「マニピュレーター」の語源は「自分の都合のいいように人や事を操作する」を意味する英語「manipulate」で、直訳すると「操る人」を意味します。他人に親切にすることで他人の心を支配し、自分の利益の為に人を陥れたり操る人を差す言葉です。
「マニピュレーター」は、他人に親切にすることで他人の心を支配し、自分の利益の為に人を陥れたり操る人を差す言葉です。 「マニピュレーター」には元々「他者を操る者」という意味があります。 他人に対して善人を装い近づくことで人を心理的な距離を縮め、その上で自分の利益のために相手を落とし入れるなど攻撃的な部分を見せてくるのです。 例えば、「失敗してもフォローしてあげるから心配しないで」と優しく声をかけたり、実際にサポートしてくれていたのにも関わらず、いざ失敗したとなったときに「君が失敗をしたせいで皆が迷惑をしている...」というように精神的に落ち込むようなことを言ってきたりします。 このように、親切なふりをしてさり気なく自尊心を傷つけてきたりするのです。 間違った方向に進むようにわざわざ誘導して、失敗をさせることで社内での評価が下がるように仕向けるといったことも...。 ターゲットとなっている人は、どんなに理不尽なことをされても「そんな悪いことをする人ではない」と信じ込んでしまっているため「相手が悪いのではなく自分が悪いのだ」と思い込んでしまいます。 これが人の心を操るマニピュレーターの恐ろしいところであると言えるでしょう。
まず、マニピュレーターは親切にターゲットに接することでターゲットに安心感を与えます。 その上で、自分のペースに巻き込むのがマニピュレーターの手口です。 人の心を操るのってそう簡単なことではありませんよね。 まずは、その人からの信用を得ないといけません。 マニピュレーターは、とにかく親切にすることで信用を得た上で「○○したほうが良いよ」といったように人を間違った方向に誘導しようとしたり、自分のペースに巻き込んでいきます。
ターゲットにさりげなく罪悪感を抱かせて操るのもマニピュレーターの手口です。 例えば普段は優しくフォローしてくれるのに、ここぞといいう時に「あなたのせいで...」など、追い詰めるようなことを言ってくるのです。 普段優しくしてくれていて信用している人だからこそ、そんなことを言われたら「なんて自分はダメなやつなんだ」と強く感じてしまいます。やっぱり普段よくしてくれる人だからこそ、理不尽な嫌味であっても「自分の為を思って言ってくれているんだ」なんて思ってしまうんですよね。 結果的に、「これ以上迷惑をかけてはいけない」「期待に応えなければいけない」という心情が強くなってマニピュレーターの言うことに従ってしまいます。
マニピュレーターは、とにかくターゲットに対して「私はあなたの味方ですよ」という姿勢を崩しません。そのため、ターゲットもマニピュレーターだけは「自分の味方でいてくれる」なんて思ってしまう節があります。 しかし、実際は影で「○○さんって、ミスも目立つしいつも手抜きばかり.」といったような悪評を周りの人に吹き込んだりして悪者扱いすることでターゲットを潰そうとするのです。 自分に非があると思われることを避けるので完全に悪口にならないように「○○さんって、作業スピードは早くて素晴らしいですよね。でもミスも目立つような気が...」というようにさりげなく悪い印象も刷り込むというのがマニピュレーターの手口になります。 なので、ターゲットの知らない間に評判や評価が悪くなっているということがあるのです。
マニピュレーターの恐ろしいところは、悪意を感じさせることなくターゲットを攻撃することです。 さも自分はターゲットのことを思って言ってると言わんばかりに、グサグサと相手の自尊心を傷つけるようなことを言ったりします。 ターゲットも「自分のことを思えばこその言葉だ」と思い込んでしまうんですよね。 どんなに理不尽なことを言われていたとしても「正しい意見」のように感じてしまうのだとか...。 完全に心をコントロールしているからこそできる手口です。 結果的に「この職場にいてはいけない人間なのかも」と感じさせるぐらいにメンタルをボロボロにして、退職においやってしまうマニピュレーターもいます。
マニピュレーターは、絶対に自分に非難の目が向かないようにします。 その方法として「曖昧な表現」を使うことがよくあります。 ハッキリと断言してしまうと「○○さんがこうやって言ったから」などと責任を押し付けられてしまう可能性があるので、曖昧な表現をすることで判断を相手に任せるのです。 いざというときは「そうは言っていない」と言って責任をターゲットになすりつけます。 そして、ターゲットを窮地に追いやろうとしてくることも珍しくありません。
