「ボトルネック」という言葉をビジネスの現場で見聞きしたことがある人もいるかと思います。しかし「ボトルネック」というカタカナ語の意味や使い方ってイマイチ分かりづらいですよね。そんな「ボトルネック」のビジネスでの正しい使い方を解説していきます。また「ボトルネック」の日本語の類語や英語ではどのように表現するのかなども解説していきます。
「ボトルネック」の語源は英語「bottleneck」で、「瓶の首」という意味です。 ビジネスで使われる「ボトルネック」の意味は、「作業やシステム上で全体の進行や効率に悪い影響を与えてしまう一部分」になります。 どんなに太くて大きな瓶でも、首の部分が細く小さかったら入る水の量が制限されてしまいますよね?その現象が由来で、そのようなシステム上の効率の悪い部分や機能のことを「ボトルネック」というようになりました。 生産工程やシステム上に「ボトルネック」が存在する場合、どんなにその他の部分を改善、改良しても、全体の効率や性能は向上しません。よって、あらゆる作業工程において「ボトルネック」を常に把握し、ピンポイントで改善していくことが最重要課題となります。
「ボトルネック」の意味はご理解いただけましたか? この「ボトルネック」という言葉は、様々なビジネスシーンで使われています。 業界別に使い方を解説していきます。
「ボトルネック」が登場する最も典型的な例が、製造業です。 製造業では、ある商品を製造する過程には、複数の工程が存在します。その製造過程で、たった1つの工程の効率が悪いと全体で納品できる数に影響を及ぼします。なぜなら、その工程の部分で商品がつまってしまい全工程をクリアする商品数が下がってしまうからです。 このように製造業では、工程がどんなに複雑で多数あっても、たった1つの工程が原因で全体に大きな悪影響があるわけです。ですから、製造業では「ボトルネック」はどこなのか常に監視することが大切になります。
IT業界でも「ボトルネック」という言葉が使用されています。 「ボトルネック」の基本的な意味は変わりません。 システム設計のプログラミングにおける「ボトルネック」は、処理時間に悪影響を及ぼす設計箇所のことを指します。プログラミングにおいて「ボトルネック」の及ぼす影響は、製造業の比ではなく、数百倍から数千倍になることもあり、システム設計者として「ボトルネック」を感知する能力は極めて重要だとされています。 ネットワーク通信でも「ボトルネック」という言葉が使われます。 ネットワーク上のある一地点が混雑し通信速度が落ちてしますと、その箇所の前後が正常でも一番通信速度の遅い箇所に合わせて全体の通信速度も落ちてしまいます。そのネットワークの一地点を「ボトルネック」と言います。 少し専門的なので難しいですが、根本的なニュアンスは同じであることが確認できたかと思います。
「ボトルネック」という言葉は、経営管理に対しても使用されます。 元々は製造業で使うことが多かった「ボトルネック」という言葉ですが、最近では経営においてもよく使われます。例えば、経営管理上、事業計画を達成するには社内のあらゆる部門が協業しなければなりません。いくらよい商品を作ってもマーケティングができなかったら売上は上がりませんし、採用が追いつかなくては会社の成長は頭打ちになってしまいます。 このように、企業の中で事業成長の足かせとなっている人材・部門を「ボトルネック」といいます。
ビジネスでの「ボトルネック」の例文をいくつか紹介します。
例文
ビジネスシーン以外でも「ボトルネック」という言葉は使用されています。 中にはかなり専門性の高い用法もあるので、興味のない人はスルーしてもOKです。
ファッション業界でも「ボトルネック」という言葉を見聞きします。 ファッションや服における「ボトルネック」とは、ニット生地の服のハイネックの中の1つで、短めの立ち上がりで折り返す必要のないものを指します。 ユニクロさんなどでも「ボトルネック」のニットが販売されています。 ファッション業界での「ボトルネック」の使い方は原義である「瓶の首」の形から転用されています。
交通・河川での「ボトルネック」は、流れの妨げになっている箇所を指します。 例えば、高速道路で事故が発生し、それが原義で渋滞が発生していたら、その事故は「ボトルネック」ということになります。 ちなみに、交通遮断量の多い踏切は、専門用語で「ボトルネック踏切」と呼ばれています。
遺伝子学では「ボトルネック効果」という専門用語があります。 「ボトルネック効果」とは、ある一つの種の中で生物の個体数(遺伝子多様性)が減ることを意味します。 これはかなり難しい話ですよね....日常会話ではまず使わない言い回しですね...
「ボトルネック」の類語を見ていきましょう。
などが考えられます。 「隘路(あいろ)」という言葉が意味的には「ボトルネック」に一番近いです。 「隘」は「狭い」という意味で、「路」は「道」なので、熟語の成り立ちも「ボトルネック」に近いですね。 しかしかなり堅い言葉でビジネスシーンではあまり使われることが少ないと考えられます。
「ボトルネック」の語源は英語「bottleneck」です。 英語の「bottleneck」は2つの意味で使用します。 ① 道路の狭くなっている箇所 ② 進行の妨げ です。日本語「ボトルネック」では②の意味だけで使用していましたが、英語では工事などで道路が狭くなっている箇所を「bottleneck」と表現するのが一般的です。 それでは例文を見てみましょう。
The construction work is causing bottlenecks in Shibuya.
工事作業で渋谷の道が狭くなっている。
Is there any way of getting around this bureaucratic bottleneck in order to make quick decisions?
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「ボトルネック」というタイトルの小説があるようです。。 内容はビジネス書ではないので気をつけてください。。
「ボトルネック」は俗に言う「意識高い系ワード」の1つとされています。 ここで言う「意識高い系ワード」とは、英語の単語をカタカナ用語としてビジネスの場で使われている単語です。日本語でそのまま伝えれば良いものをわざわざ英語を用いて使用するので、使用している人は「意識高い系」と揶揄されることがあります。 なので、「ボトルネック」は多用すると、職場などによっては一緒に働く人に違和感を与えてしまったり、浮いてしまう可能性があるので注意しましょう。 ちなみに、IT業界では普通に使う言葉なので心配無用です。 その他にも意識高い系ワードはたくさんあるので、その一部紹介しておきます。
超訳「カタカナ語」事典
俗に言う「意識高い系ワード」であるITやファイナンスに関するカタカナ語の意味と使い方をまとめた一冊です。それぞれのカタカナ語の類義語や関連語もしっかり紹介しているので、この一冊を読めばカタカナ語が分からなくて恥をかくことはもうありません!
「ボトルネック」の意味と使い方はご理解いただけましたか? 最後に「ボトルネック」の意味と使い方について簡単にまとめたいと思います。 ✔「ボトルネック」の基本的な意味は「作業・システムの進行を妨げるもの」 ✔ 製造業だけではなく、IT業界や経営学でも用いられる概念 ✔ ビジネスシーン以外でも使用されている。 ✔ 意識高い系ワードではあるので、会社によっては乱用すると浮くので注意