「オフレコ」は聞いたことのある人が多いと思いますが、正しい意味や使い方、語源などは理解していますか?今回は「オフレコ」の意味と使い方を紹介します。
「オフレコ」とは、もともと報道用語(主に政治)で記者会見やインタビューで語られた内容の一部を記録・公表しないという意味になります。 会話内容をその場にいる記者と政治家だけで共有することを条件とし、口外しないことを指します。 「オフレコ」には「完オフ」と「匿名報道」の2種類があります。 「完オフ」は会話内容も名前もすべて非公開にするもので、「匿名報道」は情報提供者の名前を出さないのを条件に会話内容は(一部)公表することを指します。 「オフレコ」を条件に記者は政治家と話すことで、本音を聞き出すことができます。 話した内容自体は公表することはできませんが、その発言から考えていることが把握でき、今後のジャーナリズム活動に活かすことができます。 オフレコと約束したのにも関わらず、記者が公表してしまう行為を「オフレコ破り」といいます。 日本のジャーナリズムでは「オフレコ」としても、公表されてしまうケースが多く、本当に知られたくない情報は話してはいけません。 ちなみに、米国のジャーナリズムの慣行では、オフレコは双方が合意した時点で初めて成立するため、メール等で情報提供者が一方的に「off the record」としても意味を成しません。 「オフレコ」は確かに古い感じがしますが、死語ではなく、現在ではビジネスシーンなどでも広く使われています。
「オフレコ」は、英語「off the record(オフ・ザ・レコード)」の略です。 「record」は「レコード」ではなく「記録」という意味です。 日本語でも「レコーディング」といいますが、その「レコード」です。 「off the record」は「(公表しないために)記録にとどめない」という意味です。
「アテレコ」とは「(声を)当てるレコーディング」を略して生まれた言葉で、声優の仕事そのものを指します。 アニメーションだけではなく、海外の映画に吹き替えで声を吹き込む時にも「アテレコ」という言葉が使われます。 「アテレコ」は「オフレコ」と全く関係ない言葉です。
「アテレコ」に非常に似た言葉に「アフレコ」があります。 「アフレコ」は「アフターレコーディング」の略で、無声で制作された映像に後から音声を録音することを指します。 アニメーションは無声で制作されるため、「アテレコ」と「アフレコ」は同義であり、「アフレコ」という言葉を使うことが多いです。 アニメーションが完成する前に同時進行でレコーディングをすることを「アテレコ」、完成したものに声をあてることを「アフレコ」と使い分けることも可能です。 映画やドラマなどの撮影の場合は、映像と音声が同時に録音されるので、「アテレコ」と「アフレコ」は全く違う作業です。 「アテレコ」は吹き替えを主に指しますが、「アフレコ」はナレーションを入れたりする作業を指します。
ビジネスシーンや日常生活でも「オフレコ」は同じ意味で使われます。 「オフレコ」は、記録を禁じるのか(メモさえしてはいけないのか)、公表を禁じるのか人によって解釈が違うので、後から問題が起きないよう具体的に伝えましょう。 「オフレコでお願いします」などと副詞的に使います。
「オフレコ」の例文
「オフレコ」の反対語は「オンレコ(on the record)」です。 「オンレコ」の意味は「記録・報道をされることを前提に話す」です。 他にも「公開」「開示」「公表」「情報公開」「暴露」「すっぱ抜く」などが類語にあたります。
「オフレコ」の類義語には、
などになります。
「オフレコでお願いします」の言い換えには「ご内聞に願います」があります。 「内聞」は「ないぶん」と読み、「表沙汰にしないこと」という意味です。