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今さら聞けない「リテラシー」の意味と正しい使い方

「リテラシー」の意味と使い方を正しく理解していますか?近年ビジネスシーンよくリテラシーという言葉が使われています。また現代ならではの”リテラシー”である「メディアリテラシー」「ITリテラシー」などの言葉も次々に登場してきています。今回は「リテラシー」の意味と使い方を徹底的に解説していきます!

「リテラシー」の意味

語源である英語「literacy」の意味

日本語の「リテラシー」は、英語「literacy」が由来です。 英語「literacy」の意味は「読み書きの能力」です。「識字」「識字率」という日本語と同義です。 「literacy」は上記の原義から転じて、読み書きに限らず「特定の分野の知識」を指すようになりました。(英語「literacy」の使い方や例文などの詳細は後述します)

「リテラシー」の基本的な意味

日本語の「リテラシー」は「読み書きの能力」という意味で使われることはほとんどなく、「特定の分野の知識」という意味で使われます。 もう少し詳しくいうと、「ある特定分野の事象や情報を正しく理解・分析・整理し、それを自分の言葉で表現したり、判断する能力」を指します。

「リテラシー」の使い方と例文

「リテラシー」の種類

「リテラシー」は単体でも使える言葉ですが、最近では「◯◯リテラシー」という形で使うことが多いです。◯◯の箇所には特定の分野の名称が入り、その分野に関する知識や理解、分析、活用する能力のことを指します。 代表的な例だと「メディア・リテラシー」などがあります。「メディアリテラシー」なので、メディアつまり新聞やテレビニュース、ネットニュースに対する知見のことを指すことはわかると思います。 メディアに対する知識だけではなく、それらの知識を仕事で活用したり、自分自身にとって必要な情報だけを判断したりする能力まで含めて「メディアリテラシー」といいます。 最近はリテラシーの種類がどんどん細分化されてきており、各業界・分野ごとにリテラシーが存在していると考えられています。職業的な区分を超えて、人種や文化などに対するリテラシーなども存在します。

「リテラシー」の種類 - メディア・リテラシー(Media literacy) - コンピューター・リテラシー(Computer (Digital) literacy) - 情報リテラシー(Information literacy) - データ・リテラシー(Data literacy) - ゲーム・リテラシー(Game literacy) - 視覚リテラシー(Visual literacy) - ヘルス・リテラシー(Health literacy) - 精神リテラシー(Mental literacy) - 法律リテラシー(Legal literacy) - 金融リテラシー(Financial literacy) - 科学リテラシー(Scientific literacy) - マルチメディア・リテラシー(Multimedia literacy) - 統計リテラシー(Statistical literacy) - 人種リテラシー(Racial literacy) - 文化リテラシー(Cultural literacy) - 環境リテラシー(Environmental literacy)

日本の職場で使われるのは、 - メディア・リテラシー - 金融リテラシー - 情報リテラシー(ネット・リテラシー、 ITリテラシー) くらいです。 金融リテラシーは、一般には社会人として経済的に自立した生活を送る上で必要な、金融に対する知識や考え方。広義には、資産運用などの能力も含まれます。 情報リテラシーは、「情報活用能力」とも言われ、ネットニュース、検索、ソーシャルネットワークなどを駆使して、自分に必要な情報を調べ取捨選択する能力のことを指します。情報リテラシーはメディア・リテラシーを内包します。

「リテラシー」の使い方

「リテラシー」という言葉は下記のようなフレーズでよく使われます。

  • リテラシーがある
  • リテラシーがない
  • リテラシーが高い
  • リテラシーが低い
  • リテラシーを持つ
  • リテラシーを身につける
  • リテラシーを高める
  • リテラシーを向上させる

色々な「リテラシー」を紹介してきましたが、どの程度までの能力を有すれば「あの人はリテラシーが高い」と言われるのかは、それぞれの職場や発言者のレベルに寄るので注意してください。 また、マイナーな「◯◯リテラシー」をいきなり職場で使っても、周りの人は具体的にどんなことに対する知識や分析力を指しているか分からないことがほとんどだと思うので、気をつけてください。 特定の分野を言及せず「リテラシー」を単体で使い、「あいつはリテラシーが低い」というと「あいつは馬鹿だ」というニュアンスになりますので、注意しましょう。

