「明確」「明白」「明快」「明瞭」「自明」の違いについてしっかりと理解しているでしょうか?「明確だ」「明白な事実」などと、日常会話で使うことも多いですよね。似たような感じがしますが、実はそれぞれ異なります。そこで本記事では「明確」「明白」「明快」「明瞭」「自明」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「明確」・・・「はっきりしていて、絶対に間違いないこと」 「明白」・・・「根拠や理由がはっきりしていて、誰が見ても疑いようのないこと」 「明快」・・・「はっきりしていて、分かりやすいこと」 「明瞭」・・・「あやふやな部分がなくて、はっきりしていること」 「自明」・・・「説明したり解説をしなくても、はっきりとしていること」
「明確」は「めいかく」と読みます。 「明確」の意味は「はっきりしていて、疑うことがなく確かであること」です。 「明」は「はっきりしている、あきらか」、「確」は「まちがいなこと」を意味します。 物事がはっきりしていて、絶対に間違いないことを表します。 例えば、「答えを明確にする」と使います。これは「答えがはっきりしていて、確かなこと」というニュアンスになります。 しっかり調べたことによって、絶対に間違いない!と自信がある場合に「明確」を使います。
というような使い方をします。 「明確化」という言葉があります。これは「曖昧なことや不明なことを明確にすること」を表します。
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「明白」は「めいはく」と読みます。 「明白」の意味は「はっきりしていて、疑いようのないこと」です。 「白」には「はっきりしている、確かである」という意味があります。 理由や証拠がはっきりしていて、誰が見ても疑う余地が一切ないことを表します。 例えば、「口を見れば、彼がお菓子を食べていたことは明白だ」と使います。これは「彼がお菓子を食べていたのは、誰の目にも明らかである」というニュアンスになります。
というような使い方をします。 「事理明白(じりめいはく)」という言葉があります。これは「物事の道理が非常にはっきりとしていること」を表します。
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「明快」は「めいかい」と読みます。 「みょうかい」と読むこともできますが、意味が異なるので注意してください。 「明快」の意味は「筋道がはっきりとしていて、理解しやすいこと」です。 「快」は「心地よいこと、喜ばしいこと」を意味します。 物事が明らかで気持ちの良いこと、筋道が確かでわかりやすいことを表します。わかりやすいぐらい、はっきりしているということです。
というような使い方をします。 「単純明快(たんじゅんめいか)」「論旨明快(ろんしめいかい)」という言葉があります。 それぞれ、「話や文章が簡単でわかりやすいこと」「議論の主旨が明らかで分かりやすいこと」を意味します。 「単純明快」は「単純明快な性格」「単純明快な人」などと、人に対しても使います。これは「感情豊かで、分かりやすい人」を指します。
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「明瞭」は「めいりょう」と読みます。 「明了」「明亮」と表記することもできますが、一般的には「明瞭」と表します。 「明瞭」の意味は「はっきりしていて、疑わしい点がないこと」です。 「瞭」は「よく見えること、物事がはっきりしていること」を意味します。 物事が分かりやすくはっきりとしていて、他のものと区別できることを表します。 「内容が明瞭だ」などと使う他に、「明瞭な発音」などと音声などがはっきりしている、聞き取りやすいことを表す場合にも使うことができます。
というような使い方をします。 「簡単明瞭」「明瞭簡潔」という言葉があります。これは「物事や表現などが易しく単純で、わかりやすいこと」を意味します。
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「自明」は「じめい」と読みます。 「自明」の意味は「証明したり説明しなくても、明らかであること」です。 証明したり、説明する必要がないほど、物事が明らかであることを表します。 「自明である」「自明のことだ」「自明な事柄」などと使います。 よく使われる表現が「自明の理(じめいのり)」です。「自明の理」とは「あれこれと説明したり解説する必要のないほど、明らかな道理」を表します。 例えば、他人に暴力を振るわないことは、当たり前のことです。これを「人に暴力を振るわないのは自明の理だ」と言います。 ただ、「自明の理」は日常会話においてはほとんど使いません。論文や新聞など、改まった場面で使われることが多いです。
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