「情緒」という言葉は「情緒不安定」といった言葉などで聞いたことがあるかと思いますが、「情緒的」という言葉の意味をご存知でしょうか。今回は、「情緒的」という言葉の意味や使い方を例文付きでまとめます!また、「情緒的」と似た言葉との違いや類語表現なんかも紹介しますので参考にしてください。
「情緒的」は、本来「じょうしょてき」と読むのが正しい読み方となります。 しかし、「情緒」は「じょうちょ」と読むこともできます。 例えば「情緒不安定」なんかは「じょうちょふあんてい」と読みますよね。 上述している通り元々は「じょうしょ」だったのですが、「じょうちょ」と読み間違えられる事が多くあったため次第に「じょうちょ」が慣用句として扱われるようになりました。 このように、正しい読み方から、違う読み方が慣用句になってしまった言葉って結構あって、例えば「重複」は「じゅうふく」と読まれていますが、本来の読み方は「ちょうふく」です。 読み方は変わっても意味は変わりません!
「情緒的」とは、「情緒」という言葉に「的」がついている言葉です。 「情緒」という言葉には
という意味があります。 「情緒的」の意味は「折にふれて喜怒哀楽の感情を起こさせる」です。 理性的でななく、感情的に捉えるような物や出来事を指す言葉です。 ポジティブな意味でもネガティブな意味でも使用されるので、注意が必要です。 例えば、「情緒的な景色」ならば「思わず言葉を失ってしまうぐらい美しい景色」というように、しみじみと深く感じ、人の心を動かすというようなニュアンスになります。 一方「情緒的な判断」ならば、「一時的な感情で軽率に判断をしてしまった」というようなネガティブなニュアンスになります。
「情緒不安定」の意味は「心や感情が不安定で安定しないこと」 この場合の「情緒」は「喜怒哀楽などの感情で一時的なものである」という意味で使用されています。 「情緒不安定」は、”一時的な感情が急に生じることが不安定”という状態で「感情の起伏が激しい」と考えられます。 例えば、笑っていたかと思えば急に泣き出したり、怒りだしたりといった、感情を上手くコントロールできないような状態を「情緒不安定」といいます。
「情緒纏綿」は、「じょうちょてんめん」と読みます。 少し難しい言葉ですが「纏綿(てんめん)」とは、「まといついて離れにくいこと・からみつくこと」という意味がある言葉です。 したがって、「情緒纏綿」の意味は「感情が深く、いつまでも心から離れないこ」となります。 「いつまでも忘れられない綺麗な景色」というように、「美しい」とか「趣がある」といったようなポジティブな意味合いで使用される言葉です。
「情緒的」という言葉は、
などが最も一般的な使い方で、ポジティブな意味合いで使用されます。 基本的に、「情緒的な〜…」「〜は情緒的だ」といったように、対象となる物事と一緒に使用されます。
例文
「情緒的な交流」「情緒的な繋がり」は経済的実益を超えた関わりを指します。 営業をして契約をしてもらった会社などで、ずっと契約を更新し続けてきてくれる会社に対しては、経済的実益を越えた関わりをもつことが多いのではないでしょうか。 例えそこに物の取引や計画がなくても相手を気遣った良好な関係を築ことができるということです。 ただのビジネスとしてのお付き合いでは、なかな良好な関係を築くことができないのです。。 利益ばかりを考えた業務的な物ではなく、しっかりとした人間関係を築くような付き合い方を「情緒的な交流」「情緒的な繋がり」といいます。
例文
「情緒的」という言葉は、ポジティブな意味合いでもネガティブな意味合いでも使用されるということを上述しましたが、
といった使い方をする場合、ネガティブな意味合いになります。 この場合の「情緒的な」は「一時的な感情で」といったニュアンスになりますので、その時の一時的な感情であって実際の本心とは違っているというようなこともあります。 例えば、怒っているときにガーッと心にもないことを言ってしまうことってありますよね。 そのようなその時の一時的な感情を「非論理的」という意味で「情緒的な〜」と表現することができます。 しかし、「情緒的表現」はポジティブとネガティブのどちらの意味でも使われるので注意が必要です。 ネガティブな意味だと「一時的な感情での表現」になりますが、ポジティブな意味だと「心を動かされるような表現」といった意味合いになります。 どちらの意味合いで使用されているのかは、前後の文章で判断をしましょう。
例文
「感情的」と「情緒的」は似た言葉ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。 「感情的な人」は、カーっとなってついつい怒鳴ってしまうといったように、だいたい理性は関係なく「すぐに感情をコントロールできなくなってしまう人」といった意味合いで使用されます。 一方、「情緒的な人」は「喜怒哀楽がはっきりしてる人」を指す言葉で、怒ったから感情が爆発するといったようなことではありません。
