ビジネスシーンでは不手際により、どうしてもミスをしてしまうことがありますよね。そんな時、正しくお詫びはできていますか?お詫びをする際にとても大切な「不手際」という言葉の正しい意味と使い方を解説していきます。類似表現や英語表現、お詫びのメールを書く上でのポイントなども細かく解説していきます!
「不手際」は「ふてぎわ」と読みます。 「手際」を「てぎわ」と読みます。 主に「手際がいい」など使われています。
「手際」は、ものごとを行う腕前や技量のことを指します。 また物事の出来栄え、物事の処理する仕方という意味もあります。 これに否定を表す「不」がつくので、「不手際」は
という意味になります。 つまり「不手際」=ミスをするということです。 仕事でいえば、会社が傾くような問題ではなく、更には人の命に関わるような重大な問題でもありません。 従って、ミスの程度が比較的軽いものであると言えます。 しかし「不手際」が広がり不祥事に拡大する場合もあるので、発生した際には直ちに謝罪をすることが大切です。 また「不手際」には「行為に携わる人が不向きである」・「習熟度が足りていない」・「技術が未熟であった」といった意味合いもあります。
「不手際」は、自分に非があった場合に使用します。 例えば、仕事上で対処や処理の仕方を間違えたり、判断を間違えた為に失敗に繋がってしまったときなどに使います。 つまり「不手際」はミスを起こしたことに対して、謝罪をするときに使う言葉です。 ここでのミスとは、間違いを犯す・時間に遅れる・不注意など様々になります。 「不手際」は起こったミス全てに当てはまるので、具体的な内容については触れることなく、とりあえずミスをしたときに使える表現です。 実際「不手際」は使うことがない方が良い言葉ですが、ビジネスシーンでは多々使う場面はあります。
「不手際」は、具体的にどのような場面で使うのでしょうか。 「不手際」を使用する場面は以下の通りになります。
◯商品を発送する際に起こりやすい納期の間違いや、発送遅延 ◯商品のサイズ違いや数量違い、商品の取り違えや検品ミス ◯従業員がお客様や取引先に対して取った言動や態度 ◯メールの誤送信 など
「不手際」は自分をへりくだって、相手をあげるようなイメージです。 目上の相手や取引先に対して使うことが多く、明らかに自分より立場が下の人に対しては使用しません。 「不手際」+「お詫び」+「反省」+「今後の心構え」といった構成で使うと、しっかりと謝罪をすることができます。
「不手際」の例文を紹介します。
◯ミスを犯してしまったとき
◯遅延についてのお詫びするとき
◯取引先や顧客を不快な気持ちにさせてしまったとき
「不手際」を起こした際は、それによって迷惑をかけた相手に迅速に謝罪することが最も大切です。 謝罪を伝える手段のひとつとしてメールがありますが、お詫びメールを送る場合は、まず先に口頭で謝罪をしておく必要があります。 なぜならお詫びメールのみでは誠意が感じられず、簡単に済ませようとしていると思われる可能性があるからです。 口頭または電話で謝罪をした後に、改めてメールを送るようにしましょう。
お詫びメールを書く上で重要となるポイントを紹介します。
メールの場合は件名に「〜についてのお詫び」と入れることが良いでしょう。 お詫びはお互いに素早く処理したほうが効率がいいので無駄な言い訳をだらだら書く必要はありません。 本文を読まなくては内容がわからない件名をつけない、もしくは書かなかったりするのは不適切です。 また「〜についてのお詫び」でなくても、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」といった謝罪の文でも良いでしょう。 メールで一番重要なことは「謝罪」をすることです。 理由がどうであれ、「不手際」を起こした事実は消えないので素直に謝りましょう。
謝罪をした後は、自らの非を認めることが必要です。認めなけば反省していないことになります。 さらに何故「不手際」が起きてしまったのか、原因が判明している場合はその旨を伝え、判明していない場合は現在調べているという旨を伝えます。 また相手からしたらお詫び文は、さっさと読み終えてしまいたいので、必要のない内容まで入れる必要はありません。 言い訳がましくならないように、説明と謝罪を混合させないようにしましょう。
反省を述べた後は、今後の対応について記述します。 ミスが生じてしまった原因と反省そして今後の対応を書くことで、同じ過ちやミスを繰り返さないという意思をはっきりと示しましょう。 メールを書いている時点で原因が判明している場合は、再発防止のため策を記述し、判明していない場合は、原因がわかり次第、再発防止策と合わせて後日メールで報告することを記述します。
お詫びメールの例文を紹介します。
件名:商品違いのお詫び ◯◯株式会社 ◯◯様 いつもご利用いただき、誠にありがとうございます。 株式会社山田商事の田中です。 このたび、お届けした商品に間違いがありましたことを、心よりお詫び申し上げます。 ご迷惑をおかけしまして、本当に申し訳ございませんでした。 原因について調べましたところ、配送時に手違いがあったことが判明いたしました。 平素より、商品発送には細心の注意を払っているにもかかわらず今回のような事態を招いてしまい、お恥ずかしい限りです。 改めて、ご注文の品を本日発送いたしました。 御社の皆様の寛大なご配慮に感謝いたしますとともに、これからはこのような不手際のないよう、十分注意いたします。 今後とも、末永いお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
件名:メール誤送信のお詫び ◯◯株式会社 ◯◯様 いつも大変お世話になっております。 株式会社山田商事の田中です。 すでにお気づきかと思いますが、昨晩の件名「歓迎会」のメールは誤って送信してしまったものです。 私の不注意による、メールアドレスの指定ミスが原因です。 ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。 これからはこのような不手際のないよう、十分注意いたします。 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
