「凡庸(ぼんよう)」と「汎用(はんよう)」は字面と音が似ていますが、漢字も読み方も違います。「凡庸」は、優れたところや取り柄などがなく平凡であることという意味です。物や人に対して使います。「汎用」は、ひとつのものを広くいろいろな方面に用いることという意味です。物や事柄に対して使います。「汎用」を「ぼんよう」と読むのは誤りです。
「凡庸(ぼんよう)」の意味は、平凡で特に優れたところがないことです。 例えば、「凡庸な人物」「凡庸な作品」などと使います。 「汎用(はんよう)」の意味は、ひとつのものを広くいろいろな方面に用いることです。 例えば、「汎用コンピューター」「この製品は汎用性が高い」などと使います。 「凡庸」と「汎用」は、字面が似ていることから混同されることが多い言葉ですが、意味が全く違う言葉です。
「凡庸」は「ぼんよう」と読みます。 「凡庸」の意味は、「平凡で特に優れた所のないこと」「取り柄がないこと」です。 「凡」には、「およそ(一般的)」「並(普通)」という意味があります。 「庸」にも「常。普通。並である」という意味があります。 その2つが組み合わさり「凡庸」となり、「平凡」や「凡人」である様子を表現する言葉になりました。 ただ「人並み」「ごく普通」といった意味ではなく「優れた所がない」「取り柄がない」という、否定的な言葉です。
「凡庸」は物事や人に対して使うことができます。 しかし、否定的な言葉ですので他人に対して使う時は注意しましょう。 言い回しとしては「凡庸な○○(名詞)」「凡庸である」「凡庸なる」「凡庸さ」などがあります。 「凡庸性」という使い方は、よくある誤用です。 正しくは「汎用性」です。 「凡庸性」だと、「平凡な性質」という意味になってしまうので注意しましょう。
「凡庸な毎日から抜け出したいが、仕事が落ち着くまでは出来なさそうだ」 「凡庸な日が続けば嫌になるが、嫌なことがあると凡庸な日々に戻りたくなる」 「彼女と一緒にいると自分がとても凡庸なものに思える」 「20年ぶりの同窓会でも、彼の凡庸さは全く衰えていなかった」 「周りから見れば凡庸な趣味かもしれないが、私にとっては唯一の癒やしの時間だ」 「この商品の凡庸さには正直呆れた」
「汎用」は「はんよう」と読みます。 「ぼんよう」は誤読ですので、注意しましょう。 「汎用」の意味は、「ひとつのものを広くいろいろな方面に用いること」です。 ひとつのものが、さまざまな分野や用途に用いることができることを表します。 「汎」には「ひろい。ひろくゆきわたる」という意味があります。 「用」には「もちいる。つかう。やくだてる」という意味があります。 語源は「風を受けて速く流れる」という意味で、「汎」は「川」と「風」を意味する漢字です。 そのため、「汎用」で「ひろく用いる」といった意味になりました。
「汎用」は主に、物や事についてひとつの用途ではなく幅広く応用が可能なものに対して使います。 例えば「空き缶をペン立てに汎用した」などと使います。 こては、空き缶をペン立てとして応用したという意味になります。 「汎用○○」や、「汎用性」「汎用的」などと言い回しで使われることが多いです。 例えば「この製品は汎用性がある」などと使います。 これは、この製品は様々な用途で使うことができる性質があるという意味です。
「この製品は汎用的に用いることができる」 「iPhoneとは連絡手段から映像編集、音楽再生など汎用性の高いコンピュータだ」 「靴は汎用的に使えるものを選んでいる」 「ハロウィンの時期は汎用品の制服がネット通販ではよく売れている」 「醤油や味噌など調味料は汎用性の高いものが多い」 「わりかしどんな人ともどんな場所でも馴染めるため”汎用ちゃん”と呼ばれている」
「凡庸(ぼんよう)」は、平凡で特に優れた所のないことを意味する言葉です。 「凡庸性」は誤りで、正しくは「汎用性」です。 「汎用(はんよう)」は、広く使えることという意味です。 「汎用性」は、幅広く様々なことに使えることを意味します。