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「の方」は正しい敬語?読み方と意味、使い方、英語を例文つきで解説

「の方」には、「〜のほう」「〜のかた」という二つの読み方があり、意味も複数あります。どういった意味で使用されるかによって読み方が変わるので注意しましょう。今回は、「〜の方」の正しい使い方について解説していきます。また、「〜の方(ほう)お待たせいたしました」は間違った敬語表現であることをご存知でしょうか。その他にも使用には注意をしたいバイト敬語も合わせ紹介しますのでぜひ参考にしてください。

「の方」とは

「の方」の読み方は「のほう」「のかた」

「の方」の読み方は「のほう」「のかた」です。 「方」は音読みで「ホウ」、訓読みで「かた」と読みます。 どういった意味で使用されているのかによって読み方が変わるので注意しましょう。

「の方」の意味

①方向・方角・方位

「の方」の1つ目の意味は「方向・方角・方位」です。 方向を指すときに使用する場合は「〜のほう」と読みます。 例えば、「北の方に進む」「学校のある方に歩いて行く」という使い方で、「その方向にある場所」を指します。

②物事のおもむく方向

二つ目の意味は「物事のおもむく方向」で、「〜のほう」と読みます。 この場合は方角を指しているわけではなく、抽象的に物事のおもむく方向を指しています。 例えば「休業の方へ話が進んでいる」というような使われ方をします。 「そうする方向へ話が進む」という意味です。

③いくつかある区分けの一つ

三つ目の意味は「いくつかある区分けの一つ」です。 この場合も「〜のほう」と読みます。 2個以上物があるときに、例えば「大きい方の箱には...」というように、対比するもののうちの一つを指します。 いくつかある区分わけの一つという意味での「方」は「がた」と読むこともあります。 例えば、「母方の祖父」といった使い方をする場合です。 名詞につく場合は「がた」と読むと覚えておきましょう。

④どちらかというとその傾向であること

「〜の方」の四つ目の意味は「どちらかというとその傾向であること」です。 この場合の読み方も「〜のほう」です。 例えば「彼女はどちらかというと出しゃばりではなく、照れ屋で控えめの方だ」といった使い方をします。これは、「彼女の性格が、どちらかというと照れ屋な傾向にあること」を意味しています。

⑤ぼかした言い方をすることで、慎み深い気持ちを表す

「〜の方」は、物事をぼかす表現として使用することができます。 例えば「〜の方はお変わりないですか?」というように、ある部分や部門、分野をぼかした言い方をすることで相手に対して慎み深い気持ちを表すことができます。 この場合も読み方は「〜のほう」です。 「〜の方」は、ビジネスシーンなどでも多く使用される表現なのですが、誤用も多いのでしっかり意味と使い方を頭にいれておく必要があります。

「の方」は正しい敬語?

「お釣りの方(ほう)は〜」などは間違った敬語

「〜の方」は、複数の比較するものがある時に使う言葉です。 例えばファミレスなどでよく耳にする「ハンガーグの方、お持たせいたしました」といった表現は、複数の比較する対象がない場面で使用してしまっている典型的なバイト敬語です。 ただ回りくどく言っているだけの間違った敬語なので注意しましょう。 複数の比較するものがないときは、「〜の方」をただ省略すればよいです。 ただし、婉曲表現として「〜のほう」はビジネスシーンでも広く使用されています。 例えば「〜のほう、よろしくお願いします」などは、婉曲表現を使うことで相手に対して慎み深い気持ちを表しているので正しい使い方です。 「〜のほど、よろしくお願いします」も同じ意味の表現です。

「担当者/お客様の方(ほう)」は方向を示す正しい表現

「担当者の方からご連絡申し上げます」など「方(ほう)」は、方向を示しているので正しい日本語表現です。(もちろん敬語ではありません) この場合の「〜の方」は「サイド(side)」という意味で使用されています。 なので、「こちら側からあなたへ○○をします」といった場合に「〜の方から」と使用するのは誤用ではありません。

「人」を指す「〜の方(かた)」は正しい敬語

「人」を指す「〜の方」は他人を高めていう語です。 この場合は「〜のかた」と読みます。 「北の方」などと、居所の報告を示しことで、間接的に貴人をさしたことが由来です。 婉曲することで他人を高める用法なので、敬語ではあるが、尊敬語か丁寧語かは断定できず、どちらと捉えても正しいです。 ただ、「ご在宅の方」「本日もお仕事の方」のように、接頭語の「ご」や「お」が尊敬語であることを考えると「丁寧語」と判断するのが妥当であるといえるでしょう。 「お一方」「お二方」「お三方」の形で、人を数えるのにも使うことができますが、四人以上には使えないので注意してください。 また、「アメリカの方」「関係者の方」「他の方」「その方」なども他人を高める表現になります。 「アメリカの人」「関係者の人」「他の人」「その人」という意味です。 「関係者の方」や「参加者の方」など、「者」も「人」を指す言葉であるため、「方」をつけてしまうと二重敬語のように同じ意味を重ねているように感じる人も多いかもしれませんが、誤用ではありません。「者」は人を敬う表現ではないので、他人を高める表現にするために「方」をつけています。 複数形は「方々(かたがた)」です。「みなさん」を「方々」と言い換えることで丁寧な表現になります。

