「モダン」という言葉は「モダンな◯◯」というような表現で良く耳にするのではないでしょうか。しかし、「モダンって何?」と聞かれると説明するのは中々難しいですよね。今回は、「モダン」の意味や使い方を詳しく紹介します。また、類語や対義語、英語表現も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「モダン」の語源は英語「modern」です。 「modern」は「現代的な」という意味で使用されている英単語ですが、そのまま日本でも使用されるようになったカタカナ語になります。 日本では「モダン」と読まれることが一般的ですが、「モダーン」と読むこともあります。
カタカナ語「モダン」の意味も英語「modern」と同じで、「現代的」になります。 「現代的」というのは、「現在の時代のような」という意味で、古めかしさを一切感じさせない最も新しいものを指します。 歴史区分においては「現代」は太平洋戦争後(1945年以降)のことを指します。 「modern」の和訳は「近代的」が当てられることもあります。 「近代」は「現代」よりも少し前で、歴史区分的には明治維新から第二次世界大戦までを指します。 「モダン」は歴史的には直近150年ほどを指し、定義は曖昧です。 ただし一般的に使う「モダン」は「今この時代にあるような」という意味です。 「モダン」はファッションやデザイン、建築物、芸術など幅広い分野で使う言葉です。
「モダン」には、「現代的」という意味の他にも「メガネの耳あて部分」という意味もあります。 メガネを耳にかけたときの、ちょうど耳にかかっている部分です。 長時間メガネをかけても負担がかからないようにシリコン系樹脂やラバー系樹脂でコーティングされています。
「モダン」は、ファッション用語としてよく使用される言葉です。 例えば、「モダンファッション」「モダンコーデ」などといいます。 「モダンファション」とは、「現代風・都会的なファッション」です。 ファッションというのは、時代によって流行の物が変わっていきますよね。 数年前に流行っていた服装も時代の流れが進めば古いものになっていきますし、今流行っているものも数年後には古いものになっていきます。 そういった、時代の流れにと共に変化し現代を象徴するファッションを「モダンファッション」といいます。 時代の流れによって変化していくので、「モダンファッション」の定義は非常に曖昧な部分があります。 「モダンコーデ」は、「現代的な雰囲気のコーディネート」のことです。 最新の流行を取り入れた洋服のコーディネートです。
「モダンデザイン」は、「近代的なデザイン」という意味で使用される言葉です。 18世紀半ばから、19世紀に起きた「産業革命」により、製品や素材の生産方式が変化し、様々なものが機械化されたことにより無機質感が生じていた中で、数々のデザイナーが「優しさ」や「温かみ」、見た目の良さなど付加価値をつけるために、現代に求められているデザインを生み出していきました。 それが、「現代的に沿うデザイン」という意味で「モダンスタイル」という概念が生まれました。 機能性を重視しながらも、現代風のデザインを取り入れるというのが特徴です。
「モダン」は、インテリア業界でも使用される言葉です。 「モダンスタイル」は、「現代的なイメージのインテリア」を指す言葉です。 わかりやすく言うと、モノトーンでなど彩度の低いもので空間を統一したり、メタリックな素材を使用すると「モダンスタイル」と言われるインテリアスタイルになります。 最近では、「和モダン」と言われるインテリアスタイルも人気です。 「和モダン」は、「和と近代的なデザインを融合させたもの」です。 インテリアにおける「和」とは、外装や内装に昔から使われている「白壁」「無垢材」「珪藻土」を使用したり、木目のある家具を置くなどです。 そんな和風インテリアと近代的なインテリアを組み合わせたものが「和モダン」です。
「モダンダンス」は、ダンスのジャンルの一つです。 「モダンダンス」とは、20世紀初頭にうまれた新しい舞踊の形態です。 ヨーロッパにおける正統的な舞踊、バレエを否定し、新しい舞踊を追求したダンスです。 日本では、現代舞踊・創作舞踊などをモダンダンスを呼びます。
「ポストモダン」は、「近代が終わった後に新しく生じる時代」を指す言葉です。 つまり、この場合の「ポスト」は「次」という意味があります。 元々は、機能主義・合売主義とは反対する新しい建築、という意味の建築用語でした。 また、「ポストモダン」とは、思想運動の一つでもあります。 「ポストモダン」は、進歩主義や主体性を重んじる近代主義や、啓蒙主義を批判する思想運動です。 「ポストモダン文学」は、近代文学の特徴に反する特徴を持つ文学です。 主に、「物語は常に矛盾を含む」という考えや姿勢でいるという特徴があります。 しかし、「ポストモダン文学」に、これといった明確な定義はありません。
モダン焼きとは「お好み焼き」の一種です。 さらに詳しく言うと、「関西風」のお好み焼きです。 中華麺やうどんなど、麺類を乗せてやいたお好み焼きを「モダン焼き」と言います。 何がモダンかというと、、、実はモダン焼きの「モダン」は「今風・現代的」という意味で使用されているわけではありません。。。 「モダン焼き」の「モダン」は、「もりだくさん」の略なんです。 「もりだくさん」で「モダン」です。 なんでも、食いしん坊なお好み焼き屋さんの店員が、まかないを作る時に、お好み焼きに焼きそばを加えたということが「モダン焼き」のはじまりで、「具沢山」という意味で「もりだくさん」→「モダン」となったようです。 意外と知られていないトリビアです!
