藤井四段が発言して話題になった「僥倖」という言葉、みなさんはご存知ですか?漢字からなんとなく「幸せ」の意味があることは分かると思いますが、しっかりと正しい意味と使い方を理解しましょう!
○読み方 <ぎょうこう> 同じ読みの言葉で「行幸」とありますがこれは全く違った意味となります。 「幸」という字が入っているので似たような意味なのかな、と思う人もいるかもしれませんが 「行幸」は「天皇が外出すること」という意味になります。 ○意味 1.「思いがけない幸い、偶然に得る幸運」 2.「幸運を願い待つこと」 生活していて得る幸せではなく、よほどのことが無い限り手に入らないような幸せのことを指します。 また、幸運を願い待つことから分かるように、願わなければ訪れないような幸せであると解釈できます。
「僥倖」の由来について説明します。 「僥」の語源は「願うこと、望むこと」です。 「僥」の字は「人」と「堯」という字から成っています。 「堯」の意味は「気高い」となり、徳の高いことを指し示します。 また、土が3つ並んでいることは高く土が盛られている様子や土器が積み重ねっている様子を表しています。 そこに「人」が足され、高く盛った土を担ぐ背の高い人物や崇高な巨人などを指すことから「気高い」や「偉大」などといった意味を持つようになりました。 「倖」の語源は「幸い、願い望む」です。 「倖」という字は「人」と「幸」という字から成っています。 元々「幸」という字は、「罪人の手にはめる手械(てかせ)」を表す漢字でした。 罪人が捕まることが「幸い」であるために、そういった意味になりました。 こうして「僥」「倖」が合わさり「気高き幸せ」という意味であることから「なかなか手に入らない幸せ」「思うままには訪れない幸せ=思いがけない幸せ」となりました。
上でも説明したとおり、まず「突然、幸せが舞い込んできたとき」や、「思いがけずに喜ばしいことがあったとき」に使います。 藤井四段も20連勝目のインタビューで「僥倖」という言葉を使いました。 これは自分の実力では難しいとされていた勝利を得たことから、思いがけない喜びであったことを「僥倖」と表しました。 また一獲千金した場合などにも使えます。 宝くじが当たったり、持っていた物が思っていたより価値があったときは「僥倖だ!」と言えます。 大人気漫画「賭博黙示録カイジ」の主人公・カイジも、努力したわけではなく思いもよらずにお金を手にできた時に使っています。 このように、本来得るはずもない喜びことなども「僥倖」と表すことができます。 そして「幸せを願い望むこと」といった意味では、あとは幸運を願うほかできない時など、「何かを達成し叶えたいことがあるが自分自身ではこれ以上何も出来ず、あとは祈るのみ」といった時に使います。 またそれがとても深刻な状況であることが伺えます。 ただ幸せを願っているだけであったり、ラッキーであっただけであれば「たなぼた」などの言葉も使用できますが、とても軽い感じがしますよね。 それに対して「僥倖」という言葉は印象も重く畏まった印象があるので、ビジネスシーンなどでも使うことができます。 通るはずのなった企画が通った時など、「たなぼたでしたね!」というより「僥倖でしたね!」と言う方が、社会人として上品であり知的な印象を与えます。
○利運<りうん> (意味:よいめぐり合わせ、幸運) ○幸運<こううん> (意味:運がよいこと、めぐり合わせが良いさま) ○奇利<きり> (意味:思いがけない利益) ●似た意味を持つことわざ ○棚から牡丹餅<たなからぼたもち> (意味:思いがけない幸運を得ること、労せずして良いものを得るたとえ) 略して「たなぼた」と言われる ○鰯網で鯨捕る<いわしあみでくじらとる> ことわざ(意味:予想せず大きな獲物や収穫を得ること) 鰯漁の網に鯨がかかることを表し、偶然の幸運や意外な収穫があったこと。また、鰯網で鯨が捕れるはずがないことから、あり得ないことのたとえ。
○奇禍<きか> (意味:思いがけずに降りかかる災いのこと)
○災難<さいなん> (意味:不意に身に降りかかってくる不幸事、わざわい)
○不運<ふうん> (意味:運の悪いこと、予期していない災難) 「不運にも怪我で試合に出られなかった」
「僥倖」つまり「偶然の幸せ」とピッタリ意味が同じ英単語はありません。 「幸運」というニュアンスであれば、
などと表現可能です。 「僥倖にも」は「by chance」が一番近いです。 「偶然に楽しいものを見つける」という意味の「serendipity / serendipitous」という単語があります。これは「僥倖」と全く同じ意味というわけにはいきませんが、少しニュアンスが近いです。
The project was successful by chance.
あの企画が成功したのは僥倖によるものだった。
I was lucky to have met him again the other day.
先日彼と再会したのは僥倖である。
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「僥倖」について理解できたでしょうか? ✔ぎょうこうと読む ✔思いがけない幸い、偶然に得る幸運のこと ✔棚から牡丹餅と同じような意味合いだがビジネスシーンでは「僥倖」と使うのが適切 14歳の藤井四段がこんな難しい言葉を知っていたなんて、彼は本当に博識ですね。 こういった難しい言葉を知っているだけで、好印象で信頼できます。 ビジネススキルの一つとして、正しい日本語の意味と使い方を理解していきましょう!