「リテラシー」の例文

「リテラシー」を使った例文を紹介していきます。

  • あいつはリテラシーが低い。
  • 社会人として最低限の金融リテラシーを身につける必要がある。
  • フェイクニュースが横行している昨今、メディアリテラシーを持つことは必須だ。
  • 日本政府は、小学生の段階から国民の情報リテラシーの向上に努めるべきだ。
  • 国際社会で活躍するには、最低限のITリテラシーとコミュニケーション能力は絶対条件だ。

「リテラシー」の類語

「リテラシー」の類語を紹介します。 しかし「リテラシー」の同義の日本語は存在しません。 元々は「哲学」や「経済」などの言葉も、英語を日本語に翻訳するときに生まれた言葉です。今後は「リテラシー」に対する日本語が生まれる可能性がありますが、今のところはありません。 類語だと「リテラシー」とは微妙にニュアンスが違います。「リテラシー」について話すときは「リテラシー」という言葉を使うのが無難です。

  • 識字
  • 学(がく)
  • 学習能力
  • 教養
  • 専門知識
  • 知見
  • 知識
  • 能力
  • 博学
  • 洞察眼
  • 批判的思考

「リテラシー」と「コンピテンシー」の違い

「リテラシー」と混同される言葉に「コンピテンシー」というものがありますが、「リテラシー」と「コンピテンシー」は全く別の意味を持つ言葉です。 「コンピテンシー(competency)」とは、「業務実行能力の優れている人材が持つ今共通した行動特性」のことを指します。この考え方は、「人材」という言葉が使われていることからわかるように人事の分野で使用される言葉で、仕事のできる人材をどのように社内で教育てるか、または採用するかという戦略を立てるときに使われる考え方です。 よって、「リテラシー」と「コンピテンシー」は全然違う言葉であることがわかったと思います。

「リテラシー」の英語表現

英語の「literacy」の語源は、ラテン語の「literatus」です。「教育を受けて文字を理解している人」という意味です。 「literacy」は名詞で、形容詞は「literate」です。 英語の「literacy」は

  • 読み書きの能力
  • 特定の分野の知識

の2つの意味で使われます。 「literacy」が単体で使われたときは「読み書き能力」という意味で使われることが多いのが、日本語の「リテラシー」とは少し違う点です。 例文を見てみましょう。

Japan has a literacy rate of almost 99%

日本の識字率はほぼ99%である。

Far more resources are needed to improve adult literacy.

大人の読み書きの能力を向上させるには、さらなる資源が必要です。

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「リテラシー」は意識高い系ワード?

「リテラシー」は直訳の日本語はないものの、日本語でも説明可能なので意識高い系ワードの1つとされることがあります。 意識高い系ワードとは、日本語でも伝わるのにあえて意識の高い人が使用しているカタカナ英語のことを揶揄して言う言葉です。 職場やシチュエーション、一緒に仕事をしている人によっては、意識高い系ワードを使うことで相手に不快感を与える可能性があるので多用はしないように注意しましょう。

その他の意識高い系ワード

  • アグリー (agree):同意する、支持する
  • アウトソーシング(outsourcing):外注、外部委託
  • アサイン(assign):割り当てる、任命する
  • アジェンダ(agenda):計画、議題
  • アライアンス(alliance):提携、同盟
  • ウィンウィン(win-win):双方に利益となること
  • コストパフォマンス(cost performance):費用対効果
  • コミットメント(commitment):委託、委任
  • コンバージョン(conversion):ウェブサイト上で獲得できる最終的な成果
  • リスケ (reschedule):日程変更、予定延期

さいごに

いかがでしたか? 「リテラシー」の意味と使い方は、ご理解頂けたでしょうか?? 「リテラシー」という言葉は、自分は使わなくても、よく見聞きするワードだと思うので、しっかり理解しましょう。 職場や人によって、どこまでの知識や能力を指しているのはマチマチなので、その点は注意してください。

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