「鑑みる」という言葉をご存知ですか?「かんがみる」と読みますが、正しい使い方をしているでしょうか?今回は「鑑みる」の意味・読み方・使い方・類語・英語表現を例文付きで解説します!また、よく混同される言葉「考慮する」と「踏まえる」の違いを説明していきます。
「鑑みる」は<かんがみる>と読みます。 本来は「かがみる」でしたが、それが転じて「かんがみる」と読まれるようになりました。 「鑑」は音読みで「カン」、訓読みで「カガミ」と読みます。
意味は「手本・先例に照らし合わせる」「参考にして考える」です。 何かを参考にしたり手本にして考えるため、単純に「考える」だけでとは異なります。
「鑑みる」は「手本や先例に照らして考える」という意味です。 そのため「~に鑑みる」が正しい使い方となります。 「鑑(カガミ)」は「武士の鑑」「スポーツマンの鑑」などと使われるように、「手本」や「見習うべきもの」といった意味があります。 「手本」「見習う」は「手本にする」「〜に見習う」といった使い方をします。 「鑑みる」は「鑑」を動詞化して「手本を参考にする」「先例に照らし合わせる」といった意味を持ちました。 これからを理解した上で使うと「〜に鑑みる」が正しいことが分かると思います。 そのため、「〜を考える」のように「〜を鑑みる」といった使い方は間違いになるので注意しましょう!
▶「鑑みる」・・・「手本・先例に照らし合わせる、参考にして考える」 ▶「考慮する」・・・「判断・行動の前にいろいろの要素を含めて考えること、思いをめぐらすこと」 ▶「踏まえる」・・・「あれこれと思案する、判断の拠り所・根拠にする」 ▶「顧みる」・・・「過去を回想する、過ぎた物事や他人のことを考える」
よく意味や使い方が混同される「鑑みる」と「考慮する」の違いを見ていきます。 「考慮する」の意味は「判断・行動の前にいろいろの要素を含めて考えること」「思いをめぐらすこと」です。 「鑑みる」は先例など、今現在の物事と比較する対象がありそれと照らし合わせて考えます。 それに対して「考慮する」は、さまざまな要素や物事の影響に心を巡らせて考えることです。 例えば「先例に鑑みる」は「先例に照らし合わせて今回を考える」となりますが、「先例を考慮して」は「先例のやり方や影響など先例のことを考える」となります。 一番の違いは「比較・照らし合わせをしているかどうか」ということと「何について考えているか」という点になります。
「考慮する」と同様に、よく意味や使い方が混同される「鑑みる」と「踏まえる」の違いを見ていきます。 「踏まえる」の意味は「あれこれと思案する」「判断の拠り所・根拠にする」です。 「鑑みる」は「物事を考える際に他の物事と照らし合わせる」のに対して、「踏まえる」は「物事に対して他の物事を基準や根拠に判断する」となります。 例えば「先例に鑑みる」は「先例に照らし合わせて(比較参照して)物事を考える」という意味に対して、「先例を踏まえる」は「先例を基準にして判断する」ということになります。 一番の違いは「照らし合わせるか基準とするか」という点になります。
「顧みる」の読み方は「かえりみる」です。 「鑑みる」と意味は全く異なりますが、漢字の読み方が難しいこと送り仮名が同じであるために混同されやすくなっています。 意味は、 1.過去のことを思う。回想する 2.気にかける。心配する 3.背後を振り向いて見る 4.もう一度来て見る と4つの意味がありますが、主に「過去を振り返ること」と「気にかける」という意味で使うことが多いです。 「顧みる」は単に「過去を振り返る」ということではなく、「過ぎ去ってしまった物事や人に対して思いを馳せる」という場合に使います。自身の言動だけでなく、人や時代などあらゆるものが含まれます。
(意味:過ぎ去ったことを改めて思い浮かべる、考える)
○「振り返る」を用いた例文 「高校時代を振り返る」 「今日の自分の言動を振り返ってみる」
(意味:常に心がける、いつも考えている)
○「念頭に置く」を用いた例文 「来年の業務拡大を念頭に置いて新プロジェクトの会議をする」 「反対意見の人がいることは念頭に置く必要がある」
(意味:他の意見や事例と引き比べて、自分の考えを決める手がかりにすること)
○「参考にする」を用いた例文 「先輩のやり方を参考にする」 「この映画はミュージカルを参考に製作された」
(意味:二つ以上のものを比べ合わせる、比べて確かめる)
○「照らし合わせる」を用いた例文 「自分の経験と彼の証言を照らし合わせる」 「昨年の記録と今回の記録を照らし合わせてみてください」
(意味:深く考える、思い巡らす)
○「慮る」を用いた例文 「相手の事情を慮る」 「侵入社員を慮って、彼はいつも声をかけたり食事に誘ったりしている」
(意味:あることを考えに入れて気にかけること)
○「顧慮する」を用いた例文 「忙しすぎるせいか、彼女は周りを顧慮する余裕がなくなっていた」 「これでも上司の立場を顧慮している」
(意味:あれこれと照らし合わせて取捨する、相手の事情や心情をよくくみとること)
○「斟酌する」を用いた例文 「身内に不幸のあった彼女を斟酌して裏方の仕事に回ってもらった」 「家庭の事情と未成年であることを斟酌し彼に責任を問わない」
(意味:物事を考えたり判断する際に、可能性や選択などの要素を増やす)
○「視野に入れる」を用いた例文 「次の事業のことも視野に入れて考える」 「新しいサービスは海外も視野に入れています」
「__を鑑みて」は英語で、
などと表現することができます。 例文です。
Considering the previous project, there's still room for improvement.
前回のプロジェクトを鑑みると、まだ改善の余地はある。
When we took every aspect into account, we decided not to make an official announcement at this moment.
あらゆる面を鑑みて、この時点では公表しないことに決定した。
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「鑑みる」について理解できたでしょうか? ✔読み方は「かんがみる」 ✔意味は「手本・先例に照らし合わせる」「参考にして考える」 ✔使い方は「〜に鑑みる」 ビジネスシーンでもよく使われています。 しっかりと覚えておきたい言葉のひとつです。