使役動詞「let」の意味と使い方を見ていきましょう。使役動詞といっても「let」は「〜させる」といった強制的なニュアンスはありませんので注意が必要です。また使役動詞には他にも「make, have, get」などがあり、それぞれニュアンスが異なり、使い間違えると誤解の元になります。今回は「let」の文法解説を分かりやすく行いたいと思います。
※音声付き例文がありますので、発音の確認にご活用ください。なお、音声はアメリカ英語になっております。
英文法における「使役」の意味は広く、「人が◯◯することを強制する」というニュアンスから「人が◯◯することを許可をする」「人が◯◯することに文句を言わず止めない(許す)」というニュアンスまで含みます。 使役動詞「let」は、英語にある様々な使役動詞の中でも強制力のない使役動詞に分類されます。 「let」は「相手の意思通りにしたいことを許す、相手のしたいことを妨げる行為をしない」という意味になります。 「let」は日本語だと「人が◯◯するのを認める」に近いです。 それでは例文を見てみましょう。
Ann's father didn't let her go on a date with me.
アンの父は、アンがおれとデートに行くのを許さなかった。
The CEO won't let any journalist enter his company.
社長は会社に一切記者を入れない。
"It's on me today. I'll pay for it." - "Oh no. I can't let you do that."
「今日おれのおごりね。支払いするよ」-「ダメだよ。そんなことさせられない」
最後の例文は、外食の会計時によくネイティブが使うフレーズです。「I can't let you do that.」は直訳すると「あなたがそのことするのを許可を出す(認める)わけにはいかない」になります。 つまり「Don't do that.」よりも丁寧に相手の行為を止めようとしています。 このフレーズはとても便利でよく使えますので、ぜひ使ってみてください。
「Let's ... 」で「...しよう、...しましょう」という意味になります。 この表現は皆さんも中学校で習ったことがあると思うので、知っている人が多いと思います。 「let's」は「let us」の略で、直訳すると命令文で「私たちが...することを認めてくれ」という意味になります。 主語が「we」で命令文なので、実際には命令文ではなく「一緒に...しましょう」という意味になります。 例えば、「Let's go.」なら「一緒に行きましょう」という意味になります。 「Shall we...?」も同じ意味で使うことができます。 否定文は「Let's not...」になります。「...するのはやめましょう」という意味になります。 イギリス英語では「Don't let's...」と表現することもあります。 例文を見てみましょう。
Let's hang out for lunch.
ランチにしに出かけよう。
Let's not say good-bye.
さようならを言うのはやめよう。
「Let's」は「Let us」を省略した形ですが、全く意味が同じというわけではありません。 アメリカ人は「Let's」と「Let us」 を何となく使い分けています。 「Let us...」というと、「...しましょう」というより「...するのはどうでしょう」という感じで、少しフォーマルな提案になります。 「Let's」というともっとカジュアルな響きになります。意味は同じですが、語感が異なります。 「Let us...!」は「私たちに...させて!」という命令文である可能性もあります。 「Hey mom, let us go to the party!」といえば「ねえママ、私達にパーティー行かせてよ!」という感じになります。これは複数の人が許可を求める表現になります。
Let us consider all the options we have.
我々にある全ての選択肢を考えてみましょう。
Let us assume that Bill is right for this discussion.
この議論のために、ビルが正しいと仮定してみましょう。
Hey Daddy, let us buy a new one!
ねえパパ!新しいもの買わせてよ!
「Let me...」だと「私に...させてください」となります。 直訳は「私が...するのを許してください」になります。 「Tell me.」というより「Let me know.」という方が丁寧になります。 どちらも文法的には命令文ですが、「教えろ」というより許可を求めるニュアンスの「let」の方が人に依頼するとき丁寧になります。
などの動詞と一緒に使うことが多いです。 「Let me know if...」で「もし...ならば、教えてください」という意味になります。 「Let me see if...」で「...かどうか見せてください」になります。 動詞以外だと、
などがあります。 「Let me go.」は「行かせて、放して」という意味になります。 「Let me go.」は「Let go of me.」と言っても同じ意味になります。
Let me know if you have any questions.
質問があったら教えてくださいね。
Let me know when you get home!
家着いたら教えてね。
"My computer got broken." - "Let me see if I can fix it."
「パソコンが壊れちゃった」-「直せるかどうか見せてみて」
Hello. I'm here. Let me in.
やあ、着いたよ。入れてよ。
「me」を他人にする強い願望を表現することもできます。
Please let my son get a job!
私の息子に仕事を!
このように神頼みのようなニュアンスになります。
「let」の目的語がモノ・コトの場合は、「モノ・コトが...するのを受け入れる」という意味になります。 有名なフレーズに、 「Let it be.」 「Let it go.」 がありますよね。 これらも、「なすがままに」「あるがままに」という和訳が当てられているように、「受け入れる」というニュアンスが含まれていますよね。
Let it rain. We gotta go anyway.
雨か、仕方ないね。どちらにせよ行かなくちゃだもんね。
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