「リアタイ」というネット用語を知っていますか?ツイッターなどで見ることが多いと思います。「リアタイ視聴」「リアタイ世代」「リアタイ勢」などとも使われます。「リアタイ」の意味と使い方、語源、類語、対義語、英語に関して詳しく解説していきます。
「リアタイ」とは「リアルタイム」の略で、「実時間」という意味です。 「実時間」とは「今この瞬間に流れている時間」を指します。 「リアルタイム」の語源は英語「real time」です。(英語「real time」の使い方は本記事の最後に紹介) 「リアルタイム」は単体でも副詞的に使いますし、「リアルタイムで」という形でも使います。 「リアルタイム視聴する」「リアルタイムで視聴する」のどちらでも正しいことになります。
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その他にも
などと主にIT業界で使われます。 「リアルタイム検索」とは、「今現在起きていることがすぐに検索結果に反映される検索」のことを指します。 グーグルの「リアルタイム検索」は、速報のニュースなどが検索結果にすぐに反映されています。 ヤフーの「リアルタイム検索」は、ツイッターのフィードが表示されるようになっています。 「リアルタイムランキング」は、インターネット通販サイトなどで即時に反映される商品の人気ランキングを指します。
「リアタイ」をただ単に「リアルタイム」の略語として使うこともあります。 「リアタイ」は若者言葉で、ツイッターなどのSNSでよく見受けられます。 「リアタイで」=「リアルタイムで」であり、「放送されているのと同じ時間で」という意味で使います。 主に「リアタイで見る」の形で使われています。(動画などを「みる」場合は本来「観る」が正しい)
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『プロ野球スピリッツA(略して、プロスピA)』というスマートフォン向けの野球ゲームがあります。 このゲームにおいて、2018年に追加された新機能に「リアルタイム対戦」があります。 CPUではなく他のユーザーとリアルタイムに通信対戦することができます。 プロスピA愛好家の皆さんは「リアタイ」=「リアルタイム対戦」の意味で使う場合もあります。
などと使います。
「リアタイ」は「リアタイする」の形で「実時間で視聴する」という意味でも使われています。 本来「リアタイ」単体では「視聴」という意味合いはないのですが、「リアタイ」は視聴する際に使うことが多いころから、このように使われるようになりました。
などと使います。 「リアタイ」は下記のように過去にリアルタイム視聴していたことを主張する際にも使用可能です。
「リアタイ世代」とは「リアルタイム視聴してた世代」という意味になります。 リアタイできる人たちのことを、
などと言います。
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「リアタイで」で「即時に」「すぐに」という意味で使う場合もあります。 これは厳密にはリアルタイムではないが「ほぼリアルタイム」という意味になります。 主に「リアタイでリプする」などと使います。 「リプ」とは「リプライ」の略語で「返信」という意味になります。 ツイッターやラインで相手のツイートまたは連絡に対してすぐに反応して返信することを「リアタイでリプ」と表現します。
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視聴する対象がテレビ番組やインターネット生配信ではなくコンサートなどの場合は、「リアタイする」が「実時間で視聴する」ではなく「実際に参加する」という意味になります。 「リアタイする」=「リアルタイムで観戦する」ということになります。
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「リアタイ」は「直接会う」という意味でも使います。 「リアタイする」=「リアルタイムに会う」=「実際に会う」ということになります。
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「リアタイ」の類語には「ライブ」があります。 「ライブ」の語源は英語「live」です。 「ライブ」は日本語の「生」に置き換えることができます。 「生放送」「生中継」「生演奏」などの意味で使います。 インターネットで「ライブ配信」をするサービスが増えています。 Instagramのストーリーのライブ配信やLINE LIVE、SHOWROOM、YouTubeライブなどがあります。 ライブ配信を視聴することはリアタイで視聴することになりますが、リアタイ視聴している動画がすべてライブ配信とは限りませんので、「リアタイ」と「ライブ」は同義語にはあたりません。 ちなみに、演奏会のことを「ライブ」というのは和製英語です。 演奏会の英語は「コンサート」「ショー」「パフォーマンス」「ギグ」などと言います。
「リアタイ」の対義語「タイシフ」です。 「タイシフ」は「タイムシフト」の略で、語源は英語「time shifting」です。 「タイムシフト視聴」とは、「リアルタイムで視聴するのではなく録画した番組を自分の都合のよい日時に視聴すること」を指します。 「タイシフする」だけでも「タイムシフト視聴する」という意味でも使います。
などと使われます。
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「リアタイ」というネット用語は2010年代から使用されており、2016年にはギャル語流行語大賞で4位に入賞するほど若者の間では定着しています。 「リアタイ」「リアルタイム」の語源ともいえる「リアル」「りある」というネット用語は2000年代から存在しています。 当時「ホームページ(略して、ホムペ)」が流行りました。 「ホムペ」とは、ガラケーで個人サイトが作れるサービスです。 ホムペの中の1つの機能に「リアル」がありました。 「リアル」とは「リアルタイムブログ」の略で、自分の現在の状況をリアルタイムに書き込み報告ができる簡易的なブログサービスを指します。ツイッターの走りともいえるサービスです。MobileSpace(モバスペ)や@peps!(ペップス)、Chip!!、Alfoo、CROOZリアル、Decooなどのリアルが作成できるサービスが存在しました。 「リアル」のことを「リアタイ」と呼ぶこともありました。 ガラケーの衰退ともに「リアル」は死語になりましたが、「リアタイ」という言葉は現在では違うニュアンスでネット用語として使われています。
「スマート」や「ナイーブ」のように、カタカナ語には語源の英語と意味が違う言葉がありますが、「リアタイ」は「real time」と意味は同じです。 「real time」は「in real time」の形で「リアルタイムで」という意味になります。 「リアルタイムの」と形容詞として使う場合は、ハイフンを用いて「real-time」とします。 例文です。
You can get access to market data in real time.
リアルタイムで市場データにアクセスできます。
This software allows you to check the real-time traffic on your website.
このソフトウェアを使えば、あなたのウェブサイトのリアルタイムのユーザー数が確認できます。
いかがでしたか? 「リアタイ」の意味と使い方はご理解いただけたでしょうか? 「リアタイ」という言葉が広く使われるようになった背景には、インターネットの発達によって録画された動画をダウンロードして視聴する時代になったからこそ、テレビのようにリアタイで視聴し興奮や熱狂を不特定多数の人と共有することに喜びを見出す若者が増えてるということがいえるでしょう。 逆説的ですが、インターネットの一般化したことで、興奮の共有(シェア)もしやすくなったともいえます。 また、何もかもが高速化した時代では、「すぐに消費したい」という欲求が高まっていることもリアタイの需要が伸びていることの要因でしょう。