件名:弊社社員の非礼に対するお詫び ◯◯株式会社 ◯◯様 株式会社山田商事の田中です。 先ほどお電話をさせていただいたところ、◯◯様の寛大なご配慮をいただきましたこと大変恐縮いたしております。 メールでは失礼かと存じますが、改めまして謝罪いたします。 このたびは弊社の社員が大変失礼な態度で応対し、不愉快な思いをさせてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。 このような不手際を起こしたことは、上司である私の不徳の致すところであると、その責任を痛感いたしております。 今後は、このようなことを繰り返さないよう、社員教育を徹底して参る所存でございますので、これからも変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げます。
「不手際」・・・物事の処理の仕方や出来栄えが良くないこと=ミスすること 「手違い」・・・手順を間違えること、手配を誤ること 「不始末」・・・後始末の仕方が悪いこと、他人に迷惑を及ぼすような行いをすること 「不備」・・・必要なものが十分に備わっていないこと、不完全であること
「手違い」の意味は「手順を間違えること、手配を誤ること」です。 自分や自分の会社が手段や手順の誤りによって、相手に迷惑をかけてしまった場合に使います。 「私のミスで」「私の間違いで」などと使うよりも「私の手違いで」と使う方がかしこまった印象を与えます。 ビジネスシーンでは手順や手配に間違いがあった場合は「手違い」を使うようにしましょう。
「大変申し訳ございません。私の手違いによるものです」 「本日お届けする予定でしたが、こちらの手違いで遅れております。誠に申し訳ございません」
「不始末」の意味は「後始末の仕方が悪いこと、他人に迷惑を及ぼすような行いをすること」です。 一般的には後始末をしっかりとしていないことに使います。 たとえば「タバコの不始末が原因で家事が起こる」などです。 ビジネスシーンでは、ミスが起こったあとの始末の仕方が悪いときや他社や顧客などに対して迷惑をかけるようなことをしてしまった場合に使われます。
「この度は弊社社員の不始末により、多大なるご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません」 「彼は今回の不始末について責任を取らされるだろう」
「不備」の意味は、「必要なものが十分に備わっていないこと、不完全であること」です。 ビジネスシーンでは書類などに抜け漏れがあった場合や、必要なものがそろっていない場合に使われます。
「会議資料に不備があったため、訂正したものを配布いたします」 「本日届いた製品に一部不備がございました」
「不手際」はミス全般に使用できますが、類語にはミスの具合などで使う状況が限られているものもあります。 「不手際」の類語について、例文を加えて紹介します。
(意味:注意が行き届かないこと・管理体制が上手くいってなかったこと) 管理体制に落ち度があった場合に使います。
「私どもの監督不行き届きでご迷惑をおかけしました。大変申し訳ございません」 「不行き届きがないよう、確認は何度もするようにしましょう」
(意味:あやまち・不注意、怠慢などのために犯した失敗) 不注意や見落としなどで発生を防止できなかったときに使います。
「いくら過失であったといえ、真摯に受け止め今後このようなことがないように努めてください」 「自分自身の過失を認め、正直に謝罪した」
(意味:怠慢から起きる失敗、あやまち) *怠慢や不注意によって生じた失敗のことを指す場合に使います
「当社の落ち度により、お客様に不愉快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます」 「君に落ち度はなかったよ、気にしなくて大丈夫」
(意味:不注意のため、しなければいけないことを十分にしないこと) *注意が行き届かなかった為に生じた失策を指す場合に使います
「彼が対応をすると注意が行き届いており、手抜かりがないのでありがたい」 「今回はいつも以上に手抜かりなく作業にあたってください」
(意味:方法や手続きなどに不十分な点があること) *不足や欠点があることを指す場合に使います
「当方の調査に手落ちがありました」 「本日の工程は手落ちなくすべて行われました」
(意味:面目を損ない、体裁を失うような失敗をする) *人の笑い者になってしまうような失敗をした場合に使います
「これ以上の失態を犯してはいけない」 「彼はあの時なぜあのような失態を演じてしまったのだろうか」
(意味:手際が悪いこと、不始末をしでかすこと) *軽はずみから生じた失敗を指す場合に使います
「不調法をいたしましたこと、深くお詫びいたします」 「不調法のないように気を付けましょう」
他にも
といった類語がありますが、くだけた言い方となりますのでビジネスシーンではあまり使わないようにしましょう。
ビジネスシーンにおける「不手際」は英語では単純に「mistake」と訳すのが基本です。 「不手際で」のように副詞的な表現は「mistakenly」を使うとよいでしょう。 和英辞書でよく出てくる
などの単語は「不器用な、不自然な」という意味なので「不手際」とは少しニュアンスが違います。 また英語で正式に謝罪するときは「sorry」よりも「apology」「apologize」などの単語を使うのがベターです。「大変、深く、重ねて」というニュアンスで「sincere」「sincerely」という言葉で修飾することが多いです。 例文です。
I sincerely apologize for the mistake.
不手際を深くお詫び申し上げます。
I mistakenly sent a wrong piece of information the other day. Please accept my sincere apology.
私の不手際で先日は誤った資料を送信してしまいました。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
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「不手際」について理解できたでしょうか? ✔︎「不手際」は「物事の処理の仕方や出来栄えが良くない状態」を意味している ✔︎「不手際」は目上の相手に使う言葉で、目下の相手には基本的には使わない ✔︎「不始末」「不行き届き」「過失」など似たような言葉がたくさんある ✔︎「不手際」を起こしたときは、迅速に謝罪することが重要