ターゲットにとってマニピュレーターは信頼できる存在です。 何かあったり、迷ったときにはやっぱり「頼ろう」と思ってしまうでしょう。 マニピュレーターは、親切を装い助けるふりをしてターゲットの話しを聞きます。 しかし、肝心なアドバイスは決してしてくれないのです。 的はずれなアドバイスをしたり「絶対にこうしたほうが良い」とうことがわかっていても、ターゲットには教えず、あえて肝心な話題からはそれた返答をしたりしてターゲットを惑わせます。
普段優しくしてくれる人に、強い口調で威嚇されたらビビってしまいますよね。 マニピュレーターは、普段は優しくターゲットに接しますが、時としてわかりやすく威嚇をします。 普段優しくされているからこそ、怒りの気持ちをぶつけられたら恐怖心を抱くでしょう。 恐怖心を抱いてしまうと、やっぱりその人の言うことには逆らえなくなってしまいますよね。 これもマニピュレーターがターゲットの心を操る手口の一つです。
マニピュレーターは組織において「自分はみなさんの為ならなんでも全力でやります!」という誠実な姿勢を見せます。 普段の善良な行いから、周りの人からも信頼を得て自分の中にある悪意を隠しているのです。 なので、ターゲットがマニピュレーターを悪く言ったとしても「○○さんはそんなことする人じゃないよ」と口を揃えて言うでしょう。 マニピュレーターは自分の腹の底にある悪をとことん隠します。 そうやって自分の身をきちんと守っているのです。
マニピュレーターは、相手を利用して自分を優位にしたいという心理でいっぱいです。 「相手のために」ではなく、いつだって「自分のために」ということしか考えていません。 人に親切にするのは、ターゲットのことをよく知り利用価値を調べるためでもあります。 そして、利用できる部分はとことん利用します。 そして、親身になってターゲットの相談を聞くふりをして弱みを握ったりもするでしょう。 握った弱みを利用して蹴落とすことで、自分を優位にして名誉を手に入れるのです。
マニピュレーターは、とにかく「相手を支配したい」という欲求が強いです。 特に自分より下の立場であると判断した人においては、ボスが下僕を扱うように自分の思い通りに動かせないと気が済まないのです。 しかし、ジャイアンのように「お前、○○しろ」 なんて言っても自分が悪者になってくだけであることをよく知っています。 だから、善人を演じ相手の「マインドをコントロールする」という方法で相手を支配しているのです。
マニピュレーターは、人を「道具」としてか見ていないことが多いです。 つまり、彼ら自身に「人を操り陥れている」という罪悪感は全くないと言えます。 だからこそ、人を信用させといて影で蹴落とすというような裏切り行為を平気でするのです。 いくら自分の名誉のためとはいえ、人を裏切るような行為をするのって罪悪感を感じるものですよね。 マニピュレーターは、人を「道具」としてしか見ていないので、自分の都合の良いように使えればそれで良いと思っていることがほとんどです。 自分のせいでその人が追い詰められようが何だろうが、なんだって良いのです。 「人情はない」と言って良いでしょう。
そもそも「人を陥れる」という行為そのものに快楽を感じているマニピュレーターもいます。 人が苦しんだり、悲しんでいるところを見て楽しんでいるのです。 人を利用して自分が名誉を手にいれたいというマニピュレーターもいますが、どちらかと言うと「人を操って陥れる」という行為そのものに快感を覚えてしまっているという人も多いのです。 もちろん罪悪感は全くありません。それが楽しいのです。 まさに「サイコパス」というやつなのでしょう....。
マニピュレーターという存在がいることを知ること、マニピュレーターがどういった人たちなのかを知ることが大切です。 大体の人は「マニピュレーター」と言われる人達の存在を知りません。 だからこそ、コロっと騙されて利用されてしまうのだし、利用されていることにすら全く気がつかない人もいます。 マニピュレーターについての知識があれば、親切にされても違和感はどっかで必ず感じるはずです。 「こんな酷いことする人なんているの?」と思うかもしれませんが、明日は我が身と思ってしっかり知識を付けておきましょう。
