「終日」という言葉は皆さんもよく耳にすると思います。「終日」は「一日中」という意味ですが、何時から何時までを指すのでしょうか?また実際にはどのように使うのが正しいのでしょうか?今回は「終日」という言葉の読み方、意味、使い方、語源、例文などを徹底的に解説していきます。
「終日」の意味は、辞書には「朝から晩まで」「一日中」と書いてあります。 「終日」という漢字を一つずつ見ていくと、 「終」は「物事の終わり。最後まで」 「日」は「太陽。昼間。日の出から日没までの間」などといった意味があります。
「終日」の「日」は「太陽」を表しています。 辞書的に「終日」は「朝から晩まで」「一日中」という意味でしたが、「終日」を時間的に定義すると、「日が昇ってから日が沈むまでの間」ということになります。これが「終日」という言葉の持つ根本的な意味です。
一般企業で「終日」を使用する場合は、「出社してから退社するまで」という意味で使います。 「終日」は「勤務時間中」を指すことになります。
お店やレストランなどで「終日」を使用する場合は、「営業時間中」という意味で使います。 例えば、お店が24時間営業の場合は、「終日」=「24時間」になり、10時〜21時営業の場合は、「終日」=「10時〜21時」ということになります。
日常会話で「終日」を使用する場合は、「自分が起きている時間内」という意味で使います。 例えば、「終日、本を読んでいた」という場合は、「24時間ずっと読書していた」ということではなく、「起きていた時間ほとんど読書していた」ということになります。
以上の通り、一般企業、お店、日常会話で使用する「終日」は意味が違います。
例えば、仕事の連絡で「終日大丈夫です」(この「終日」は勤務時間内のこと)と言っていた相手と仕事上のアポイントをとる際に、「終日」の意味を理解せずに、相手の勤務時間外に電話やメールをしてしまうと失礼に当たってしまいます。
「終日」はシチュエーションによって意味が違うので、意味の混合には注意しましょう。
「終日」の読み方は、実は5通りもあります。
「しゅうじつ」と読むのが一般的です。 同じ読みの漢字に「秋日」「週日」もありますが、聞き間違えないように注意しましょう。
「終日」は「しゅうじつ」だけでなく、「ひねもす」「ひもすがら」などと読めることを上記で紹介しました。 元々、「ひねもす」という言葉は平安時代初期から使われていた和語でした。 「ひねもす」は「朝から夜まで1つの状態が続く様子」という意味で使われていました。 その後、中国から伝わった「しゅうじつ」と読む「終日」という漢語と意味が一致していたことから、「終日」と表記して「ひねもす」と読まれるようになりました。そのまま「しゅうじつ」とも読まれています。
「終日」は名詞ですが、副詞的活用をすることがあります。 上記で説明した通り、「終日」の原義は「日が昇ってから日が沈むまでの間」です。 しかし、一般企業、お店、日常会話などシチュエーションによって「終日」の意味が違ってきます。 使い方について紹介します。
レストランなどで営業時間の記載がなく「終日営業」とだけ書かれている場合は「24時間営業」を表している場合があります。 ただ営業時間が定められている中で、例えば祝日だったりイベントなどがある日に「終日営業」と書かれている場合は「営業時間内は通常どおり営業」といった意味で使われている場合もあります。
「駅前には終日営業のお店が多い」 「新しくできたコインランドリーが終日営業なのでありがたい」
「終日禁煙」の場合は、常に禁煙だということを表しています。 日中は禁煙ということではなく、喫煙可能になる時間帯はないということです。 終日禁煙と書かれた場所ではタバコを吸うことはできないので注意しましょう。
「当店では終日禁煙となっております」 「終日禁煙のところがずいぶんと増えてきた」
ビジネスシーンなどで「終日不在です」などと言われることがあると思います。 この場合は「今日一日不在です」という意味であり、一日会社に戻らないことを表しています。 会社に連絡し、誰かと電話を繋げてもらおうとした際に「終日不在です」と言われた場合は、今日は会社に来ませんということになります。
