敬語「お尋ね」を正しく使えていますか?「お尋ね」は同じ読みで漢字と意味が異なる「お訊ね」「お訪ね」などがあり、使い分けが必要です。また「お尋ね」の類語「お伺い」とも使い方に違いがあります。今回は「お尋ね」の意味とビジネスメールでの使い方を徹底解説していきます!
「お尋ね」は「おたずね」と読みます。 「尋ねる(たずねる)」が動詞の原型です。
「尋ねる」の基本義は「探し求める」で、そこから派生して複数の意味で使うことができます。 ①手がかりをつかんで先に行ったものを追いかけて探す ②所在が不明なものを探し求める ③手がかりをたどって物事の起源や道理を探し求める ④訪問する ⑤質問する 「母を尋ねて旅をする(①または②の意味)」「英語の起源を尋ねる(③の意味)」などと使います。 「お尋ね」の形でビジネスメールで使われる場合は「質問する」の意味がほとんどです。
「お尋ね」には、敬語の接頭語「お」が付いています。 接頭語「お」は使い方によって、尊敬語(目上の人の行為をうやまう)・謙譲語(目上の人に対する自分の行為をへりくだる)・丁寧語(話し相手に敬意を示す)の3つのどれにでもなりえます。 「お尋ね」も尋ねるのが誰かによって、尊敬語にも謙譲語にもなります。 自分が目上の人に尋ねる場合は謙譲語です。目上の人が尋ねる場合は尊敬語です。
ビジネスシーンで「お尋ねする」と使った場合は「質問する、聞く」という意味になります。 目上の人が「お尋ねする」場合は、尊敬語です。 自分が目上の人に「お尋ねする」場合は、謙譲語となります。 丁寧語「ます」を付けて「お尋ねします」、謙譲語「いたす」を付けて「お尋ねいたします」などの形で使うこともあります。 職場での口語では「お尋ねしたいのですが」などと言うこともあります。
例文 [尊敬語]
[謙譲語]
「お尋ね」は「お尋ねください」という形でもよく使われます。 「聞いてください」「質問してください」という意味です。 「お尋ねくださいませ」とすると柔らかい印象になり、店頭などで口語で使われます。 「お尋ねくださいますようよろしくお願いいたします」などとするとより丁寧な言い回しになります。 「お尋ねください」において尋ねるのは相手なので「お尋ね」は尊敬語にあたります。
例文
「お尋ねさせていただきます」「お尋ねさせていただきたいのですが」などの表現を見聞きしたことがある人が多いと思いますが、厳密には誤った表現なので避けた方がいいでしょう。 「いただく」は「もらう」の謙譲語ですので、「お尋ねさせていただきます」は「尋ねてさせてもらいます」という意味になります。 「させていただく」を使うには、①相手の許可、②そのことを行った場合にこちら側に恩恵がある、の2つの条件を満たす必要があります。 「質問させていただきます」と言う場合、相手の許可を得る前にすでに質問していますから、厳密には許可を取っておらず、不適切な表現となります。 実際にはただ自分をへりくだるニュアンスで使っている人がほとんどですから、不自然な印象を相手に与えることありませんが、間違った日本語ですので、「お尋ねいたします」「お尋ねします」で代用するのが賢明です。
「お尋ね」は「税務署から個人に対して行われる確定申告の問い合わせ」を指すこともあります。 この「お」は尊敬語です。 国民から税金を徴収する国家の権力に対して、皮肉の意味合いを込めて尊敬語を使い、「お尋ね」と言われています。
「たずねる」という言葉には「尋ねる」「訪ねる」「訊ねる」の3種類があります。 それぞれ意味に違いがありますので、説明していきます。
「お訪ね(おたずね)」は「訪問すること」です。 「お訪ね」には、「お尋ね」のように「探し求める」という意味合いはありません。単に人や会社に訪問することが指します。 「尋ねる」にも「訪問する」という意味がありますが、この意味で「お尋ね」はほとんど使用されません。 また、ビジネスシーンでは「お訪ね」よりも「ご訪問」の方が一般的に広く使われています。
例文
「訊ねる」の意味は「質問する、問い聞く」となります。 「尋ねる」にも「質問する」という意味がありますが、この意味の場合は「訊ねる」と書くのが一般的です。 「道を訊ねる」「安否を訊ねる」などと使い、「お訊ね」という形でビジネスメールで使用することは少ないです。 「訊ねる」は「強い調子で聞き出す」という意味合いで使われることもあります。 その場合は「被告に訊ねる」「警察に訊ねられる」などの文脈で使います。 こちらのニュアンスでも、ビジネスで使われることはあまりありません。
「お伺いする」は「聞く」「訪問する」の謙譲語です。 「お尋ねする」にも「聞く」「訪問する」の意味がありますから、類語にあたります。 「聞く」という意味の「尋ねる」は「強く聞き出す」という意味合いであるのに対して、「伺う」は「耳をかたむける」という意味合いなので、「お伺い」の方が謙虚な語感が強く、ビジネスシーンでは好まれます。 ちなみに「伺う」単体で謙譲語ですので、謙譲語「お」を付けるのは二重敬語にあたります。 しかし「お伺い」の形で慣習的に広く使われているので、許容でしょう。
例文
「聞く、質問する」の尊敬語には「お聞きになる」「おっしゃる」などがあります。
例文
上記ですでに解説しましたが、「聞く、質問する」の謙譲語は「お伺い」になります。
「お尋ねください」の類語、つまり「聞いてください」の尊敬表現は
などがあります。
「探し求める」の英語は「search for」です。
の形で使います。
I was searching for a missing father.
行方不明の父を尋ねる。
「質問する、聞く」の英語は「ask」です。 「耳を傾ける」という意味の「聞く」は「listen」です。 「hear」は「(意識しなくても)聞こえる」という意味で、ニュアンスが異なるので注意しましょう。
May I ask a question?
お尋ねしたいことがあるのですが。
May I ask a question?
お尋ねしたいことがあるのですが。
「訪問する」の英語は「visit」を使います。
I am going to visit your company at 10 AM tomorrow.
明日午前10時に貴社にお訪ねさせていただきます。
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