マニピュレーターが表面上親切で、善人にしか感じられないということは嫌と言うほどおわかりただけたかと思います。 しかし、実際親切にされてしまうと大抵の人はマニピュレーターだと気づけずに利用されてしまう結果になってしまうんですよね...。 人の親切を疑うのも失礼なのですが、少しでもマニピュレーターの可能性があるのならはじめから信じずに発言の裏を読んでおくことが大切です。 マニピュレーターの本心は「利用したい」「支配したい」なわけですから、絶対に裏があるはずなんです。悪意をもたれているかもしれないということを念頭においてしっかり言葉の真意を探りましょう。
マニピュレーターは、言葉では善人ぶったことを言います。 しかし「何でも相談に乗るからね」と言っておきながら、曖昧なアドバイスしかしてくれなかったり、いざというときに助けてくれなかったりします。 いつも親切にされていると「忙しくて余裕がなかっただけかも」などと思ってしまうかもしれませんが行動こそ「真意」です。 マニピュレーターの行動について、違和感を感じたりしたら見逃さないようにしましょう。
マニピュレーターは、時折曖昧な表現を用いたり、責任転嫁をしてくるなど自分が優位になるように仕向けようをするあまり、明らかにこちら側に不利益になるような発言や行動をしてきます。 完全にマニピュレーターのことを信じ切ってしまっていると、疑問や違和感を感じてしまっても大抵そのままにしてしまいます。しかし、「あれ?」と思ったことはしっかり質問をして不公平な点を明確にしておくことは非常に大切です。 明確にしないといつまでもこちらにとって不公平なままになってしまうので、結局陥れられてしまったり追い込まれてしまいます。
マニピュレーターは、不公平な部分を訴えかけようとしても論点をずらすなど自分に非がないように仕向けてきます。 なので、第三者を交えて話すことも対策の一つになります。 その場合は、2人で操られてしまわないように...きちんと平等な立場で相手に入ってくれる人を選ぶことが大切です。 そして「これはおかしいですよね?」とハッキリ問いかけましょう。 これには、自分がおかしいことを自覚させるという効果もあります。 第三者に間に入ってもらえば相手のペースに持っていかれることも防ぐことができます。 結局相手のペースに乗ってしまうということが一番よくないことなので、しっかりとした意思をもって話し合いをしましょう。
マニピュレーターは「そんなことは言ってない」などと言って責任転嫁をすることがとてもうまいです。 なので「この人怪しい」と思うのであればマニピュレーターの言ったことは文章で書き残しておきましょう。しっかりと記録に残しておけば「言っていない」「自分はそんなことやれとは言ってない」などと言われてしまったときに、「いや、○月○日に○○○を言っていました」とハッキリ伝えることができますよね。 また、文書にして書き写しておくことで矛盾点などおかしい部分にすぐに気がつくことができます。
これは極論ですが、マニピュレーターだ...と思うのなら距離を置き関わらないことが一番です。 とはいっても、すでに心をコントロールされてしまっている場合、それが一番難しかったりします。 「自分を利用していたなんて、そんなこと信じたくない」という気持ちがありますし、酷い人間だとわかっていながらも「嫌われたくない」とまで思ってしまいます。 そこまで心を支配してしまうのがマニピュレーターの恐ろしいところなんですよね。 しかし、冷静に判断し、離れることを決断するべきです。 どうしても難しい場合は転職をするなどして離れてしまうのも手でしょう....。
表面はいい人、陰で執拗に攻撃する「マニピュレーター」から身を守る方法を、豊富な臨床例をもつ心理学者が具体的に紹介。複雑な人間関係に悩む現代人必読の書。
この本では、精神分析医で有名企業のトップを指導する著者が、身近にいる「やっかいな人」から身を守る“科学的根拠に基づいた具体的な方法"を紹介!
これらの本は逆に自分がマニピュレーターになる方法を細かく解説しています。
「マニピュレーター」について理解を深めていいただけたでしょうか。 マニピュレーターに操られてしまうと、とっても精神的に参ってしまいます。 転職を余儀なくされてしまったり、精神的な病かかってしまう人もいるでしょう...。 大切なことは「マニピュレーター」という存在のことをよく知ることです。 親切にされてもきちんと見極められるようになりましょう。