ほとんどの方が「モットー」という言葉を知っているかと思います。よく似た言葉に「スローガン」「ポリシー」などがありますが、しっかりと使い分け出来ているでしょうか? 今回は「モットー」という言葉について、正しい語源と意味、使い方を例文付きで紹介します。また、面接で使う際の例や四字熟語を使った例など紹介します。類語や英語「motto」ンについても解説します。
「モットー」の語源は英語です。 英語では「motto」と書きます。 ちなみに英語の「motto」はイタリア語の「motto」から1598年に伝わっています。 さらに遡ると「モットー」はラテン語で「muttum」であり「声、発声」といった意味でした。 それがイタリア語として伝わり「motto」と使われるようになったようです。
「モットー」の意味は標語、指針です。 座右の銘と近い意味があります。 何かにあたり心がけている事柄や目標、そのことを表した言葉を指します。
「モットー」は日常生活でもビジネスでも使われています。 個人が、自分の生活や人間関係などにおいても 主な言い回しは 「私のモットーは◯◯です」 「◯◯がモットーです」 となっています。 その他詳しくは例文を参考にしてください。
● 企業の理念や方針に沿ったモットー 就職したい企業の理念や方針を読み、それにあった事を言いましょう。 例えば「日々丁寧にお客様に尽くす」といったことを掲げている会社であれば、「誠心誠意お客様に尽くし、迅速かつ丁寧な対応をすることをモットーとしたい」などというといいでしょう。 しっかりと企業の理念を把握しているんだということも相手に伝わります。 ● 会社にとって良い人材だと思われるモットー 一生懸命に働こうとしていること、会社の仲間と頑張りたいといった気持ちが伝わるようなモットーを言うといいでしょう。 「努力を惜しまない」「上司や先輩、また第三者からの意見に傾聴すること」などです。 ● 立場を生かしたモットー 新入社員であればそのフレッシュさ、中途採用などであれば社会人としての経験を生かしたモットーを言うと説得力があります。 いい言葉を並べただけでは相手には伝わらず、自分の立場や経験をもとにしたモットーにすると良いでしょう。 「失敗を恐れずに邁進することです」「経験を生かし新たなことにもチャレンジします」などです。 ● 仕事をやり遂げる力があると思わせるモットー あとはすぐに辞めてしまいそうな人は会社は採用したくありません。 そのため「最後まで諦めないこと」「中途半端では終わりにしない」などといったモットーも面接には適しているでしょう。
● 誠心誠意 意味:嘘や打算的な考えを持たず真心を持って尽くすこと ● 有言実行 意味:口にしたことは、責任持って実行すること ● 堅忍果決 意味:強い意志を持って耐え忍び、一度決めたことを断行すること ● 勇往邁進 意味:自分の目的や目標に恐れることなく前進すること ● 一期一会 意味:一生に一度だけの機会や出会いのこと ● 笑門福来 意味:笑う門には福来たるの四字熟語、いつも笑いが絶えない家庭には幸運がやってくるということ ● 陰徳陽報 人知れずに善行することで、必ず明らかな良い報いがあるということ
● 継続は力なり 意味:どんなことでも継続することは、自分の力や成果になるということ ● 急がば回れ 意味:早く目的に到着したい場合、危険な近道よりも安全で確実な方が結局早く到着するということ ● 百聞は一見にしかず 意味:人から聞くよりも、実際に自分の目で見る方が確実でよく分かるということ ● 思い立ったが吉日 意味:何かをしようと思ったら、その日に始めるのが良いということ ● 魚心あれば水心 意味:相手が好意を示せば、自分も相手に好意を示す気になる ● 親しき仲にも礼儀あり 意味:親しい仲でも、礼を失するようなことがあってはいけないということ
● ワーク・ハード、プレイ・ハード 意味:よく学び、よく遊べ ● ワーク・アズ・ライフ 意味:寝ている時間以外はすべて仕事であり趣味である これは仕事とプライベートを分けることなく起きている間は仕事であり趣味であるとし、好きなことを仕事にしている人の考え方とされています。 元々「ワークライフバランス」といった言葉がありました。 「仕事だけでなくプライベートの充実」といった仕事と生活の調和、どちらも充実することで人生がより良くなるといった考え方です。 これに対して「ワークアズライフ」はインターネット上で好きな仕事を請け負ったり副業でフリーランスをやっている人などが増えてきた現代にフィットした考え方になっています。 ● スカイ・イズ・ザ・リミット 意味:無限の可能性、限界はない ● ケ・セラ・セラ 意味:なるようになる
