「乖離」「解離」「剥離」の違いについて正しく理解しているでしょうか?「現実との乖離」「解離性障害」「剥離する」などと日常会話でもよく使われていますよね。三つとも似ているので、同じように使うという方が多いかもしれません。しかし、この三つはそれぞれ異なります。そこで今回は「乖離」「解離」「剥離」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「乖離」・・・「本来しっかりと結ばれていないければならない、密接な関係にあるものが離れてしまうこと」 「解離」・・・「本来は一つになっているべきものが離れてしまうこと」 「剥離」・・・「本来くっついているべきものが剥がれること、剥がして取ること」
「乖離」は「かいり」と読みます。 「乖離」の意味は「そむきはなれること、離れた状態になること」です。 「乖」は「はなれる、反する」、「離」は「はなれる、わかれること」を意味します。 「乖離」はただ離れることではなく、本来1つであるものや、関係のあった物事が離れてしまうことです。ネガティブな意味合いになります。 人間関係や政治など、人の心や理想に関することに多く使われます。 例えば、「監督の意向と選手の目標には乖離がある」と使います。この場合は、意見の食い違いを表しています。 物理的に人と人が離れる、ものとものが離れるという場合は「乖離」とは言いません。
というような使い方をします。 「乖離」の類語には、「離反」「分離」「離隔」「隔絶」「縁切り」「離別」「別離」などがあります。
例文
「解離」は「かいり」と読みます。 「解離」には二つ意味があります。 一つ目の意味は「解き離れること、解いて離れること」です。 一つのものが離れてバラバラになることを表します。 「解離」は心理学用語として使われています。 「解離性同一障害」「解離性健忘」「解離性大動脈瘤」「椎骨動脈解離」などと、病名で使われることが多いです。 二つ目の意味は「一つの分子が、その成分である原子・原子団・イオンなどに分解すること」です。 この意味での「解離」は化学用語として使われます。「解離熱」「解離度」「光解離」「解離吸着」などと用います。 「解離」の類語には、「分離」「分散」「分裂」などがあります。
例文 ①の意味
②の意味
「剥離」は「はくり」と読みます。 「剥離」の意味は「剥がれてとれること、また、剥がすこと」です。 「剥」は「取り除く、はげおちる」、「離」は「はなれる、わかれること」を意味します。 本来くっついているはずのものが物理的に剥がれること、剥がして取ることを表します。古くなって剥がれたり、何かに当たった衝撃で剥がれることだけでなく、自ら剥がすことも指します。 「壁紙が剥離する」「塗装が剥離する」「カバーが剥離する」などと使います。 また、「網膜剥離」「剥離骨折」「爪甲剥離症」などと病気の名称としても使われています。 「剥離」の類語には、「剥がれる」「剥落」「もげる」「取り外す」「剥がれ落ちる」などがあります。
例文