「モダンボーイ/モダン・ガール」は、1920年代、当時の先端的な若い男女を指す言葉です。 1920年代、当時西洋文化の影響をうけて新しい風俗や流行現象が現れました。 その当時「都会」で流行りに乗っていた男女が「モダンボーイ/モダンガール」です。 つまり、当時最先端のファッションを取り入れていた、男女です。 略して「モボ・モガ」と言われています。
「モダンジャズ」は、1949年代後半に確立されていた「ビバップ」から、1960年代後半に流行していた「エレクトリック・ジャズ」直前までのジャズの総称です。 少人数の編成で、速攻演奏によるソロが特徴的なジャズです。 その後も電気楽器を使用するなど新しいジャズが産まれていますが、電気楽器を導入しているものり前のものが「モダンジャズ」です。
「モダンアート」とは、「現代美術」のことです。 「現代美術」とは具体的に、第二次世界大戦後にうまれた美術を指します。 伝統にとらわれず、抽象主義、超現実主義が取り入れられています。 非常に抽象的な作品が多く、パッと見るだけでは、何をどう書いていて、どういった意味があるのかを理解することは難しいといった物が多いです。
「モダニズム建築」とは、「近代建築」のことです。 モダニズム建築は、装飾のない直線的構成を持つ立体を特徴をしていて、機能的・合理的・地域性などを超えた普遍的なデザインが特徴です。 また、鉄やガラス、コンクリートといった工業化された素材・材料でつくられているというのも特徴の一つ。 ただ、日本の「モダニズム建築」の中心は木造のものもあります。 1964年の東京オリンピックのために建設された「国立代々木競技場」が、まさに「モダニズム建築」であると言われています。
人の考え方や所有物を「モダン」と形容した場合、基本的には「古臭くなくてオシャレ」というニュアンスになります。 だいたいは、「おしゃれですね」という褒め言葉です。
といった言い回しで使用します。 詳しい使い方については例文を参考にしてください。
例文
「モダン」は、商品開発のテーマでもよく使用されます。 商品開発のテーマを「モダン」にした場合、できるだけ最新鋭のものを取り入れ、「現代的」「近代的」な商品を開発することを目標にして商品開発を進めていくことになります。 「現代的」といっても、上述したようにこれといった定義はないので、それぞれ話し合って、詳細を決めていくしかないでしょう。
「コンテンポラリー」は、「Contemporary」という英単語で「現代的な」という意味がある言葉です。 「コンテンポラリー」は、芸術分野やファッション用語として使用される言葉で、「コンテンポラリーアート(現代美術)」「コンテンポラリースタイル(現代的なファッションスタイル)」といった使い方をします。 したがって、「現代美術」という意味のある「モダンアート」と同義語です。
「ナウい」は1970年代に流行していた言葉で「今風の」という意味で使用されていました。 「ナウ」=英語の「NOW」つまり「今」という意味で「ナウい」というと「今風でイケてる」というニュアンスになっていたと考えられます。 「ナウなヤング」(今風のイケイケの若者〜)というように使用されていました。 ちなみに、「ナウい」の対義語は「ダサい」で、「ナウい」はすっかり死語となりましたが「ダサい」は現代でも使われていますよね。 「モダン」にも「今風の」という意味があるので、同義語になり、「モダンな雰囲気」を、「ナウい雰囲気」と言い換えても、意味は通じるでしょう。
例文
「ハイカラ」は、西洋風の身なりや生活様式を真似する様子、人物です。 戦後間もない時代に、入ってきたばかりの西洋文化をとりいれた、西洋かぶれと意味する言葉です。 明治初期には、「ハイカる」「ハイかった」といった動詞もあったようです。 そんな昔にも「ググる」(Googleで検索する)みたいな言葉の使い方があったんですね…。
例文
「スタイリッシュ」の意味は「今風で洒落ている・流行に合っている」です。 後述しますが、元々は英単語の「Stylish」からきているカタカナ語で、日本語では流行りに乗っているようなデザインの物や、ファッションに対して「スタイリッシュだね」と表現することができます。 一言で言い表すなら、「かっこいい!」や「イケてるね!」といった褒め言葉とニュアンスは同じになります。 少しかしこまった言い表し方をすると「洗練されている」というような表現になります。 「モダン」も、「今風で洒落ている」という褒め言葉として使用できるという点で「スタイリッシュ」は同義語であると言えます。
「現代的」とは、「現代にふさわしい様子・現代の流行や風潮などに関係のある様」です。 「現代的な◯◯」というように、現代っぽさを感じるものに使用される表現です。
例文
