「いらっしゃいますでしょうか」という言葉になんとなく違和感を覚えてつつも使っている人はいませんか?「いらっしゃいますでしょうか」という敬語は実は間違いで、正しく言い換える必要があります。今回は「いらっしゃいますでしょうか」の電話やメールでの正しい言い換えを解説します!
「◯◯様いらっしゃいますでしょうか」は電話口や受付などのビジネスシーンで頻繁に使われている表現ですよね。 「いらっしゃる」は、「居る」「在る」「来る」「行く」の尊敬語です。 しかし、「いらっしゃいますでしょうか」は「ます」「です」の2つの丁寧語が使われており二重敬語にあたり、不適切な日本語となります。
「いらっしゃいますでしょうか」の二重敬語を解消すると「いらっしゃいますか」となります。 二重敬語とは、1つの語に対して複数の同じ種類の敬語で修飾することを指します。 「いらっしゃいますか」は尊敬語+丁寧語なので、正しい敬語表現となります。 また、「◯◯様にお取り次ぎ願えますか」と言い換えることもできます。
「おられますか」「おられますでしょうか」などの表現も避けるべきです。 「おられますか」「おられますでしょうか」の原型は「おられる」で、謙譲語「おる」と尊敬語「れる」の組み合わせなので、二重敬語ではないですが不自然な日本語だとされています。 「おる」は「いる」の謙譲語ではなくただ改まった表現と解釈することも可能で、それならば間違った敬語表現だとは言えません。 「おられますでしょうか」は「ます」「です」の組み合わせなので、二重敬語となります。 また「おる」は西日本方言で「いる」の代わりで使われることもあります。この場合は敬語ではありません。
社内の人間に対しては役職名も敬称も使いません。苗字の呼び捨てで呼ぶのがマナーです。 同じ人の名前がいたりなど、役職名を確認する人がある場合は、「部長の渡辺は〜」とします。 「部長は〜」と役職名だけで呼ぶのも避けた方がよいでしょう。役職名にも敬称の意味が含まれているからです。 逆に社外に電話する際は、「部長の渡辺様は〜」「渡辺部長は〜」とするのがよいでしょう。
「いらっしゃる」は尊敬語なので、社内の人間に対して使うことはできません。 「いる」の丁重語である「おる」を使います。 「おる」の形で使うと古風かつ西日本方言的で尊大な語感になりますが、「おります」と丁寧語「ます」と一緒に使うと問題ありません。 丁重語とは、自分(たち)の行動をへりくだり話の聞き手に敬意を示す敬語で、謙譲語の仲間です。 通常の謙譲語は、自分の行動をへりくだり行為の受け手に敬意を示すものです。 逆に電話相手が求めている人がいない社内にいないor電話対応ができない場合は、
などと言うのがよいでしょう。
社外の人から電話で伝言を頼まれた場合、「渡辺に申し上げておきます」などと返してはいけません。 「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。自分→社内の上司への謙譲語は不適切です。 「伝えておきます」「申し伝えておきます」などといいましょう。 社内でのコミュニケーションでは「申し上げます」は使っても問題ありません。
指名された人物がお休みの場合はどのように返答するのがよいのでしょうか。 「○○は本日お休みを頂いております」はNGです。 「頂く」は謙譲語で、「お休みを頂く」は社内の人間→会社の謙譲表現となります。 社外の人との会話で、自分の会社に対して敬語を使うのは不適切です。 「本日休みをとっております」とすればよいでしょう。「おります」=「いる」の丁重語「おる」+丁寧語「ます」です。 丁重語は社内の人間→電話の相手に対する敬語なので、正しい表現となります。 「お休み」の「お」は丁寧語と解釈すれば社外の人に対しても使っても問題ありませんが、接頭語「お」は尊敬語と解釈することも可能で、誤解を避けるためにも「休み」と言うのがベターでしょう。
もし社内の担当者が不在の場合は、名前と電話番号を再確認し、折り返す電話をするのがマナーです。 そのときに「お名前とお電話番号を頂戴してもよろしいでしょうか 」と言うのはNGです。 これは敬語の問題ではなく、言葉の意味の問題です。 「頂戴する」は物を受け取るときに使う言葉です。 「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」とするのが正しい聞き方です。
ビジネスでの電話では「もしもし」を使うのも避けるべきです。 「もしもし」は元々「申します、申します」を略した言葉です。 「もしもし」はカジュアルな言葉で砕けたイメージがあるので、ビジネスシーンではNGです。 ビジネスシーンで電話に出るときは「株式会社ABCの渡辺でございます」と言うべきです。 電話をかけるときも「もしもし」は不適切です。 「お世話になっております」「お忙しいところ失礼いたします」などのクッション言葉に言い換えましょう。
ビジネスでは電話で相手が名乗ったら、復唱するのが基本です。 その際に「◯◯様でございますね」は避けましょう。 「◯◯様でいらっしゃいますね」と尊敬語を使うように心がけましょう。
「それでは資料を送付させていただきます」などと「〜させていただきます」という言い回しも注意が必要です。 「させていただく」は、
の2つの条件を満たしていなければ使えません。 「それでは資料を送付させていただきます」は、電話の会話の流れの中で言う言葉なので許可は実質得ていることになりますが、基本的にこちら側に恩恵はないので、不自然な日本語です。 「〜いたします」と謙譲語を使うのが正しい言い方です。
最後に電話で使うことができる英語表現を紹介していきます。
「どういったご用件ですか」は、
となります。
「スミス様いらっしゃいますか」は、 Is Mr. Smith available? となります。 「available」の意味と使い方に関しては下記の記事で詳しく書いておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
「私です」と言うには、
となります。 「This is him.」ではなく主語格である「he/she」を使います。
「どちらさまですか」は「May I ask who's calling?」となります。 「Who are you?」は直接的な表現なので、避けましょう。 「Who is this?」は許可ですが、「May I ask who's calling?」「Who am I talking to?」などが丁寧な言い方になります。
「少々お待ちください」は、
などがあります。 「電話を切らないで」というニュアンスで電話応対でのみ使える「お待ちください」は、
などがあります。
「スミスにお繋ぎします」は、
などとなります。
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