「相関図(そうかんず)」とは「複数項目の関係性を示す図」を意味します。ビジネスシーンでの組織・事業や、ドラマ・映画の登場人物の関係性をまとめる時などに使われます。本記事では「相関図」の作り方や簡単に作れるサービスなども紹介します!
「相関図」は「そうかんず」と読みます。 「相関」は相撲の番付表では「あいぜき」と読みますが、「相関図」を「あいぜきず」と読むのは誤りです。
「相関図」の意味は「複数の物事の関係性を表す図」です。 日常生活やビジネスなどあらゆるシーンで使われる図です。 「相関」の意味は「お互いに関係し合うこと、影響し合うこと」です。 図にまとめることによって、物事の関係性を簡単にそしてクリアに説明することができます。
「相関図」は数学でも使われます。 数学の「相関図」では、2つの変数の相関関係を表します。 量の性質を持つ2つの変数を、平面上に垂直に交わる直線X軸Y軸に座標とする点を打って点の散らばり具合で変数の相関関係を表す図です。 なお数学における「相関図」は「散布図」「点図表」ということもあります。 ちなみに「相関観測」という言葉は地学や天文学でも使います。
「相関関係」と似た言葉に「因果関係」があります。 「相関関係」は「二つの物事が深く関わり合う関係性」という意味です。 一方が変化すればもう一方も変化するという関係性を示します。 「因果関係」は「原因とそれによって生じる結果の関係性」という意味があります。 一方が原因でもう一方が結果となる関係性です。
「相関図」は英語で「correlation diagram」といいます。 「correlation」の意味は「相関関係」です。 「diagram」の意味は「図、グラフ」です。 「correlation chart」と表現することもできます。 「chart」にも「図、グラフ」という意味があります。 「diagram」と「chart」の違いは
です。
「登場人物相関図」は、ドラマや映画、アニメに登場する人物たちの関係性を表す図です。 「関係図」や「人物相関図」ともいいます。 「登場人物相関図」では登場人物の家族関係や職場での関係性などを表します。 また人間関係だけでなく、人物の想い(恋愛感情など)や力関係なども表すこともあります。
「相関関係説明図」は故人とその親族の情報や関係性などをまとめた相関図のことです。 親族が亡くなった際に作成し法務局に提出することで、戸籍の原本が返却されます。 また遺産相続がある場合に「相関関係説明図」があれば、相続人数や関係性を素早く把握しスムーズな相続分配が可能になります。 「相関関係説明図」には亡くなった人とその家族の名前や生年月日、続柄、住所、そして遺産相続の種類(相続、遺産分割、相続破棄など)等を記入します。 「相関関係説明図」は個人での作成も可ですが、弁護士に依頼して作成してもらうことも可能です。 「相関関係説明図」と似たものに「法定相続情報一覧図」があります。 これらの違いは、法務局の認証の有無です。 「法定相続情報一覧図」は法務局の認証を受けているため、信用できる書類としてみなされます。そのため、相続関係の証明で必要となる大量の書類や手続きなどを省くことができます。 一方で「相関関係説明図」に関しては総務局の認証を受けていないため、相続手続きの際「相関関係説明図」以外の書類を多数揃える必要があります。
「マインドマップ」とは頭の中で考えている事を紙に描き出し、思考の整理や発想をしやすくするために使われます。 主に新しいアイディアの考案や問題解決の際に使われます。 マインドマップの描き方は、用紙の中心にテーマとなるキーワードを描き、思いついたキーワードなどを線で結びながら放射状に結んでいきます。 マインドマップの提唱者であるトニー・ブザンさんは12のルールを設けています。
などのルールが含まれています。
「組織図」とは、部署ごとの位置づけを視覚化させ組織全体を把握するために用いられれる相関図です。 主に会社説明で使われます。 一企業にどのような部門があるのか、またその部門は会社のどの位置づけにあるのかなどを図としてまとめたものです。
「事業相関図」とは、企業の各部署の繋がりや取引先との関係性などをまとめた図です。 主に会社概要説明で使われます。 社内の各部署がどのような仕事をしているのか、また異なる部署がどのような関係性を持っているのかをまとめます。 例えば、企画・開発部が作った商品を販売する部署は営業で、「企画開発⇔営業」と図にまとめることで関係性がひと目でわかります。 また、社内の情報だけでなく、社外にはどのような取引先や関係者がいるかも「事業相関図」では表すことができます。 これらを把握することで、会社の全体像を掴むことができます。
「業界地図」を簡単にご説明すると、「企業図鑑」です。 主に業界や企業の研究で就活生などに使われる相関図です。 主要企業が業界ごとにマッピングされており、
などがわかりやすく解説されています。 「業界地図」に似たものに「四季報」があります。 「四季報」とは、東洋経済新報社や日経経済新聞社などが年4回発行している本で、各企業の情報や株式に関するデータ、業績予想などが掲載されています。
「相関図」の良さは、複雑な情報を図形を用いてわかりやすく相手に伝えることができる点です。 ここでは、上手な相関図の書き方のコツをご紹介します。
