「臥薪嘗胆」という言葉を知っていますか?故事成語であり、そのあらすじはとても凄まじいものとなっていますが、現代では座右の銘でもよく用いられています。そんな「臥薪嘗胆」の正しい読み方と意味、そして使い方と英語表現を解説します!
○読み方 <がしんしょうたん> ○意味 復讐のためにあらゆる苦心に耐えること 目的を成し遂げるため成功を期待して苦労に耐えること
「臥薪嘗胆」は故事成語です。 「十八史略(じゅうはっしりゃく)」の「春秋戦略」に見える次の故事に由来しています。 そのあらすじを説明すると、 「春秋時代、呉王の闔呂(こうりょ)は越王の勾践(こうせん)に敗れて戦死。闔呂の息子である夫差(ふさ)は、父の仇を討つために固い薪の上に寝て、その痛みで復讐の志を忘れないようにし、三年後に会稽山で勾践を降伏させた」 となっています。 「臥薪」は「薪(たきぎ)の上に臥(ふ)し寝ること」、「嘗胆」は「苦い胆(きも)を嘗(な)めること」で、どちらも自身を苦しめることで復讐の志を奮い立たせることを表しています。 それが転じて、「目的を達成するために苦心し努力を重ねる」といった意味で用いられるようになりました。
日本史でよく出てくる明治時代に「三国干渉」が発生した際、ロシア帝国に復讐するために耐えようというスローガンとして「臥薪嘗胆」が使われました。 三国干渉とは、日清戦争で清国に勝利した日本は遼東半島を割譲してもらうことが決まっていましたが、その6日後にロシア・ドイツ・フランスの三国は清に遼東半島を返還するようにと要求しました。 日本は言われるがまま従い返還しましたが、多くの日本国民が三国干渉に反発しました。 それにより国民たちの間では「臥薪嘗胆」の言葉が流行し、ロシアへの反発心が強まりました。 そしてその反発心が日露戦争を生むキッカケとなったのです。 当時は、国家が領土や権力を奪い合うことで国民が「臥薪嘗胆」の思いでかたきを討つために日々を過ごしていたのかと思うと、今がどれだけ恵まれているのか痛感しますね。 次に現代では、どのように「臥薪嘗胆」を使っているのかを解説します。
由来や日本史における「臥薪嘗胆」を見ると、壮絶な状況の際に使われていたことがよくわかります。 ですが、現在では「長い間苦労すること」や「目的達成のために努力すること」として使われています。 そこに苦心や強い意志がある場合によく用いられています。 例えば、受験勉強や闘病生活などに対してです。 一般的に「臥薪嘗胆の思いで」「臥薪嘗胆の末」「臥薪嘗胆する」といった使い方をします。 また、「目的達成のために努力を惜しまない」と強い心を持つイメージで座右の銘に用いる人も多くいます。 下記に例文を載せているので使い方の参考にしてください。
○堅忍不抜<けんにんふばつ> (意味:どんな困難にも心を動かさずに耐え忍ぶこと、じっと我慢すること) ○座薪懸胆<ざしんけんたん> (意味:目的を果たすために苦難に耐えてること) ○漆身呑炭<しっしんどんたん> (意味:仇討ちや復讐をするために苦労すること)
○堪忍<かんにん> (意味:怒りを抑えて、人の過ちを許すこと) ○安楽<あんらく> (意味:心身の苦痛や生活の苦労がないこと、穏やかで楽々していること) ○穏便<おんびん> (意味:物事を角立てずにおだやかに行うこと)
「臥薪嘗胆」を単に「忍耐」というニュアンスと解釈すると
となります。 「苦心に耐える」というニュアンスを出すには、
などと表現できます。
After enduring a long and hard struggle, I got accepted into the University of Tokyo.
臥薪嘗胆の末に、東大に合格した。
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「臥薪嘗胆」について理解できたでしょうか? ✔「がしんしょうたん」と読む ✔本来は、「復讐やかたきを討つためにあらゆる苦心に耐えること」といった意味 ✔現在では、「目的達成のために苦労し努力すること」といった意味でも使われている ✔座右の銘にも使われている 人生において「臥薪嘗胆」しなくてはならない場面は必ず遭遇します。 「しんどい」「苦しい」などと思うより「臥薪嘗胆だ」と思うとなんだか少し前向きになれるような気がします。 言葉を知るほど、人生は豊かになりますね。