「の方」以外のバイト敬語

になります

コンビニやファミレスで使われる「になります」の使い方はバイト敬語と言われ、誤用とされています。 「になります」には、二つの意味があります。 1つ目の意味は、状態変化を表す「なる」です。その「なる」に丁寧語「ます」が付いた形が「になります」です。 「状態変化」とは、「ある状態から他の状態へ変化する」という意味です。 二つ目の意味は「ある時期に至る、ある時間に達する」という意味もあります。 この意味の「になります」では、具体的な時刻や日数などが使われることが多いです。 「これからある状態に達する」という意味であり、未来に対して使います。 このことから、例えばよく耳にする「こちらがメニューになります」という使い方は誤用であることがわかります。 この場合は何かがメニューに変わることはないので、「こちらがメニューです」「こちらがメニューでございます」と言うのが正しいです。 しかし、「こちらがコーヒーになります」といった使い方をする場合など、一概に「御用だ」と言えないので注意が必要です。 「になります」は「あなたはそう思っていないかもしれないが、実は◯◯なんだ」という風に意外性のある話をするときに使うこともできる表現です。 なので、「あなたはもっと豪華な商品を期待していたかもしれませんが、こちらが当レストランが提供しているコーヒーです」という意味で使用するのならば誤用ではありません。 ただ、「になります」という表現を誤用として、カフェやファミレスのマニュアルから排除する傾向があります。職場のルールとして使わないのであれば、使用を避けましょう。

敬語「になります」の意味と使い方、「となります」との違い

WURK

〜からお預かりします

お会計の時などに使用される「〜からお預かりします」もバイト敬語です。 例えば、5000円札を受け取った時に「5000円からお預かりします」と言ってしまうのは誤用です。 元々「5000円をお預かりし、その中から3000円頂戴します」という言い方だったのが、省略されて「5000円から〜」と言われるようになってしまいました。 この場合の「〜のから」も、ただ回りくどく言っているだけのバイト敬語なので、省略して「5000円お預かりします」が正しい表現であるといえます。

よろしかったでしょうか/よろしかったですか

「よろしい」は「よい」を丁寧にした語です。 この「よろしい」を過去形にした形が「よろしかった」となります。 飲食店などで注文の際に、「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」「◯◯でよろしかったでしょうか」と店員さんに聞かれたことがある方も多いと思いますが、間違った敬語表現です。 理由としては、過去のことではないのに、過去形で聞いているからです。 「よろしかったでしょうか」に違和感を感じるのは、直前の行為に対して「よろしかった」と過去形にしているからです。 「よろしかったでしょうか」は過去形なので、前提となる内容があって、それに対して確認の意味で用いるのが適切な使い方になります。ですので、何の前提もない状態で「よろしいでしょうか」を使うと不自然です。 間違いがないか確認したいのであれば、「よろしいですか?」「よろしいでしょうか?」「お間違いないでしょうか」といった敬語表現を使用するのが適切です。

お召し上がりください

飲食店など食べ物を販売するお店では「どうぞお召し上がりください」「お早めにお召し上がりください」といった表現を耳にすることも多いです。 しかし、「お召し上がりください」は、「食う」「飲む」も尊敬語である「召し上がる」に、尊敬を表す接頭語の「お」をつけ、「あたえる・くれる」の尊敬語「くださる」の命令形である「ください」をつけているため、二重敬語になってしまいます。 なので「お召し上がりください」は、誤った敬語表現であるといえます。 さらに「くださる」の命令形である「ください」を使用しているので、目上の人やお客様に使用するのならもっと丁寧な表現をする必要があります。 一般的に使用されている敬語表現ではありますが、正しい敬語表現ではないので注意しましょう。

お伺いします

「ご注文をお伺いします」など「お伺いします」も飲食店などでよく耳する敬語表現です。 しかし、「お伺いします」は、「聞く」の謙譲語「伺う」にさらに、謙譲を表す接頭語「お」を付けて、丁寧語の「ます」をつけています。 したがって、「お伺いします」も本来は二重敬語で間違った敬語表現であり、接頭語の「お」をとった「伺います」が正しい敬語表現です。

いらっしゃいますでしょうか

「◯◯様はいらっしゃいますでしょうか」は電話口や受付などで頻繁に使われている表現ですよね。 「いらっしゃいますでしょうか」も「ます」「です」の2つの丁寧語が使われており二重敬語にあたり、不適切な日本語となります。 しかし、「いらっしゃいますでしょうか」ビジネスシーンでもよく使われており、一般化されています。 ただ、やはり「〜ますでしょうか」という表現に違和感を覚える人もいます。 「いらっしゃいますでしょうか」は、「いらっしゃいますか?」という正しい敬語表現にしましょう。 電話などで用件を伝えたい人に変わってもらいたいときは、「○○様にお取次ぎ願えますか?」でも丁寧です。

「の方」の英語

direction

「方向」を意味する英語は「direction」です。 「in the direction of...」で「...の方に」の意味です。

She headed to the west.

彼女は西の方に向かっていった。

She was going in the direction of the bedroom.

彼女は寝室の方へ行っていた。

gentleman/lady

「人」を指す丁寧な言い方は、男性は「gentleman」で、女性は「lady」です。 「this lady」で「この方」となります。

This gentleman is Mr. Watanabe.

この方が渡辺さんです。

まとめ

いかがでしたか? 「〜方」について理解を深めていただけましたか? 「〜の方」について最後にまとめます。

  • 「〜の方」の読み方は「〜のほう」「〜のかた」
  • 「お釣りの方(ほう)は〜」などは間違った敬語
  • 「担当者/お客様の方(ほう)」は方向を示す正しい表現
  • 「お二方」「参加者の皆様方」のようおに「人」を指す「〜の方(かた)」は正しい敬語
  • 「〜になります」「からお預かり致します」も間違った敬語表現

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