ビジネスでよく使われる「コンフリクト」という言葉をご存知ですか?「衝突」や「矛盾」といった意味がありますが、分野によって使い方が異なります。 今回はそんな「コンフリクト」について正しい意味と使い方を例文付きで紹介します。また、類語や英語「conflict」についても解説します。ぜひ参考にしてみてください。
「コンフリクト」は、主に「衝突、矛盾、対立、軋轢、葛藤」などと言った意味で使われています。 相反する意見や態度、また要求や欲求が存在することで生じる対立のことです。 カタカナ語「コンフリクト」は英語「conflict」が語源です。英語「conflict」の意味と使い方は本記事の後半で紹介します! 「コンフリクト」は様々な業界や場面で使われています。 それぞれの分野における「コンフリクト」について説明していきます。
ビジネスにおける「コンフリクトマネジメント」とは、社内や取引などにおいて起きる対立や衝突を戦略的に活用することで、組織の変革や強化に役立たせる手法のことです。 意見を言い合える環境を作り、新たな学びや気付き・アイディアが生まれるようにマネジメントをします。それによって、意思決定の質を高め組織変革に繋がります。 主なコンフリクトは、『上司と部下』『営業と取引先』など、立場や役割の違いから生じる「条件の対立」と、戦略や方針に対する価値観や思考の違いから生じる「認知の対立」です。 この2つの対立を「タスクコンフリクト」と言います。 そしてタスクコンフリクトが解消されずに継続していくことから生じる「感情の対立」を「リレーションシップコンフリクト」と言います。 「コンフリクトマネジメント」はこの「リレーションシップコンフリクト」に至らないよう、タスクコンフリクトの時点でマネジメントすることが大切となっています。
「組織におけるコンフリクトは会社にとってプラスになることもあります」 「コンフリクトが深まらないよう、生じた時点で話し合う場を設けるようにしよう」 「今回のコンフリクトは予算的なものが大きい」
医療・看護での「コンフリクト」は、主に医療者側と患者またはその家族側との間で医療をめぐる認知や見解の齟齬で生じた対立のことを言います。 医療の現場では予測できなかったことや不利益なことが起こる場合があります。 その場合、患者や家族は不安や葛藤に襲われてパニック状態になってしまい、医療者と患者・家族の価値観や意見に相違が生じてしまい、対立することがあります。 これらの対立を乗り越えていくための支援をするために、医療の現場でも「コンフリクトマネジメント」が行われています。
「できるだけ多くのコンフリクトを解消できるようマネジメントをしっかりと行いましょう」 「コンフリクトは、患者さんだけではなく医者と看護師間でも起こりうるものである」 「コンフリクトが起きたことを責めるよりも、どのように解決していくかが重要だ」
IT・プログラムにおける「コンフリクト」とは、コンピュータで複数の作業が同じメモリ領域を利用して競合する状態のことです。 システムダウンを引き起こす要因や、動作が停止したり不安定になったりする原因となります。 また、プログラミングにおいて複数のライブラリが同じ名前空間や変数名などを定義したことで、どちらも利用できない状態になってしまうこともコンフリクトといいます。 さらに、データベースやファイルなどのシステム上で、同じレコードやファイルなどに対して同時に更新要求が発生したときに処理が正常にできない状態になってしまうこともコンフリクトといいます。
「今月で3回もコンフリクトが生じているので、各所チェックしておいてください」 「コンフリクトが発生したので、アプリのアニンストールをしてください」 「コンフリクトを避けるためにアクセス権の制御をしましょう」
「コンフリクトミネラル」は紛争鉱物のことで、中央アフリカの政情不安定地帯で産出されたタンタル、すず、タングステン 、金などの鉱物のことです。 これらはIT・通信・医療機器などに使われていて、IT機器の小型化や一般化するに従ってこれら鉱物の需要が伸びました。 そのためコンゴ民主共和国など紛争地帯の武装勢力の資金源になる一方で、採掘することで絶滅危機にあるマウンテンゴリラの生態系を破壊していることから、国際的に問題となっています。
「コンフリクトミネラル規制について、報告します」 「コンフリクトミネラルを仕様する企業の調査をいたします」 「弊社ではコンフリクトミネラルの排除を決定しました」
弁護士にとっての「コンフリクト」とは、「ひとつの事件の両当事者が同じ弁護士に相談していること」もしくは「相談した事件の相手方の知り合いや近親者であること」です。 弁護士は利害の対立する当事者から相談を受けることは出来ません。 そのようなコンフリクトを避けるため、弁護士は「コンフリクトチェック」を行います。 相談乗る前に、名前・相手方名・事件の内容などの説明をしてもらい、コンフリクト指定内科の確認をします。
「あの弁護士はコンフリクトをして不正を働いたらしい」 「コンフリクトを避けるため、事前にチェックさせていただいております」 「コンフリクトチェックをするだけですので、いただいた情報は一切外部に漏れることはありません」
心理学での「コンフリクト」は主に「葛藤」のことを表します。 ひとつの物事に対して同時に複数の選択肢がありその内容が矛盾している場合、人々は葛藤をします。これをコンフリクトといいます。 コンフリクト状態の場合、人は行動の決定が困難となり心理的にも負担が大きくなるため、適切な対処方法が大事です。
「探していたビンテージ品を見つけたけど、貯金するって決めたから、というコンフリクト」 「今日は疲れたから仕事したくないし、けど明日の朝早く来て仕事をするのも嫌だというコンフリクトを抱えている」 「好みのタイプの2人から告白されて、コンフリクトの状態に陥った」
● 葛藤 意味:互いに譲らず対立すること、相反する欲求や感情が存在しいずれを取るか迷うこと ● 衝突 意味:ぶつかること、相反する立場や利害がぶつかって争いになること ● 対立 意味:二つのものが反対の立場にたち張り合うこと ● 摩擦 意味:人間関係において意見や感情の対立や衝突によって起こる不和や紛争のこと ● 論争 意味:意見の違う人が互いに言い争うこと ● 軋轢 意味:人間関係において葛藤や摩擦が生じ仲が悪くなること
英語「conflict」 について解説していきます。 カタカナ語「コンフリクト」は英語「conflict」が語源なので、意味は同じです。 「conflict」は名詞または動詞として使います。 名詞で使う場合は、「conflict between A and B」という形でよく使い、「AB間のコンフリクト」という意味になります。 名詞の場合は、「conflict with A」で「Aとコンフリクトする(衝突する)」という意味になります。 この2つの形で使うことが非常に多いですので、例文で確認してみましょう。
There is a lot of political conflict between Japan and South Korea.
日本と韓国の間にはたくさんの政治的な衝突がある。
The new startup will conflict with the vested interest in the hair dressing world.
その新しい会社は美容業界の既得権益と衝突するだろう。
ビジネスシーンで英語が必須な方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました。興味のある方はぜひご覧ください。↓
「コンフリクト」について理解できたでしょうか? ✓意味は、葛藤や対立すること ✓様々な業界で使われ、ビジネスでは「コンフリクトマネジメント」などと使われている ✓類語に衝突や軋轢などがある