例文
「感情的」と「情緒的」という言葉が似ているということを上述しましたが、ニュアンスの違いの他にも使い方の違いもあります。 「感情的」という言葉は、「感情的になる」という形で使用することができますが、「情緒的」は、「情緒的になる」という言い回しで使用されることはありません。 「情緒的」は、「感情的」と違って一時的な感情でなるものではないので、「情緒的になる」とは言わないのです。 「情緒的になる」という表現を見かけた場合は、恐らく「感情的になる」の間違いでしょう。
「情緒的サポート」は、「ソーシャル・サポート」の中に含まれているサポートの一つです。 「ソーシャルサポート」とは、社会的支援のことで悩みを聞いてくれたり、生活手助けをすることを言います。 主に、一人では抱えきれない大きな悩みや、孤独、苦痛、苛立ちなどを和らげたりストレス緩和するための手助けをしてあげることです。 社会的支援には、
など、経済面だけではなく精神的に豊かなるようサポーをすることを「ソーシャル・サポート」といい、「情緒的サポート」とは大まかに言うと、「心のケア」をしてあげることです。
コミットメントとは、「かかわりあい」を意味する言葉です。 つまり、「情緒的コミットメント」は、「関わり続けていたいという気持ち」からの関与という意味です。 例えば所属している組織の経営理念や、価値観などが自分にぴったりとあっていて、その組織に愛着をもっている「ずっとここに所属していたい」と感じているという前向きな気持ちが、「情緒的コミットメント」です。
『ブランドの神様』とも呼ばれるアメリカの経営学者デビッド・アーカー氏は、価値には「機能的価値」「情緒的価値」「自己表現価値」の3つがあるとしています。 「情緒的価値」とは「商品・サービスを所有したり、体験することで得られるポジティブな感情」のことです。 「その人のことが好きである」や「憧れる」「かっこいい」といった感情・情緒面に訴える価値を表します。 例えば、 ファッショナブルで洗練された時計と、どことなくダサい時計があったとします。 前者は後者と違い、パッと見たときに「この時計、かっこいい」と感情面に訴えることができて、一瞬で好きになってもらえたりもします。 このように、「情緒的価値」は人に与える影響力が大きいです。 人が何かに憧れを持つときは機能面ではなく、そのものを持つことで覚える誇りやそのものを使用することで感じるワクワク感を必要としています。 この”情緒価値”が提供できない企業は、ブランドとして成功することが困難であると言えます。
「情緒的虐待」は、「子供と情緒的関わりを持たない虐待」のことです。 「ネグレクト」と言われたほうがピン!とくる人が多いのではないでしょうか。 「ネグレクト」は非常に耳にする言葉ですよね。 「情緒的虐待(ネグレクト)」とは、子供を無視したり食事を与えないといった心理的虐待です。 「育児放棄」とも言います。 子供に対して愛情をまったく注ぐことのない虐待が「情緒的虐待」です。 情緒的虐待をうけてきた子供は、極端な愛情不足による反動で異常なほどに人に執着してしまったり、自律神経が乱れてしまったりといった障害が出てきてしまいます…。
「叙情的」は、「じょじょうてき」と読みます。 「叙情的」の意味は、「自分の感情をありのままに表すこと」です。 「情緒的な文章」とすると、「書いた人の気持ちがよく伝わる文章」ということになります。 「情緒」は、何かを聞いたり、見たりしたときの沸き起こる感情に対して使用されますが、「叙情」は、色々な感情を述べたり表現するときに使用する言葉です。
例文
「心理」の意味は、
となります。 「心理」は「心の働き」を表します。 「情緒」「折にふれて起こる様々の感情、急激で一時的な感情」を表します。 「心理」と「情緒」はどことなく似ていますが、意味は異なるので間違えないようにしましょう。
例文
「精神的」の意味は、「精神に関わる様子」です。 つまり、「心」という意味です。 「肉体的披露」は、立ち仕事で足が痛いとか重いものを持って身体が筋肉痛というような身体に出ている状況を指します。 「精神的に疲れた」となると、「気疲れをした」というように気持ちって疲労感を感じているということになります。 「情緒的」とは違って、「心」という意味合いが強いです。
例文
「感情的」とは、怒ったり泣いたりといったように理性を失って感情をむき出しにしているような様子を指す言葉です。 例えば、ちょっとイラっとしたことがあって怒りのままに暴言を吐いてしまったり、悲しいという感情を抑えられずに泣き出したり…というように、感情をコントロールできないような場合に「感情的になっている」というように言い表します。
例文
「感傷的」の意味は「悲哀を感じやすく涙もろい様子」です。 例えば、悲しいストーリーの映画を見て感情移入して涙もろくなってポロポロ泣いてしまう…というような状態を「感傷的」といいます。 月を見て涙が溢れてしまうなんていうように、物事だけではなく情景に心を動かされやすい弱々しい感情に走りやすいセンチメンタルな状態についても「感傷的」と言い表せます。
