「ケアレスミス」という言葉の意味と使い方を解説していきます。試験や仕事でケアレスミスをしてしまうことってありますよね。そもそも「ケアレスミス」の意味と語源の英語を正しく理解していますか?「ケアレスミス」の類語の日本語はたくさんあるので1つずつ解説していきます。また混同している人が多い「ミス」との違いも紹介します。
「ケアレスミス」の意味は「不注意や勘違いによる失敗」です。 「ケアレスミス」というのは、「注意さえしておけば防げたはずの過ち」を指します。 実力不足による失敗や自分ではコントロールできない事態が発生したがゆえの失敗は「ケアレスミス」には当たりません。
「ケアレスミス」を英語表記すると「careless miss」となります。 「miss」は動詞で「〜を打ち損なう、〜を捕え損なう」という意味があり、その名詞形で「(打撃・捕球などの)失敗」という意味があります。 しかし、名詞「miss」を使うのは基本的に野球の話です。 日常会話で使う一般的な「失敗」を英語圏のネイティブは「miss」とは表現せず、「mistake」を使います。 よって、厳密には「ケアレスミス」は和製英語となります。 「ケアレスミスをする」は英語で、「make a careless mistake」と表現します。 「do」ではなく「make」を使うので注意してください。 「stupid mistake」と表現することもあります。
「ケアレスミス」は基本的には「ケアレスミス+を+動詞」の形で使います。 「ケアレスミスをする」を「ケアレスミスする」と表現することもあります。
また、
などと表現することもあります。
例文
「ミス」は「ケアレス」が付いていませんので、単に「失敗すること」という意味になります。 「ミスをする」「ミスする」の形だと「失敗する」という意味で使う場合がほとんどですが、「ミスる」という若者言葉の形だと「些細な間違いをする」という意味合いで使っている人が結構多いように見受けられます。 「些細な間違い」は注意をすれば防げるものなので、「ケアレスミス」と同義ということになります。 また「ミス」は外来語なので、カジュアルな響きがありますよね。 したがって、「ケアレスミス」と「ミス」の違いは、話者によっては「ミス」を「ケアレスミス」というニュアンスで使っている人もいるが、辞書的には「不注意による失敗」と「ただの失敗」という違いがあります。 「ミス」と「ケアレスミス」は使い方は似ています。 「ミスをする」「ミスが多い」などといいます。 「ミス」は「作業ミス」「事務ミス」「確認ミス」「判定ミス」など他の熟語と組み合わせて使うこともあります。
例文
「ケアレスミス」の類語に「凡ミス」があります。 「凡ミス」も「不注意による失敗。軽率でつまらないミス」という意味です。 「凡ミス」の「凡」とは、「特に目立たない。普通」という意味です。 「特に特記すべきことがないミス」=「ケアレスミス」ということになります。
例文
「うっかりミス」という言葉も「ケアレスミス」の類語にあたります。 「うっかり」とは「気抜けして、ぼんやりしたさま」を指します。 「うっかり」は他にも「うっかり忘れる」「うっかりして乗り過ごす」などとも使います。 「うっかり」の例文です。
例文
「ぽか」とは「不注意から起こした失敗。思いがけない失策」です。 「ぽかをする」とも言いますが、「ぽかをやる」という言い回しが一般的です。 「ぽか」とは元々「囲碁・将棋で勘違いから打ったり差したりするひどい悪手」を意味していました。
例文
「ケアレスミス」の類語には「へま」もあります。 「へま」は、 ①間抜けなこと。気の利かないこと ②また、それによる失敗 の2つの意味があります。 2個の意味が「ケアレスミス」と同義です。
例文
「ケアレスミス」の類語には「とちり」もあります。 「とちり」の動詞は「とちる」です。 「とちる」は「舞台で役者が演技や台本を間違える」を意味してます。 そこから転じて、「やりそこなう」という意味でも使います。
例文
「ケアレスミス」の同義語には「粗相」もあります。 「粗相」は「そそう」と読みます。 「粗相」は「不注意やそそっかしさからちょっとした失敗をすること」で、「ケアレスミス」と全く同じです。 「粗相をする」の形で使います。 「粗相」には「大小便をもらす」という意味もあります。
例文
「過失」は基本的には「あやまち」という意味ですが、法律用語では「注意を欠いて結果の発生を予見しないこと」を指し、「故意」の対義語にあたります。 「過失傷害罪」「過失致死罪」「過失相殺」「過失犯」などの文言で使われます。
「見落とし」も「ケアレスミス」の類語です。 「見落とし」の動詞は「見落とす」です。 「見落とす」は「見ていながら気がつかないですごしてしまう」という意味です。 「間違いを見落とす」「注意書きを見落とす」などと使います。
「目こぼれ」には、 ①見落とす ②わざと見逃すこと の2つの意味があります。 「お目溢しお願いします」とすると「大目に見てください」「お手柔らかにお願いします」と同じ意味になります。
「手抜かり」とは「注意や処置が行きとどかなかった点。不注意からくる失策」という意味です。 「手抜け」ともいいます。 夏目漱石の『こゝろ』の中にも「其処(そこ)が非常な手抜かりのやうに見えて来ました」という一節があります。
「手落ち」とは「手続き・手段に不備・欠陥がある」という意味です。 「手抜かり」とほぼ同義です。
例文
いかがでしょうか? 「ケアレスミス」の意味と使い方はご理解いただけたでしょうか? 最後に「ケアレスミス」についてまとめておきます。 ✔「ケアレスミス」の意味は「不注意や勘違いによる失敗」 ✔「ケアレスミス」の語源は英語「careless miss」だが、厳密には和製英語 ✔「ケアレスミスを◯◯」の形で使う ✔「ケアレスミス」と「ミス」の違いは、「ケアレス(不注意)」か否か ✔「ケアレスミス」の類語は「凡ミス」「ぽか」「へま」「粗相」など