「感化」という言葉をご存知でしょうか。「映画に感化される」「師匠の感化を受ける」などと使います。日常会話でも使うことがあるため、聞き覚えあるという方も多いと思います。人やものごとに影響されて、考えを変えたり行動をしたりすることがありますよね。「感化」はそういった場合に使うことができる言葉です。また、「触発」という言葉も「感化」に似ていますが、実は意味に違いがあります。そこで今回は「感化」の意味や使い方、「触発・影響・看過」との違いについて解説していきます。「感化」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「感化」は<かんか>と読みます。 「感」は音読みで「カン」と読みます。 「感」は「何か外部の物事に触れて心が動くこと」を意味します。 「化」は音読みで「カ・ケ」、訓読みで「ばける・ばかす」と読みます。 「化」は「教育や環境などによって人をよい方に変えること」を意味します。 「感化」の意味は「考えや行動に影響を与えて、心を変化させること」です。 よく使われる表現は「感化される」です。 これは「ある物事に大きな影響を受けて、自分自身の考えや感覚を変えること」を表します。 「感化」は良い意味でも悪い意味でも使うことができます。 何か良いことに対して感化されるのは「好奇心が強い」ということですが、悪いことに対して感化されるのは「流されやすい・騙されやすい」といった印象を受けます。 例えば、「師の言葉に感化される」はプラスな意味合い、「胡散くさい予言者に感化される」はマイナスな意味合いとなります。 言い回しとしては、
となります。
「感化」の例文を紹介します。
「触発」の意味は、 1.ある物に触れると爆発や発動すること 2.見たり聞いたりすることで、意欲や衝動といった感情を誘い起こすこと です。 「触」は「ある物に触れること」、「発」は「外に生じさせること」を意味します。 「触発」には2つ意味がありますが、主に1つめの意味で使うことが多いです。 1つめの意味では「爆弾が触発」「機雷が触発」などと使います。この意味ではほとんど使いません。 「感化」は「考えや行動に影響を与えて、心を変化させること」 「触発」は「色々と刺激を受けたことで、行動の意欲を奮い起こすこと」 「感化」と「触発」は似ていますが、意味合いが少々異なります。 「感化」は「自然と相手を共感させて、考えや行動を変化させること」というニュアンスですが、「触発」は「ある物事がきっかけで相手に行動させること」という意味合いです。 また、「感化」は良い意味でも悪い意味でも使いますが、「触発」はプラスな意味で使うことが多いです。 「感化」と「触発」は言い換えできるケースもありますが、できない場合もあるので注意しましょう。
例文
「影響される」は、あるものの作用が他に及んで、変化や反応を起こさせること。 「感化される」は、あるものに影響されて考えや行動を変えること。 「触発される」は、あるものに影響されて行動に移すこと。 「影響される」は「ある物事の一方的な動作が及んで、変化したり反応を起こすこと」を表します。 影響を受けても、何も変化が起きないという場合もありますが、「感化される」と「触発される」は「何か影響を受けて、自身の考えや行動に変化を起こす」という意味です。 「感化」「触発」は、「感化される」「触発される」と受け身の形で使うことが多いです。 「影響」は「影響される」以外にも、「影響する」「影響を与える」などといった使い方もします。 「感化される」や「触発される」には「感動する」などと感情が含まれますが、「影響」には含まれません。
「影響される」の例文
「看過」の意味は「ある物事を大したことはないと大目に見ること。見過ごすこと」です。 「看」は「対象をよく見ること」、「過」は「物事をそのままにすること」を意味します。 「感化」は「考えや行動に影響を与えて、心を変化させること」 「看過」は「ある物事を目にしておきながら、問題にしないで見逃すこと」 「看過」は「ミスや過ちなど問題になりそうなことを見ておきながら、結局何もしないこと」を表します。 主に、「看過できない」「看過することができない」などという形で用います。 類語には、「見て見ぬ振りをする」「放置する」「見過ごす」などがあります。 「感化」と「看過」は同じ読み方というだけで、意味は全く異なります。間違ってしまわないように注意しましょう。
