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「軋轢」の意味、使い方、例文!類語「確執」との違い、英語表現

「軋轢(あつれき)」といった言葉をご存知でしょうか? 「確執」とよく似た意味を持つ言葉です。 今回はそんな「軋轢」の意味、使い方を例文付きで詳しく解説します。また類語、英語も紹介します。 さらに「確執」の違いについて詳しく解説します!

「軋轢」の読み方・意味・語源

「軋轢」の読み方は「あつれき」

「軋轢」は<あつれき>と読みます。

「軋轢」の意味は「仲が悪くなること」「人間関係において葛藤や摩擦が生じること」

「軋轢」の意味「仲が悪くなること」「人間関係において葛藤や摩擦が生じること」といった意味です。

「軋轢」の漢字・語源

「軋轢」の漢字は「軋る(きしる)」と「轢く(ひく)」

」は「軋る(きしる)」と訓読みし、車偏の意味を追加して「車輪がきしる」という意味です。 「」は「轢む(きしむ)」「轢く(ひく)」と訓読みし、「車がきしむ」「車で轢く」という意味です。 右の樂は「楽器」や「奏でる」という意味の漢字です。 よって「轢」は「車から生じる音」という意味になります。 どちらも同じ意味で、「車輪等が軋る」という意味を強調した漢字です。 車輪が擦れ、「キーキー」と不快な音がする様子を表しています。

「軋轢」の語源は「車輪のきしること」

「軋る」と「轢む」は、固い物同士が強く触れ合って音が出ることを指します。 その意味が転じ、「人と人がぶつかり合う、相性が悪くなる」となり「仲が悪い」ことを表すようになりました。

「軋轢」の使い方・例文

「軋轢」は人間関係について使う

「軋轢」は人間関係について使う言葉です。 関係性の中で摩擦が生じたり、溝が出来たりすることを表します。 また、人と人だけではなく団体や国においても使えます。

「軋轢が生じる」「軋轢が生まれる」で不仲になったことを指して使う

人間関係において、不仲になることや亀裂が入ることを「軋轢が生じる」や「軋轢が生まれる」と言います。 「軋轢になる」や「軋轢ができる」とは言いません。

例文

  • 仲の良い夫婦であっても、軋轢が生じることはある。
  • 彼はあまりに傲慢なやり方で、他の社員との間に軋轢が生じる。
  • 彼女たちの過激な発言により、チーム内に軋轢が生まれる。

「軋轢を生む」は人間関係を壊す人や物事を指して使う

人や、人の言動、また物事によって人間関係が悪くなる場合に、それらを指して「軋轢を生む」と使います。 「軋轢を作る」などとは言いません。

例文

  • 先ほどの彼の発言は彼女との軋轢を生むだろう。
  • 恋愛は時に友人関係に軋轢を生む。
  • 上層部の自分本位なやり方が、職員との軋轢を生んでしまった。

「軋轢がある」ですでに確執がある場合に使う

すでに人間関係が不仲の場合は「軋轢がある」と使います。

例文

  • グループの解散は、どうやらメンバー間に軋轢があったようだ。
  • あの2人には軋轢があると、入社当初に言われた。
  • 軋轢があるからと、仕事に支障をきたすのはやめてほしい。

「軋轢を避ける」は不仲にならないようにするときに使う

例文

  • 言いたいことは山ほどあったが、軋轢を避けるために相槌のみで終わらせた。
  • ある程度の地位を手にするまでは、軋轢を避けるため我慢をしている。
  • 軋轢を避けてばかりいたら、自分自身の本当の気持ちが分からなくなってしまった。

「○○の軋轢」「軋轢の〇〇」などとも使う

例文

  • 国同士の軋轢も次第に激化してきた。
  • この軋轢の解消は、もはや時間が経つのを待つしかない。

「軋轢」と「確執」の違い

▶「軋轢」・・・「人間関係がギクシャクして、仲が悪くなり不和となること」 ▶「確執」・・・「お互い主張を譲らず、対立すること」

「軋轢」と「確執」は似たような意味ではありますが、「確執」は、「お互いが意見などを主張して譲らないことから生じる対立」に対して、「軋轢」は「主張や対立に限らず、どんな要因であっても生じる不仲」のことを指します。 要するに、「軋轢」は不仲である様子を指し、「確執」は意見が対立して生じる不仲であるため、「確執」によって「軋轢」が生じることがあります。

「確執」の意味は「自分の意見を強く主張して譲らないこと」「双方の間が不和になること、もめごと」

「確執」の<かくしつ>と読みます。 意味は、「自分の意見を強く主張して譲らないこと」「双方の間が不和になること、もめごと」です。 意見を強く主張して譲らないことから生じる、不和やも揉め事のことを指す言葉です。 「確執」について詳しく解説していきます。

