の際は避けましょう。
例文
▶︎「ご健勝」・・・相手の健康を願う言葉 ▶︎「ご活躍」・・・相手がめざましく活動することを願う言葉
「ご健勝」は「ごけんしょう」と読みます。 「ご健勝」は敬語になるので、「(相手の)健康がすぐれていらっしゃる」といった意味になりビジネスシーンや、結婚式などお祝いの席などのスピーチで使われています。 目上や目下など立場関係なく使えますが、個人宛てで使う言葉なので、法人や企業などの会社に対する文書には適しません。 「ご健勝」は単体で使うことが多いですが、「ご活躍」と一緒に使うことも多くあります。 例えば、「皆様のご健勝とご活躍をお祈りいたします」といった場合は、相手がめざましく活動することと相手の健康を同時に祈っていますという意味になります。
例文
▶︎「ご多幸」・・・相手の幸せを願う言葉 ▶︎「ご活躍」・・・相手がめざましく活動することを願う言葉
「ご多幸」は「ごたこう」と読みます。 「ご多幸」は”相手の幸せを願う気持ち”を表します。 「ご多幸」の”幸せ”とは、「健康」「豊かな生活」「長寿」など様々になります。 「ご多幸」はスピーチや手紙などの締めの言葉として用いられます。 結婚式のお祝いの言葉や年賀状の新年の挨拶としても用います。 ビジネスシーンでの「ご多幸」は退職や転職などで別れるときにも使います。
例文
「ご盛栄」は「ごせいえい」と読みます。 「盛栄(せいえい)」は、「商売などが盛んになること」「栄えること」を意味しています。 「ご盛栄」は相手方の商売が順調であることや栄えていることを祝うための丁寧な表現です。 「ご盛栄」は、基本的に組織に対して使う言葉ですが、個人であっても商売をしている相手であれば使用しても問題ありません。
例文
「ご清祥」は「ごせいしょう」と読みます。 意味は「相手方の健康であることを祈り、幸せに暮らしていることを喜ぶ」言葉です。 「清祥(せいしょう)」は、「手紙文で、相手が健康で幸せに暮らしていることを喜ぶ挨拶の語」です。 手紙やメール、かしこまった場面の挨拶で使われます。 「ご清祥」は団体や組織に使うこともできますが、個人に対して使うことが多い言葉です。
例文
「ご清栄」は「ごせいえい」と読みます。 「清栄」は”手紙文などで相手の無事、健康と繁栄を喜ぶ挨拶の語”です。 「ご清栄」は「清く栄えること」「相手方の繁栄を喜ぶこと」を意味します。 「ご清栄」は、相手の健康と繁栄を喜ぶという意味合いになるため、個人だけでなく組織に対しても使うことのできる言葉になります。
例文
「ご健闘」は「ごけんとう」と読みます。 「健闘」は「よく頑張ってたたかうこと」「屈せずに努力すること」を意味します。 「ご健闘」は「頑張ってください」「困難に屈しないで精一杯努力してください」という意味になります。 転職する人や、退職する人、新しい役職に就く人などを応援する言葉として使われます。
例文
「ご隆昌」は「ごりゅうしょう」と読みます。 「隆昌(りゅうしょう)」は、「勢いの盛んなこと」「栄えること」を意味しています。 「ご隆昌」には「相手を褒め称える」というニュアンスが含まれるので、取引先とのメールや手紙でのやりとりの際に使うことができる言葉になります。 ただ、「ご隆昌」は「調子の良いこと」を意味しているので、取引先の状況によっては使用するのに相応しくない場合があるので注意しましょう。 「ご隆昌」は「経済的に一層発展し、繁栄している」という意味合いになるので、主に組織に対して使います。
例文
「ご隆盛」は「ごりゅうせい」と読みます。 「隆盛(りゅうせい)」は、「勢いが盛んなこと」「大いにさかえること」を意味しています。 「ご隆盛」は「多いに勢い盛んに栄え、経済的に豊かである」という意味合いで、相手方の繁栄している現在の状況を喜び称えるお祝いの挨拶です。 「ご隆盛」は主に組織に対して使う言葉ですが、個人に対しても使うことができます。
例文
「ご活躍」の英語表現を見ていきましょう。 「活躍」を和英辞書で引くと「action」「activity」などが出てきますが、これをそのまま文章で使うとかなり不自然です... 「ご活躍を期待しています」などの英語は下記のような表現をするとよいでしょう。
I wish you more successful year to come.
今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げています。(年賀状で使う場合)
Good luck in your future endeavors.
今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げています。
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「ご活躍」について理解できたでしょうか? ✔︎「ご活躍」は「大いに仕事をする」「結果を出す」を意味 ✔︎「ご活躍」は目上の人に使えるが、「ご活躍を期待しております」という言い回しは使えない ✔︎「ご活躍」は”個人宛て”に対して使う表現、組織や団体宛てには「ご発展」を使う ✔︎「ご活躍」の類語には、「ご清栄」「ご隆昌」などがある
敬語の使い方が面白いほど身につく本
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