例文
「教化」の意味は「教え導くことによって、相手を良い方向に進ませること」です。 「教化」は「きょうか」と読みます。「きょうけ」または「きょうげ」と読むと、仏教用語としての意味を持ちます。 「感化」は「考えや行動に影響を与えて、心を変化させること」 「教化」は「教え聞かすことによって、人を良い方向へと導くこと」 「教化」は「善行によって、人を平穏の道に導く」という仏教の教えに基づいてできた言葉です。 「感化」と「教化」はどちらも「相手に影響を与えて変えさせること」を意味しますが、人を良い方向にも悪い方向にも変化させる「感化」と違い、「教化」は人を良い方向へと変化させることのみを表します。
例文
働きかける (意味:相手に行動させるため、積極的に動作を仕掛けること) 「上司に働きかける」 薫染(くんせん)を受ける (意味:良い影響を受けること) 「薫染を受け、やる気がみなぎる」 刺激を受ける (意味:気持ちを奮い立たすような気持ちを受ける) 「ドラマに刺激を受けてダイエットを始める」 差し響き (意味:ある物事が他に及ぶこと) 「その映画は大きな差し響きを生み出すだろう」 感動する (意味:物事の触れて心を動かすこと) 「演奏に感動する」 感銘を受ける (意味:忘れられない感動を受けること) 「小説に感銘を受ける」 心を打たれる (意味:物事に強く感動すること) 「先生の言葉に心を打たれる」 機微に触れる (意味:印象に残るほど、強く感動すること) 「あまりの素晴らしさが機微に触れる」 魂が震える (意味:心に残るぐらい感動すること) 「魂が震えるほど、彼は優れていた」 感服する (意味:深く感じて敬うこと) 「ピアノの腕前に感服する」 心に響く (意味:心に強く残るほど感動する) 「その言葉は強く心に響いた」
洗脳 (意味:相手の考えや主義を根本的に変化させること) 「あの人はすでに洗脳されている」 刷り込まれる (意味:外部からの影響で、考えが根本的に変えられること) 「変な知識を刷り込まれる」 染められる (意味:ある物事に取り組むように教えること) 「悪趣味なことに染められる」 吹き込まれる (意味:悪事を示唆すること) 「偽りの情報を吹き込まられた」 信じ込ませる (意味:外部の影響によって、考えや根本的に変えられること) 「間違った噂を信じ込ませる」 誑かす(たぶらかす) (意味:相手を騙すこと) 「彼は人を誑かすことを得意としている」 口車に乗る (意味:巧みな話術で相手を騙すこと) 「彼女は簡単に口車に乗る」
「朱(しゅ)に交われば赤くなる」は「人は関わる友あるいは環境によって、良くも悪くもなってしまうこと」です。 「朱色」とは「やや黄色味を帯びた赤色」を指します。 朱色が少しでも混じれば赤くなることから、人は付き合う相手や環境によって、善悪のどちらにも感化されるということを表します。 「最近娘の帰りが遅いのは、ガラの悪い仲間とつるんでいるからだろう。まさに朱に交われば赤くなるだ」といったように、「朱に交われば赤くなる」はどちらかというと、悪い意味として使うことが多いです。 「朱に混ざれば赤くなる」「朱に交われば赤になる」「朱に交われば朱色になる」などと言い間違えないように注意しましょう。
例文
「感化される」は、
になります。 英語「influence」は、良い影響・悪い影響のどちらに対しても使います。
I was influenced by my teacher and decided to study abroad.
教師に感化されて、留学を決意しました。
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「感化」について理解できたでしょうか? ✔︎「感化」は「考えや行動に影響を与えて、心を変化させること」を意味 ✔︎「感化」はポジティブな意味でもネガティブな意味でも使うことができる ✔︎「感化」は「感化される」と受け身の形で使うことが多い ✔︎「感化」の類語には、「働きかける」「心を打たれる」「洗脳」などがある