「確執」も人間関係のおいて使う言葉

「確執」も、人間関係において用いる言葉です。 ただ不仲であるというよりは。意味にもあるように「お互いに主張など譲らないものがあり強く対立している様子」を表します。 また、団体や国においても使うことの出来る言葉です。 主に、 「確執がある」 「確執が生じる」 「確執が生まれる」 「確執が深い」 「確執が残る」 などと使われています。 詳しくは例文を参考にしてください。

「確執」を用いた例文

○「確執」を用いた例文 「A子とB子の確執は今でも続いてる」 「話は合う同僚だったが、どうしても仕事上の価値観が合わずに確執が生まれた」 「仲良しだった二人に確執が生じた事件には、彼が関係しているらしい」 「メンバー間の確執には、メディアでも大きくとりあげられた」 「引退してからも、確執が残っているようだ」 「同じアジアであっても、国同士の確執が深い」 「C社とD社の確執はいつまで経っても消えない」

「確執」の意味と使い方、読み方、類語「反目・軋轢」との違い

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「軋轢」の類語

反目(はんもく)

意味:仲が悪いこと、にらみ合うこと

例文

  • 親同士が対立していると、子供達まで反目し合うようになってしまう。
  • 些細なことが原因で、隣家と反目し合う。
  • 気にくわないからといって、反目している場合ではない。

亀裂(きれつ)

(意味:ひびが入ること。また、その裂け目)

例文

  • 考えの食い違いから党内の亀裂が深まった。
  • 両社の関係に亀裂が入ってしまった。
  • Aさんが金銭にだらしないことが理由で仲の良かったBさんとの関係に亀裂が入ったようだ

摩擦(まさつ)

意味:相手との間に意見や感情の食い違いが起こり、仲が悪くなったり衝突したりすること

例文

  • 人間関係で摩擦を起こさないようにと考えすぎて、溜め込むくせがついてしまった。
  • 摩擦を生むような発言は控えましょう。

不和(ふわ)

意味:仲が悪いこと、仲違いして調和しないこと

  • あの国は不和を招くような発言ばかりしている
  • あんなに仲が良かったのに、何が原因で不和になってしまったのだろうか

対立(たいりつ)

(意味:二つのものが反対の立場に立って張り合うこと)

例文

  • 両者の間で意見が対立する。
  • 対立していた2人をまとめた部長は本当に素晴らしい人格者だ。

不仲(不仲)

意味:仲の良くないこと、互いに気が合わないこと

例文

  • 課長と部長が不仲なことは有名である。
  • SNSではアイドルグループのメンバー同士の不仲説がよく浮上する。

冷戦(れいせん)

意味:国際間の武力を用いず経済や思想や情報などを手段として行う対立抗争、また人間関係のそれに似た状態(喧嘩や言い合いもせず、関わり合わないながらにバチバチと対立している様子)

例文

  • 女同士の冷戦ほど怖いものはない。
  • そんなに長く冷戦状態が続いていたら、もう恋人とは言わないのでは?

齟齬(そご)

意味:物事がうまく噛み合わないこと、行き違い

例文

  • 両者の意見に齟齬が生じる。
  • 
県と市の意見が齟齬をきたしており地方行政が滞っている。

「齟齬」の意味、漢字、使い方、類語、英語を紹介!「相違」との違いも

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食い違い(くいちがい)

意味:事柄がうまく合わないこと、物事がずれて行われること

例文

  • 食い違いを適切かつ迅速に解消していくことが最優先だ。
  • 彼らが言っていることには食い違いがある

「軋轢」と「確執」の英語

「軋轢」と「確執」の英語は、いくつかの英単語が考えられます。

  • friction(軋轢、摩擦という意味)
  • conflict(衝突、対立)
  • discord(不和)

など。 実際、英語では「軋轢」と「確執」のような使い分けはあまり意識する必要はないと思います。()の中に書いたニュアンス別に使い分けが出来ればOKです。

  • be at odds(不仲)
  • clash(不仲になる)

など、be動詞や一般動詞でも表現することができます。

There has been a political conflict between the two countries.

二国間には政治的な軋轢がある。

Discord always arises between mother-in-law and daughter-in-law.

嫁と姑の確執はよく生まれるものだ。

Bill and Steve clashed over this matter.

この件で、ビルとスティーブの間には軋轢が生まれた。

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まとめ

「軋轢」と「確執」の違いについて理解できたでしょうか? ✔「軋轢」は「あつれき」と読む ✔「軋轢」の意味は「人間関係において葛藤や摩擦が生じること」 ✔類語「確執」の意味は「お互いに主張など譲ず対立していること」 言葉ひとつで「軋轢」や「確執」が生じることはあります。 しっかりと日本語を勉強し、相手と行き違いのないようにしましょう!

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