「傍若無人」とは「周囲の人のことを考えずに、勝手気ままに振る舞うこと」を意味し、人の性格や態度を非難する時に使います。「ぼうじゃくぶじん」と読み、「無人」を「むじん」と読むのは誤りです。漢文訓読すると「傍(かたわら)に人無きが若(ごと)し」で「そばに人がいないみたいだ」を意味し「人を人とも思わないほど自己中心的であること」を表す四字熟語です。
「傍若無人」の読み方は「ぼうじゃくぶじん」です。 「無人」を「むじん」と読まないように注意してください。 意味は「人目をはばからず勝手気ままにふるまうこと」です。 他人の存在を無視して、自分の思うままに言動する人のことを指します。 「傍若無人」の漢字は「旁若無人」と書くこともできます。
「傍若無人」の書き下し文(訓読み)は「傍(かたわら)に人無きが若し(ごとし)」です。 「すぐ近くに人がいないようだ」となり「人のことを一切気にかけないで、自分勝手に振る舞う様子」を表しています。 「傍若無人」は故事成語であり、中国の『史記』の列伝のひとつ「刺客列伝・荊軻」に記載されています。 その漢文がそのまま四字熟語となりました。 漢文の原文は 「荊軻嗜酒、日與狗屠及高漸離飲於燕市。 酒甜以往、高漸離撃筑、荊軻和而歌於市中、相樂也。 已而相泣、旁若無人者。」 となっています。 これを現代語訳すると 「荊軻(けいか)は酒を飲むのを好み、毎日のように犬殺しをする業者や高漸離(こうぜんり)と燕の市で飲んでいた。 宴もたけなわになると高漸離は筑を打ち鳴らし、荊軻がそれに合わせて歌い歩き楽しんでいた。 そうかと思えばお互い泣き出し、かたわらに人がいないような有り様だった。」 となります。
「傍若無人」は人の言動や態度を指して使います。 周りのことを一切考えずに自分勝手に行動をしたり、人を見下した態度をする人っていますよね。 とても傲慢で無礼で、周りにいる人は嫌な気持ちになることもあります。 そういう人を「傍若無人」と言います。 周りに人がいたらそんな言動や態度出来ないよね!?と思うようなことをしてしまう人です。 主な言い回しは
となります。
例文
「傍若無人」の類語には
などがあります。 「傲岸不遜」の読み方は「ごうがんふそん」です。意味は「人を見下し思いあがっている様子」です。 「おごりたかぶって人を見下すさま」「思いあがって謙虚さのないさま」を表します。 「厚顔無恥」の読み方は「こうがんむち」です。意味は「厚かましくて、恥を恥とも思わないこと」です。 周りに迷惑をかける行動をしても一切恥じたり申し訳なさそうにしたりする姿勢がない時に使います。 「鉄面皮」の読み方は「てつめんぴ」です。意味は「恥知らずで厚かましいこと」です。 面の皮がまるで鉄で出来ているように、恥知らずである様子を指します。
「傍若無人」の対義語には、
などがあります。 「遠慮会釈」は「えんりょえしゃく」と読みます。 意味は「つつましく控えめにして、他人のことを思いやること」です。 「平身低頭」は「へいしんてんとう」と読みます。 意味は「ひれ伏して頭を下げ、恐れ入ること」です。 「温厚篤実」は「おんこうとくじつ」と読みます。 意味は「温かで情が厚く、誠実なさま」です。 「自己韜晦」は「じことうかい」と読みます。 意味は「自分の才能や本心を隠して、自慢しないこと」です。
「傍若無人」の英語には、
などがあります。
いかがだったでしょうか? 「傍若無人」について理解出来たでしょうか? 「傍若無人」は「ぼうじゃくぶじん」と読み、「人目をはばからず勝手気ままにふるまうこと」を意味する四字熟語です。 「傍若無人な態度」「傍若無人な話し方」などと使います。 「傍(かたわら)に人無きが若(ごと)し」と訓読します。 「傍」は「そば。近く」を意味し、「近くに人がいないかように、振る舞いがワガママだ」という人の性格を批判する時に使います。