「バッファ」という言葉の意味と使い方は理解できていますか?会社などでも見聞きすることがあると思いますが、カタカナ語で何となく意味が分かりづらいですよね。知らないのにドヤ顔で使っていると誤用してる可能性があるので注意です。今回は「バッファ」の意味と使い方を例文付きで、類語・英語表現とともに分かりやすく解説していきたいと思います。
「バッファ」または「バッファー」は、英語「buffer」が語源で、物理的に衝撃する2つの物体の間で、その衝撃を吸収・緩和する「緩衝(かんしょう)装置」を意味します。 (英語「buffer」の使い方も後半で詳しく触れています。) 鉄道の車両間の衝突を緩和する装置は「バッファ」と言われています。この「バッファ」の使い方が原義に最も近いです。 そして、この「緩衝器」という意味から派生して様々な意味で「バッファ」は使用されています。 一般的なビジネスシーンでは「時間的なゆとり」であったり「人間関係におけるクッション」、電子回路では「緩衝回路」を意味したり、様々な分野で転用されています。 それでは、各業界での「バッファ」の使い方を詳しく見ていきましょう。
一般的なビジネス用語としての「バッファ」の意味は、「物理的な緩衝器」という意味から派生して、「時間的なゆとり、余裕」という意味で使います。 言い回しとしては、
などと使います。 「時間的な余裕」という意味ですから、ビジネスの場ではスケジュール管理をするときによく使います。 例えば、「会議時間にはバッファを持たせてスケジュールを組みましょう」などと使います。 また、「時間的なゆとり、余裕」以外にも、ビジネスの交渉や人間関係における「クッション的な役割、調停役」という意味でも「バッファ」は使われます。国際政治の世界でも、国と国の間を取り持つ国のことを「バッファ」と呼びます。 この意味では、
などの言い回しで使用します。 例えば、「弊社がバッファとなって、A社とB社の交渉をスムーズに進めたい」などと使います。 それでは例文をもう少し紹介したいと思います。
IT業界でも上記で紹介した意味で「バッファ」はもちろん使うのですが、コンピューター用語として別の意味でも「バッファ」は使います。 コンピューター用語の「バッファ」は、計算機システムにおいてデータを一時的に保存しておくデータ領域のことを指します。(少し難しいですよね...)バッファは物理的にいればメモリのことで、処理速度や転送速度の差を補うために使用されるものです。 よって、IT業界では「バッファ」を「データベースなどの保存領域の余白」を示すことがあります。 バッファオーバーラン(buffer overrun)、バッファオーバーフロー( buffer overflow)という言葉もあります。コンピュータのプログラムおいて、設計者が意図していないメモリ領域のバグを示します。 また、工学の分野では、「バッファ」は「電子回路の緩衝増幅器」のことを示します。電子ギターなどで使うエフェクターにも「バッファ」が使用されています。エフェクターの電流と電圧の差異を緩和をする役割をしています。(これも専門的に少し難しい....)
金融・経済用語では「資本保全バッファー」という言葉が存在します。 「資本保全バッファー」は、リーマン・ショックなどのストレス時に、企業が資本の外部流失を防ぐための水準のことを示します。
生物化学における「バッファ」とは日本語では「緩衝液」といい、水溶液の性質(酸性、中性、アルカリ性)を示すpHの衝撃を緩和する液体のことを指します。 専門的に少し難しいですが、根本的な意味は上記で説明した通り「緩衝装置」ですので、そこさえ覚えておけば問題ありません!
オンラインゲームにおける「バッファ」とは、強化魔法をかける仕事に従事しているキャラクターを指します。 「バフ(buff)」は、魔法やスキル、自分や他のキャラクターの能力を上げることの総称で、それに人を意味する「er」が語尾について、このような使い方がされています。 このような使い方は、英語としては正式ではありません。「緩衝器」というニュアンスもありませんよね。これはゲーム業界の特殊な使い方なんだなーと思っていただければ大丈夫です。
バッファ」の類語は日本語で、
などが考えられます。
「バッファ」の語源は英語の「buffer」です。 英語「buffer」は基本的には「緩衝物」という意味で使いますが、日本語の「バッファ」よりも、もっと広いニュアンスで使うことができます。「何かしらの悪影響を受けることから守る人や事」という漠然とした意味合いで使うのが普通です。 また「余裕」というより、「余分」というニュアンスでも使います。「buffer stock」と言えば「余分な在庫」という意味になります。 余談ですが、「buffer」には「老いぼれジジイ」という意味もあります。笑 それでは例文を見てみましょう。
I bought a house in Hawaii as a buffer against inflation.
インフレ対策でハワイに家を購入した。
"Just-in-time production" means that no buffer stocks are held in the factory.
ジャストインタイム生産は工場に余分な在庫がないということを意味する。
Silly old buffer!
バカな老いぼれジジイめ!
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ちなみに、「バッファーロー」は全く別の言葉なので注意してください笑 「バッファロー」はウシ族の動物です。。
「バッファ」は俗に言う「意識高い系ワード」の1つとされています。 ここで言う「意識高い系ワード」とは、英語の単語をカタカナ用語としてビジネスの場で使われている単語です。日本語でそのまま伝えれば良いものをわざわざ英語を用いて使用するので、使用している人は「意識高い系」と揶揄されることがあります。 なので、「バッファ」は多用しすぎると、職場などによっては一緒に働く人に違和感を与えてしまったり、浮いてしまう可能性があるので注意しましょう。 ちなみに、IT業界では普通に使う言葉なので心配無用です。 その他にも意識高い系ワードはたくさんあるので、その一部紹介しておきます。
超訳「カタカナ語」事典
俗に言う「意識高い系ワード」であるITやファイナンスに関するカタカナ語の意味と使い方をまとめた一冊です。それぞれのカタカナ語の類義語や関連語もしっかり紹介しているので、この一冊を読めばカタカナ語が分からなくて恥をかくことはもうありません!
「バッファ」の意味と使い方はご理解いただけたでしょうか?? 最後に「バッファ」の関して要点をまとめたいと思います。 ✔「バッファ」の基本的な意味は「緩和するもの」 ✔「バッファ」は一般的なビジネスシーンでは「時間的余裕」「調停役」という意味 ✔「バッファ」は業界によって様々な使い方がされているので注意 ✔「バッファ」は意識高い系ワードなので、会社によっては乱用は避けるべし ✔「バッファ」の英語「buffer」は微妙に違うニュアンスで使うので注意