上記でご紹介した「相関関係説明図」など正式な手続き等で使う書類に関してはルールがありますが、それ以外の一般用途やビジネス用途で使う「相関図」に決まったルールはありません。 複雑な情報をいかに見やすくまとめられるかが大切になります。 文字のサイズや修飾などを活用し作成しましょう。
相関図の作成にあたりまず行うべきことがアイディア出しです。 何の情報を何の目的で相関図としてまとめたいのかをじっくりと考えましょう。 下準備なしで相関図を作成すると、情報が重複したり抜け漏れする可能性があります。 相関図作成時は時間に余裕をもって準備を進めましょう。
アイディア出しが終わったら、次は相関図に必要となる情報を集めます。 例えば「社内ネットーワーク図」を作成する場合は、 各社員の
などが必要となりますので、該当者に情報提供を依頼します。 個人情報の取り扱いには十分注意しましょう。
相関図は手書きでも作成することができますが、アプリやソフトウェアなどのツールを使って作成することをおすすめします。 ツールを使った相関図は手書きよりも見やすくかつ短時間で作成することができます。 相関図を作成する際におすすめのツールは次でご紹介します。
ここでは「相関図」の作成におすすめのアプリやソフトなどをご紹介します。
最近はスマートフォンのアプリで簡単に相関図が作成できます。 例えば
などは、スマホやタブレットで使える無料アプリです。 使える機能はアプリによって異なりますが、シンプルな相関図を作成するには十分な機能が備わっています。
プレゼン資料などを作成するパワーポイントやKeynote、Googleスライドを使って相関図を作成することが可能です。 これらのツールは無料で使え、内容をわかりやすくかつ見やすくまとめることができます。 ツール内にある図形やテキスト入力、装飾などを活用しましょう。
表計算ソフトのエクセルやスプレッドシートを使って相関図を作成することも可能です。 主な使い方は上記でご紹介したパワーポイントやKeynote等と同じように、
です。 フォントの種類や文字の大きさ、図形の形・色などを活用することでわかりやすくまとめることができます。
「Lucidchart」は業務に使える様々な図形を作成できるサービスです。 GoogleやAmazon、マイクロソフトなどの複数の大手企業も採用しているサービスです。 様々な図形のテンプレートも充実しているため、初心者でも安心して相関図を作成することが可能です。 基本的な機能は無料で使用することができ、有料プランも用意されています。
「相関図作成ツール」は登録不要、無料で使えるウェブ上のサービスです。 簡単な操作のみで相関図を作成することができます。 上記でご紹介した「Lucidchart」よりも機能はシンプルです。
ここでは、「相関図」以外でビジネスでよく使うグラフやチャートなどをご紹介します。
円グラフは丸い図形を扇形に分割し、その面積によって構成比率を表したグラフです。 「扇形グラフ」や「パイグラフ」ともいいます。 主に統計図表としてビジネスシーンで使用されています。 例えばアンケートの「はい」と「いいえ」の回答率を円グラフで表すことができます。 「はい」と答えた人が全体の60%、「いいえ」と答えた人が全体40%な場合、「はい」の60%の扇形の面積が大きくなります。 円グラフは上記でご紹介したエクセルやパワーポイントなどのツールを使うと比較的簡単に作成ができます。
ビジネスシーンでは棒グラフも多く使用されます。 棒グラフは、棒線の長さにより数量の大小を表したグラフです。 棒グラフでは異なるカテゴリーの数量を比較したり、時系列の変化を示したり、全体に占める割合を比較したりすることができます。
ロジックツリーは問題解決ツールです。 問題を構成要素ごとにツリー状に分解し、論理的に原因や問題の解決策を探します。 「樹形図」と呼ぶこともあります。 ロジックツリーを用いることで、問題の全体像を把握し論点のズレをなくしたり、問題を深堀りし原因や解決策を導き出すことが可能です。
「フローチャート」は物事の流れや手順などを図式化したものです。 「フロー」は英語の「flow(流れ)」に由来します。 フローチャートなどは仕事のマニュアルなどで使用されます。 例えば業務内容を視覚化する「業務フロー」がなどあります。
「マトリックス図」とは、行と列に項目を配置しその交点に書き込みをしていく図です。 複数の項目を網羅的に比較したり、複数の課題や解決策課題に対し、優先順位付けを行ったりする際に使用します。 ビジネスでよく使われるマトリックス図の一つが「緊急度×重要度マトリックス」です。 個人や会社の業務内容を緊急度の高さ(高い・低い)と重要度の高さ(ある・ない)の4つの領域に振り分けます。 そうすることで業務の全体像把握や優先順位付けをすることができます。
いかがでしたか? 「相関図」について理解できましたでしょうか。 「相関図」は「そうかんず」と読み、「あいせきず」と読むのは誤りです。 「相関図」の意味は「複数項目の関係性を示す図」になります。 「相関図」は英語で「correction diagram」などと表現することができます。 相関図は日常生活でもビジネスでもよく使われる図形です。 手書きでも作成可能ですがアプリやソフトウェアなどのツールを使うことでわかりやすい相関図を作成することができます。