「越える」と「超える」は、どちらも「こえる」と読む同音異義語です。「越える」の意味は、通り過ぎて向こう側へいくことや季節や日時がすぎることです。例えば「出産予定日を越える」などと使います。「超える」の意味は、ある基準・数値を上回ることです。例えば「5万人を超える利用者」などと使います。
場所や物の移動など、距離の移動を伴う場合は「越」を用いて「越える」と表記します。 数量や限度、能力が基準を上回るという場合は「超」を用いて「超える」と表記します。
「越える」 ①障害物を通り過ぎて向こう側へ行く 「峠を越える 山を越える」 ②季節や日時がすぎる 「冬を越す 日付を越える」 ③乗り越える 「苦労を乗り越える」 「越」という漢字には「通りこす」という意味があります。 「越える」は、場所や障害物など物をこえるという場合や、日付や季節などある点をこえる、移るといった場合に「越」という漢字を用いて「越える」と書き表します。 また、通り抜けて先に進むという意味では「この場の壁を乗り越える」というような場合の「越える」にも「越」という漢字を使用します。
「超える」 ①ある基準・数値を上回る 「10万人を超す」 ②自分の立場や考え方をこす 「利害を超える」 ③他よりすぐれる 「同年代を超す能力」 「超」という漢字は、「超越」や「超絶」という言葉にも使用されるように、数値が基準の一定数を「上回る」という意味があります。 また、能力や地位などが飛びぬけて良い、段階を飛ばして上にあがるという場合に使用されます。
「越える(こえる)」と「超える(こえる)」は、解釈によってどちらも使える場合があります。 「越える」は、場所や物の移動など距離の移動を伴う場合に使う言葉で、「超える」は、数量や限度、能力が基準を上回るという場合に使う言葉です。どちらか迷う場合や読み手に解釈をゆだねる場合は「こえる」と平仮名で表記することもあります。