● ネガティブな内容や他人が嫌な気分になるようなもの たとえば「唯我独尊」「棚からぼた餅」などは人から反感を買うこともありますので気をつけましょう。 ● 面接などの場合、企業の理念と合わないもの、全く関係のないもの そして、社会人として働く気がないように感じるもの、また聞く耳を持たなそうなものも避けましょう。 「なるようになるさ」「私は私、人は人」「よく食べよく寝ること」など、こういった類は友人同士などで話す分にはいいですが、企業面接などでは絶対に避けるべきモットーです。 ● 宗教や信条、政治に関わるもの 「○○を崇拝」「○○の言うことは絶対」など、宗教や信条は自由ですがそれ以外の人を受け付けないという印象があります。 そういったモットーは心にしまっておき、誰かに伝えることは避けましょう。
個人の場合は、
などとあります。 似たような言葉はたくさんあり、それぞれニュアンスは異なりますが「自分自身や団体が行動をする上で指標となるもの、言葉」といった意味があります。 類語で例文を作成したので、ぜひ参考にしてみてください。
「私達の標語は、安全第一です」 「臨機応変を人生訓としており、状況や先をしっかりと考えるように心がけています」 「私の座右の銘は塵も積もれば山となるです。どんな些細なことも疎かにせずコツコツと頑張ります」 「絶対に人前では怒ったり泣いたりしない、それが私の美学なんです」 「どんなピンチな時も絶対に諦めない!それが乙女のポリシーです」
企業の場合は、
などがよく使われています。 「クレド」とは、ラテン語で「信条」「約束」といった意味があります。企業の活動における行動師範やに従業員が心がけるべきことといった意味で用いられています。 その他にも、組織ならば、
などといった言葉も使われています。
企業では「モットー」という文言は使わず、上記で紹介した「企業理念」や「ミッション」「ビジョン」「行動指針」などの言葉を使うところが多いです。 「企業理念」や「ミッション」というとかなり抽象度が高く、長期的な目標になります。 しかし「モットー」は「指針」というニュアンスを持つので、企業に当てはめると「行動指針」や「バリュー」など具体的でデイリーで運用できる文言を当てることが多いです。
上記の例のように、企業では「○○ウェイ」「アイデンティティ」「バリュー」などの言葉と使って「モットー」を表すことが多いです。
スローガンは主に「主張や目的」を掲げる場合に用いられ、戦略や宣伝に使われることが多い言葉となっています。 個人で使うことはほとんどなく団体や企業が主に使います。 そのため、スローガンは相手がどう思うかや人を引きつけるためを考えて掲げることが多くあります。 運動会などでもよく用いられ、それぞれの組の主張であり相手の組への対抗心や応援してもらうための言葉となっています。 それに対して、モットーは個人的にも使う言葉であり相手がどう思うかはあまり関係ありません。 自分自身がどう行動していくかの主軸となるものとして用いられます。
ポリシーは、主に政策といった意味で使われています。また、何かを行う時の方針といった意味で用いられています。 自分自身の行動というよりも企業や団体が物事を行うための考え方や目的を達成するための原則的なこととして使います。 モットーは、個人や企業が日常における行動の指針となるものとして用いられます。 「ポリシー」は考え方が重視されており、「モットー」は行動面が重視されています。
「コンセプト」は概念や構想といった意味があります。 主に企画をしたり何かを作る際に用いられ、どのように企画や制作をしていくかといった方向性や根本となる考え方を指します。 この場合モットーは、コンセプトをもとに企画されたものや制作されたものを行っていく上での指標、となります。
「テーマ」は主題と行った意味があり、創作や議論をする上では課題や題目といった意味でも使われます。 「テーマ曲」は「主題歌」といった意味であり、「会議のテーマ」は「会議の題目」といった意味です。 また、行動や創作をする上での根本となる考えとしても使われます。 「この映画のテーマは純愛です」といった場合、映画は純愛を根本として制作されたということです。 それに対してモットーは行動の指針となるものといった意味があります。 テーマが行動の根本となるブレないものとして定めたものに対して、モットーはそれをブラさないために心に留めておくことや言葉となります。
英語「motto」も日本語のカタカナ語「モットー」と同じように使うことができます。
What kind of motto should I live by?
私はどのようなモットーを信条にして生きていくべきか?
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「モットー」について理解できたでしょうか? ✓意味は標語、指針。座右の銘と同じ意味でも使われる ✓モットーとして四字熟語やことわざがよく用いられている ✓類語には「人生訓」「生活心得」など