「お手柔らかに」という言葉をご存知でしょうか。「お手柔らかにお願いします」「どうぞ、お手柔らかに」といったように使います。では、「お手柔らかに」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。この言葉は、日常会話においても使われていることが多いです。相手に「お手柔らかに」と言われたら、何と返しますか。また、目上の人に対して使うことはできるのでしょうか。意味をきちんと知っておかないと、正しく使うことはできません。そこで今回は「お手柔らかに」の意味や使い方、語源、言い換えについて解説していきます。適切に知って、上手く使えるようにしましょう!
「お手柔らかに」は<おてやわらかに>と読みます。 「お手柔らかに」の意味は「厳しさの度合いを弱くすること、寛大に」です。 自分は弱いから手を抜いてほしい、手をかけずに優しく相手にしてほしいという気持ちが込められています。 「お手柔らかに」は「あなたの方が実力があります」と、自分よりも相手の方が強いことを認めています。相手に敬意を示して、自分のことを下げているので、へりくだった表現となります。
「お手柔らかに」は「御手柔らかに」と表すことができます。 「御」+「手柔らかに」で成り立っています。 「御」は「敬いや丁寧さを表す接頭語」で、「手柔らか」は「手を抜いて優しく取り扱うこと」を意味します。 「お手柔らかに」は、剣道の稽古が由来していると言われています。剣道において初心者が「初めてなので、強く叩かないでください」という気持ちを込めて『お手柔らかに!』と言っていました。 そこから、相手に手加減してもらうことをお願いする表現として「お手柔らかに」が使われ始めました。
「お手柔らかに」は、試合や勝負事を始める際の挨拶の言葉として用いられています。 手加減を求める言い方なので、その分野において弱い人が自分よりも強い人に対して使います。 試合をする前に、「どうぞ、お手柔らかに!」と相手に挨拶代わりに使うことができます。 「お手柔らかに」はへりくだった表現なので、目上の人に対して使うこともできます。目上の人に対して使う場合は、「お手柔らかにお願いします」といったように敬語を伴う必要があります。 「お手柔らかに!」だけど、軽い印象を与えてしまうので注意してください。 また、対戦相手が強くない人や初めて勝負するので腕前が分からない相手でも、社交辞令として「お手柔らかに」を使うことができます。 「お手柔らかに」は勝負事だけではなくて、ビジネスシーンで使うこともあります。 ビジネスの場では、自身の評価をしてもらう場合に「不十分な点もありますが、評価して欲しい」という気持ちを込めて『お手柔らかにお願いいたします』と言います。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
勝負をするときに、相手に『お手柔らかにお願いします』と言われた場合は何と返せば良いのでしょうか。 「お手柔らかに」の返しとしては、
などとなります。 相手は「自分よりも実力があるので」と、謙遜する気持ちを込めて「お手柔らかに」を使っています。そういったときの返しは「お願いします」を使うのが良いです。 何かを相手に依頼するときに、相手への敬意を示しつつ、迷惑や負担をかけるかもしれないといった配慮を含んでいるのが、「お願い」という言葉です。 相手が目上の人である場合は、「お願いいたします」といったように丁寧な言葉を使うようにしましょう。 また、自分もそう思っているいう意味で「こちらこそ、お手柔らかに」と返すこともできます。「お手柔らかに」を素直に受けて、「はい、手を抜きます」「加減します」と言うのは失礼です。
「手加減」の意味は「相手や状態などに応じて、程よく厳しさの度合いを整えること」です。 よく「手加減する」という表現が使われていて、これは「相手に合わせて遠慮すること」を意味します。 「手加減してください」「手加減願います」「手加減のほどお願いします」といったように使います。「手加減」も「お手柔らかに」と同様に、勝負事を始める際の挨拶の語として用います。 目上の人に使うこともできますが、「手加減してください」だと失礼な印象を与えてしまうので、「手加減のほどお願いいたします」といったように敬語を伴って使う必要があります。
例文
「控えめ」の意味は「実力を出すのではなくて、遠慮して振る舞うこと」です。 「控えめな態度をとる」「控えめに物を言う」「控えめに接する」といったように使います。 「控えめに願います」「控えめにお願いいたします」「控えめにしてください」などと言います。「控えめ」を使うことで、自分から進んで物事を行ったり、主張することを表すことができます。 「控えめ」は「甘さは控えめに」といったように、量を少なめにするという意味で使うこともできます。
例文
「お手柔らかに」の対義語には、動作が荒々しいという意味の言葉と持っている力を全部出すという意味の言葉があります。
手荒(てあら) (意味:取り扱いや行動が丁寧でないこと) 「彼は手荒なまねばかりしている」 荒っぽい (意味:行動が大雑把であること) 「彼女は物を荒っぽく投げる癖がある」 荒々しい (意味:状態や動作が荒れていること) 「彼らは荒々しく動き回っている」 乱暴 (意味:激しく振る舞っていること) 「乱暴なことはしてはいけない」 凶暴 (意味:行動が荒くて勢いもすごいこと) 「この動物は凶暴だから気をつけた方が良い」 本気を出す (意味:ふざけないで真面目に行うこと) 「本気を出して取り組みたい」 力を発揮する (意味:本来の実力を出すこと) 「勝つには力を発揮する必要がある」 全力で臨む (意味:持っている力を全て出すこと) 「全力で臨めば上手くいく」 腕前を披露する (意味:持っている力を出し切ること) 「見てくれている人に腕前を披露する」
「お手柔らかにお願いします」の英語表現を見ていきましょう。 「お手柔らかにお願いします」は英語で、
になります。 「go to+場所」だと「どこどこへ行く」の意味になりますが、「go+形容詞」で「...になる」という意味になります。 例えば、「Let's go crazy in the party.(パーティーで狂ったように楽しもうぜ)」「The party went so noisy last night.(昨夜のパーティーはすごくうるさくなった)」などと使います。 「お手柔らかに」の英語で言う際には1つ注意点があります。日本人は本当は得意なことでも謙遜で「お手柔らかにお願いします」などと言いますよね。英語圏ではそのように自分をへりくだるようなことはあまり言いません。ただ自信がないように聞こえるだけで少し不自然になってしまう場合もあります。ですので、謙遜で「お手柔らかに」と言いたい場合は、英語ではわざわざ言わない方が無難だと思われます。
She is a newcomer, so please don't go too hard on her. Okay?
彼女は新人なんだから、お手柔らかにね。いい?
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「お手柔らかに」について理解できたでしょうか? ✔︎「お手柔らかに」は「厳しさの度合いを弱くすること、寛大に」を意味 ✔︎「お手柔らかにお願いします」「どうぞ、お手柔らかに」「お手柔らかに願います」などと使う ✔︎「お手柔らかに」は、目上の人に対しても使える表現 ✔︎「お手柔らかに」の言い換えには、「手加減」「控えめ」などがある