「プロパー」という言葉をご存知ですか?「プロパー社員」や「プロパー融資」などとも使われています。 今回はその「プロパー」の正しい意味を解説します。また医療現場や学問における「プロパー」、さらにビジネスでの「プロパー社員」やその他「プロパー融資」「プロパーローン」「プロパー価格」などについても解説します。
「プロパー」は英語「proper」が語源で、意味は「本来的の、固有の、正しい」といった意味です。 「プロパー」は業界によって様々な使われ方がされており、意味が幅が広くなっています。 英語「proper」では使わないような使われ方が日本ではされており、語源は英語ですが「プロパー」は和製英語と捉えることもできます。 業界別にどのようにプロパーが使われているのか紹介します。
ビジネスにおいて、プロパーは「プロパー社員」「プロパー職員」と使われています。 意味は、
になっています。 主に年度の始まりで採用された社員や、新卒社員のことを指します。 また外部の人に対してや共に働く場合に、自社社員のことを指すこともあります。 ちなみに、IT業界では外注先の下請けの社員に対して、自社社員のことを指すことが多いです。
学問においての「プロパー」は専攻、専攻している人といった意味で使われます。 例えば「心理学プロパー」なら「心理学専攻」「心理学を専攻している人」となります。 「心理学プロパーによる団体」なら「心理学研究者団体」といった意味にもなります。 また、本来の、固有のといった意味でも使われ、「法学プロパーの課題」といえば「法学固有の課題」となります。 どちらの意味でも「プロパー」が使われるので、文脈から「専攻、専攻している人」なのか「本来、固有」なのかを判断する必要があります。
「心理学プロパーであれば、気になる事件だった」 「経済学プロパーの雑誌はまだ刊行されていなかった」
小売業では「プロパー価格」という言葉が使われています。 これは、「定価の商品」「値下げしない商品」のことです。 アパレル業界でもよく使われる言葉で、シーズン中にプロパー価格で売れた商品の比率をプロパー消化率と言います。
また流通の分野では、卸売業者から小売業者に正規ルートで卸された商品のことをプロパー商品といいます。 また、ブランドなどの正規店(デパートなどの直営店も含む)のことをプロパー店ということもあります。
「目星をつけていた商品はセールを待たずにプロパー価格でゲットした」 「私はプロパー店でしか買い物をしない」
信用販売では「プロパーカード」と使われています。 信販会社が他社と提携をせずに自社発行するクレジットカードのことです。正規のクレジットカード、独自のクレジットカードといった意味です。 正確には、国際ブランドのライセンスを持つ企業が発行したクレジットカードのみを「プロパーカード」といいます。 しかし、最近では「自社発行のクレジットカード」であれば「プロパーカード」と呼ばれています。
金融では「プロパー融資」や「プロパーローン」という言葉が使われています。 「プロパー融資」とは金融機関が信用保証協会を挟まず独自に行う融資のことです。 主に信用保証協会が保証人になる保証付融資に対比する形で使われています。 「プロパーローン」も金融機関が保証会社を使わず独自に行うローンのことです。
医療で使われている「プロパー」は、医薬情報担当者のことです。 医療機関に出向く製薬会社の営業の方のことを指します。 この「プロパー」語源はこれまでの「proper」ではなく、「propagandist(=宣伝する人)」からきています。 薬会社の営業の人が、医療機関に出向き医薬品の情報を宣伝することから「宣伝者」の意味で使われていました。 しかし最近は「プロパー」ではなく「MR」と呼びます。 MRはメディカル・レプリゼンタティブの略です。
業界によって使い方が様々なので、類語はこれ!とは言えない
「プロパー」について理解できたでしょうか? ✓本来の意味は「本来的の、固有の、正しい」 ✓「プロパー社員」は正社員のこと ✓「プロパー融資」は金融機関が信用保証協会を挟まず独自に行う融資のこと
カタカナ語「プロパー」は英語「proper」が語源です。 英語「proper」は「適切な、上品な」という意味の形容詞です。 英語の「proper」は日本語の「プロパー」のように「正社員」などの意味では使わないので注意してください。「プロパー社員」などの言い回しは和製英語になります。
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「プロパー」の意味と使い方はご理解いただけたでしょうか?? 「プロパー」は業界別で様々な使い方がされていますよね!「正社員」という意味の「プロパー社員」という表現はあまり使用しない方がいいかもしれせん。 「プロパー」は日本独自の使われ方がされていますので、英語「proper」を使う際は注意してください。