「近代的」の意味は、「近代独特の性質・傾向を持っているさま」です。 「modern」の和訳は「近代」と「現代」の両方が当たられます。 「近代」は「現代」よりも少し前で、歴史区分的には明治維新から第二次世界大戦までを指します。
例文
「今風」は「いまふう」と読みます。 「今風」の意味は、「当世風・現代の風俗」「このごろのはやり」という意味で使用されます。 例えば、昔にはなかったような現代の流行りに乗っているようなデザインなどを見て「今風だ」と表現します。
例文
「今めかしい」の意味は、「現代的でしゃれている」です。 「今めかしい」には、その他にも
という意味があります。
例文
「当風」は、「とうふう」と読みます。 「当風」の意味は、「今の世に流行していること」です。 砕けた表現にすると、「今風」となります。 あまり日常生活で使用したり、耳にすることはないでしょう。
例文
「当世」は、「とうせい」と読みます。 「当世」の意味は、「今の世」「いまどき」です。 例えば「当世風」で、「イマドキ風」といった、流行にのっているような様子を表す表現になります。
例文
「レトロ」は、「懐古的であること」という意味があります。 「モダン」とは反対に、一昔まえの「懐かしさ」を感じるものを「レトロ」と言います。 ファッション業界には「レトロモダン」という矛盾した言葉もございます笑 ファッションで使用されている「レトロモダン」とは「古風な懐かしさを感じる中に、近未来を思わせる洗礼された独特なデザイン」を指す言葉です。 インテリアなんかでも使用され、例えば最近よく耳にする「古民家カフェ」も「レトロモダン」を言われているものに分類されるでしょう。
例文
「クラシック」の意味は「古典的な」となります。 「クラシック」の元の意味は「第一級の、一流の」であり、「クラシック」は常にポジティブな意味合いを伴います。 「古典的な」という意味で使用される言葉なので、「モダン」とは対義語になります。
例文
「トラディショナル」は、「伝統的」という意味のカタカナ語です。 また、「因襲的」「旧式なさま」という意味合いでも使用されることもあります。 例えば、日本で言うと「着物」は古くから伝わるものであり、「伝統的な衣服」であると言えます。 このように、古くから伝わっているものを「伝統的」といい、「トラディショナルスタイル」といったように流行に左右されない伝統的なファッションを言い表す時に使用されることが多いです。 「モダン」は、現代風を表す言葉であるため、「伝統的」という昔から受け継がれている物を言い表す「トラディショナル」は反対語です。
例文
「オールド」は「古い」「昔」「年老いた」という意味のあるカタカナ語です。 「モダン」と同じように、
といった使い方をすることができます。
例文
「レガシー」の意味は、「遺産」です。 故人が残した遺産や財産といった所有物を「遺産」と言います。 また、「古いもの」「時代遅れ」という意味で使用されることもあります。 「昔から残されているもの」というニュアンスが強いため、「モダン」とは対義語になります。
例文
「オーセンティック」は、「本物の」「真正の」という意味で使われるカタカナ語です。 また、「本格的」「正統的」という意味でファッション用語として使用されることもあります。 「モダン」には「近代的」という意味合いがあるので、どちらかというと「今までにない新しいもの」というニュアンスが強い言葉ですよね。 「モダン」=偽物、というわけではありませんが、新しいものを取り入れているという点で、オーセンティックは「モダン」の対義語にあたると言えるでしょう。
例文
「オーソドックス」は、「正統的」という意味のあるカタカナ語です。 「昔ながら」というように、古くから変わることなく伝統的に承認されている様子を表現する言葉です。 また、「オーソドックス」は「保守的な」という意味で使用されることもあります。 「モダン」は、新しい現代のものを取り入れているものに対して使用する言葉なので、「オーソドックス」は「モダン」の対義語であると言えます。
例文
本記事の冒頭でお伝えした通り、カタカナ語「モダン」の語源は英語「modern」です。 最後に英語「modern」の意味と使い方を見ていきましょう。 「モダン」の意味は、英語「modern」をそのまま引き継いでいますので、意味は同じです。
My grandmother's way of thinking is very modern, considering her age,
祖父は年齢を考慮すると、考え方がかなりモダンだ。
いかがでしたか? 「モダン」という言葉について理解していただけたでしょうか。 ✓「モダン」の意味は「現代的な」 ✓「モダン」の語源は英語「modern」 ✓「モダンな」「モダンで」と形容した場合、褒め言葉になる など