例文
「風情」の意味は、
です。 「風情がある」とは、自然と醸し出されている儚げで良い雰囲気・風景から感じられる上品で美しい雰囲気があるという意味になります。
例文
「趣」の意味は、
です。 「趣」とは、そのものを感じさせるしみじみとした味わい・落ち着いていて独特な雰囲気という意味です。 何か心惹かれる特徴だったり、自然と醸し出されている雰囲気があるものを「趣がある」と言い表すことができます。
例文
「エモい」には
などといった意味があります。 実際に「これ!」といった明確な意味があるわけではありません。 むしろ言葉にならないけど感情が高まることに対して「エモい」と表現しています。 例えば、学生時代のちょっとした恋愛での失敗など、自分の黒歴史を思い出してなんとも言えない感情になるときなどに「うわ…エモいわ…」と言ったりします。
例文
「情思」の意味は
です。 特に、恋愛感情を抱いている相手に対して感じる「恋しい」という感情を「情思」といいます。
例文
「非論理的」の意味は、
です。 「論理的」という言葉に「非」という打ち消しの言葉をつけた言葉です。 例えば、「感情的に判断する」というのは「自分の感情」であって、倫理的に説明できるものではないので「非倫理的である」と言えるでしょう。 何の根拠もない・筋道の通っていないことを「非倫理的」に当てはまります。
例文
「論理的」の意味は、
です。 「論理」とは「議論・検討・推理などをする上での、適切な手順や手段」を意味します。 「論理的」とすると、分かっている事柄から物事を正しく割り出したり、結論を出すことを表します。
例文
「理論」の意味は「個々の事実や現象などをまとめて説明するために、筋道立てて作り上げた知識の体系」です。 ある物事に何らかの法則や説を当てはめた際に成る、筋道立ったまとまりを表します。 例えば、オリンピックに出場するには予選会を突破しなけれないけないというような、筋道です。 「理論的」は、「個々の現象や事実を一つにまとめて説明するために、筋道を立てること」です。 確実な事実に基づいて物事の過程や成果を予想して考えることを表していて、理論や説を元にしているものを「理論的」といいます。
例文
「合理的」の意味は「風習や迷信にとらわれずに、道理に合っていること」です。 また、目的にかなっていて余計なものがないという意味もあります。「合理的な対応」「合理的な方法」といったように使います。 古くからの習わしに影響されないで、理屈に合っていることが「合理的」です。
例文
「現実的」の意味は、「考え方などが現実に即していること」です。 例えば、「〜をしたい」と思ったときに、本当に実現できるように、できることを見つけたり実際に行動に移すことを「現実的」と表現することができます。 「100億円宝くじで当てて大金持ちになる」みたいなことは運でしかないし、「絶対に実現できる」と言えないような実際はできもしないようなことを反対に「非現実的」と言います。
例文
「理屈っぽい」は、「正論をのべて物事を判断すること」です。 例えば、「空を飛ぶことが私の夢です」と言った人に対して、「無理だよ」言うだけではなく、どうして無理なのかを事細かに説明して「〜だから、それは絶対に無理」というように必要以上に理屈を並べたがる人を「理屈っぽい」と言います ある程度知識があって、賢い人が理屈っぽくなりやすいです。
例文
「感情」という意味の「情緒的」の英語は、
です。 それぞれの形容詞形は、「emotional」「sentimental」となります。 「emotional」は「感情的」という言葉に近く、「sentimental」は「感傷的」という言葉に近いです。
She is always emotionally unstable.
彼女はいつも情緒不安定だ。
The CEO has made an emotional decision on that issue.
その問題に対して、社長は情緒的な意思決定をした。
This is a very cheap cup, but it has sentimental value for me.
これはとても安いカップなんだけど、私にとっては情緒的な価値があるんです。
単に「雰囲気」という意味で「情緒」を使う場合の英語表現は「atmosphere」となります。
Yokohama is a port town with a great deal of atmosphere.
横浜は情緒豊かな港町だ。
いかかがでしたか? 「情緒的」について理解していただけたでしょうか。 ✓「情緒的」の正しい読み方は「じょうしょてき」 ✓「情緒的」の意味は「折にふれて喜怒哀楽の感情を起こさせる」 ✓「情緒不安定」「情緒纏綿」といった言葉にも使用される ✓「情緒的雰囲気、情緒的な作品」は最も一般的な使い方 など