「パラサイト」もしくは「パラサイトシングル」という言葉をご存知でしょうか?とある人たちに対して使われている言葉です。今回はその「パラサイト」について正しい意味と使い方を例文付きで解説します。「パラサイトシングル」とは何のことなのでしょうか?また、似た音を持つ言葉「パラダイス」との違いも解説します!類語、対義語、そして英語「parasite」についても紹介します。是非参考にしてみてください。
「パラサイト」は「パラサイトシングル」のことで、意味は「社会人や成人になっても親と同居をしている未婚者」です。 主に親に基本的生活を依存しながら生活を送っている未婚者のことです。 語源は英語「parasite」です。「parasite」は「寄生虫」という意味になります。 社会学者の山田昌弘が、親に寄生しているように見えることから名付けた造語となっています。
1990年代から使われるようになった「パラサイト」は「パラサイト・シングル」という言い回しで使われるようになった言葉です。 「パラサイトシングル」のことを単に「パラサイト」と呼ぶことがあります。 「パラサイト・シングル」とは、学校を卒業し社会人になった後も親元で生活をし続けている未婚者のことです。 家事など家のことを親に任せ、時間的・経済的に豊かな生活を送っている独身の人を指して使います。 これは未婚化の一つの要因とも言われています。 結婚してしまうと生活水準が下がることや責任を持たなければならないこと、さらに一人暮らしをしたら家事をやらなくてはならないことなどから、親元を離れない社会人が増えています。 もし、社会人になって親元を離れていなくても家にお金を入れたり家事を分担して行い、親と協力し合って生活している場合は「パラサイトシングル」とは言いません。 また、「パラサイト」は「パラサイトシングル」のことだけではなく、「居候」や「家族以外の他者に依存して生きている人」のことを指して使われることもあります。 この場合は「たかり」といった意味も含まれており、本来の「寄生する」の意味から転じています。 その他詳しい使い方は例文を参考にしてください。
「30過ぎても親のお金で生活しているパラサイトはちょっとやばい」 「あの人キャリアだけど、実際はパラサイトらしいよ」 「パラサイトにはならないように、就職と同時に一人暮らしをはじめた」 「パラサイトと呼ばれても、親を一人にすることは出来ない」 「部長は50歳を過ぎても家に一銭も入れずに親元で暮らしており、裏で『パラサイトおじさん』と揶揄されている」
● 穀潰し(ごくつぶし) 意味:食べることだけ一人前で何の役にも立たない人のこと、転じて定職もなく遊び呆けている人のこと ● 居候 意味:他人の家に住み食べさせてもらっている人、他人の家に奇食する者のこと ● 依存 意味:他に頼り、生活すること ● 無為徒食(むいとしょく) 意味:やるべきことを何もせずに、時間を費やすこと ● ニート 意味:職業・学業・職業訓練にも就かず、家業をもしない人のこと
● 自立 意味:自分以外の助けや支配を受けずに独り立ちすること ● 独行 意味:自分の力だけで行うこと ● 親離れ 意味:親の保護なしに自力で行動すること
「パラサイト」と「パラダイス」が何となく似ていることから、混同している人がいるので注意しましょう。 「パラダイス」とは「苦しみの無い楽しい世界」「天国、楽園」といった意味の言葉です。 英語の「paradise」が語源となっています。 本来は「アダムとイブが住んでいたエデンの園」を意味する言葉で、それが転じて「楽園、天国」といった意味です。 そこから転じて「楽しい世界、好きなものに囲まれた場所や幸せな空間」といった意味で日常でも使われるようになりました。 それに対して「パラサイト」は「寄生虫、居候、親元で経済的に依存して生活している未婚者」のことであり、全く違う意味を持つ言葉です。
「僕にとってスニーカーショップはパラダイスだ」 「高級ホテルに泊まり至れり尽くせりでまるでパラダイスにいるようだった」 「嫌味ばかり言ってくる上司がついに転勤になり私はパラダイスにいる気分です」
「パラサイト・シングル」という言葉は、英語「Parasite single」が由来です。 「parasite」は「寄生動物、寄生虫」という意味です。 そこから転じて「他人にたかる人」という意味になりました。「居候、食客(しょっきゃく)」を意味する類語には「sponger」があります。
「パラサイト」について理解できたでしょうか? ✓「パラサイトシングル」のことで「学卒後も親元を離れずに経済的に依存して生活している未婚者のこと」 ✓「パラサイト」には「寄生虫」「居候」の意味もある ✓類語は「穀潰し」など、対義語は「自立」など