「揚げ足を取る」という言葉をご存知でしょうか。「揚げ足を取るような言い方」「揚げ足を取るばかり」などと使います。「揚げ足を取る」は日常会話でも使うことが多いです。では、「揚げ足を取る」とはどのような意味なのでしょうか。「揚げ足を取る」と聞くと、あまり良いイメージはしませんよね。普段からよく使う言葉ではありますが、正しく使うためには意味についてしっかりと理解する必要があります。そこで今回は「揚げ足を取る」の意味や使い方、例文、語源、類語について解説していきます。意味を適切に知って、上手く使えるようにしましょう!
「揚げ足を取る」の意味は「相手の言い損ないを取り上げて、責めたり皮肉を言ったりすること」です。 人の言い間違いなどの発言を非難したり、からかったりすることを表します。 「上げ足」や「挙げ足」と書くこともありますが、「揚げ足」とするのが一般的です。 「揚」には「高く上に上げる」という意味が、「上」と「挙」には「上へあげる」という意味があります。 意味的には「上げ足」や「挙げ足」でも正しいのですが、「揚」の方がより意味合いが近いことから「揚げ足を取る」と書くのが一般的です。
「揚げ足」とは、勝負事で相手が技をかけようとしてあげた足を意味します。 相撲や柔道において、相手が技をかけようとしてあげた足を取って逆に相手を倒すことから、相手のミスにつけこむことを表すようになりました。
相手の発言に対して、ある一部分を取り上げて当惑させることを表す場合に「揚げ足を取る」を使います。 人の行為に対して「揚げ足を取る」は使いません。 大して気になる事ではないにも関わらず、その部分を強調するかのように取り扱います。「揚げ足を取る」は、人の言い間違いや失敗を取り上げる際に使うことが多いです。 「揚げ足を取る」は良い意味として使うことなく、主に悪いイメージを伴って使います。 例えば、
A:『今回の作品はいくらか出来が悪くなってしまったよ』 B:『今回だけではなくいつも出来が悪いけどね』 A:『そんな揚げ足を取るようなことを言わないでよ』
といったように使います。 言い回しとしては、
などとなります。 「人の発言を指摘する」といった意味の「揚げ足をすくう」は誤用になります。
例文
物言い (意味:人の欠点をあれこれと言うこと) 「物言いに注意しながら話す」 クレーム (意味:不平や不満を言うこと) 「あの人はクレームばかり言っている」 ケチをつける (意味:人の欠点を見つけて非難すること) 「彼女はケチをつけてくるから鬱陶しい」 重箱の隅をつつく (意味:物事の取るに足らない部分について悪く言うこと) 「重箱の隅をつつくようなことばかり言う人は苦手だ」 言葉尻を捕らえる (意味:相手のささいなミスについて、非難すること) 「彼は言葉尻を捕らえてあれこれと言う」 片言隻句(へんげんせっく)をとらえる (意味:些細な失敗を大きく捉えて、批判すること) 「片言隻句をとらえるようなことをして楽しいのか」 粗探しをする (意味:他人の欠点を探すこと) 「人の粗探しをする人とは関わらない」 欠点をあげつらう (意味:良くない点や改善が必要な点などを探すこと) 「欠点をあげつらっても良いことなどない」 落ち度を見つける (意味:人の失態や過ちを見つけること) 「彼は相手の落ち度を見つけて馬鹿にしてくる」 因縁をつける (意味:でたらめを言うこと) 「彼女は私にやたらと因縁をつけてくる」
「揚げ足を取る」は英語で
になります。
He is always nitpick and that's so annoying.
彼はいつも揚げ足を取るので、かなりウザい。
He is such a nitpicker.
彼は揚げ足取りの名人だ。
「揚げ足を取る」について理解できたでしょうか? ✔︎「揚げ足を取る」は「相手の言いそこないや失敗を取り上げて、責めたり皮肉を言ったりすること」を意味 ✔︎「揚げ足を取るような言い方」「揚げ足を取ってくる」などと使う ✔︎「揚げ足を取る」は良い意味ではなく、悪い意味として使う ✔︎「揚げ足を取る」の類語には、「物言い」「言葉尻を捕らえる」「粗探しをする」などがある