「大澤は終日不在にしております」 「来週の水曜日は終日不在になるので、その日以外に連絡をください」
「終日仕事をする」といった場合は、24時間働くや徹夜をするという意味ではなく朝から晩まで仕事という意味です。 主に勤務時間内で息をつく間もなく仕事があるといった意味で用いられます。 また、休みの日やカレンダーでは休日・祝日でも朝から晩まで仕事をする場合にも「休日でも終日仕事」と、他のことをする時間が無いことを表しています。
「世間は祝日だというのに、私は終日仕事だ」 「終日仕事をしたあとの一杯は最高!」
ビジネスにおいて「終日可能です」と言われた場合、「勤務時間内可能」といった意味です。 終日可能と言われたからといって、勤務時間外の夜遅い時間に連絡をしたり、勤務時間を過ぎてしまうようなアポイントのとり方をすることはマナー違反であり迷惑となります。
「明日でしたら、予定がないので終日可能です」 「来週の月曜日と火曜日でしたら、終日可能となっております」
営業時間を「10時〜終日」と書かれている場合は、日付が変わるまで=夜12時を指して使われることが多くなっています。 「終日営業」であれば24時間の場合が多いですが、10時からなどと始まりの時間が指定されている場合は夜12時までであることが多くなっています。
「平日は11時〜終日営業しています」 「祝日も終日まで営業しています」
飛行機や電車が「終日運休」となった場合は、その日の最終便や終電まですべて運休するということです。 前日や早朝の時点で「終日運休」となっている場合は、始発からどの便も運休だということになります。 災害やトラブルで「終日運休」となった場合は明日以降の運行状況はわからないため、確認するか発表があるのを待ちましょう。
「台風の影響で飛行機は終日運休となった」 「トラブルがあり山手線が終日運休になってしまった」
「終日」に「一日中」といった意味があるため、「終日中」であると「一日中中」となってしまいます。 そのため「終日中」と使うのは誤用ですので注意しましょう。 一日中何かしていることを伝える場合は「終日○○しています」と使うようにしましょう。
「当店では終日セールを行っています」 「引換は終日可能となっています」
「終日」・・・「丸一日、一日中」 「全日」・・・「期間内のすべての日、丸一日」
「終日」と似たような言葉に、「全日」という言葉があります。 「全日」には
という意味があります。 「一日中」という意味で「全日」と使っても間違いではありませんが、「複数の日」という意味で使うことの方が多いです。 「終日」と「全日」の違いは、「終日」は「一日」を指しているのに対して、「全日」は「複数の日」を指しています。 例えば、時刻表に「終日運行」「全日運行」と書かれていた場合 「終日運行」は「一日中運行している」、 「全日運行」は「1年中、土日・祝日関係なしに運行している」という意味になります。
「旅行期間は、全日こちらのバスチケットはご利用いただけます」 「」
「終日」の類義語を紹介します。
「一日中」は「丸一日」という意味です。 「一日中」は日常会話で使うことが多くなっています。 日常会話での「終日」と一緒で、「24時間ずっと」ではなく「起きている時間」だけを指します。
○「一日中」を使った例文 「昨日は一日中家にいた」 「今日は一日中雨が降っている」
「四六時中」は「一日中」「始終」という意味です。 日常会話での「終日」や「一日中」と一緒で、「24時間ずっと」ではなく「自分が起きている時間内」だけを指します。
○「四六時中」を使った例文 「彼女は四六時中食べ物のことしか考えていない」 「彼は雨が降っている日でも四六時中サングラスをかけている」
「尽日」は2つの意味があります。 1つめの意味は、日常会話での「終日」や「一日中」、「四六時中」と一緒で「自分が起きている時間内」です。 2つめの意味は、「月または年の終わりの日」「大晦日」です。 「尽日」はあまり日常会話では使用しません。
○「尽日」を使った例文 「火は尽日、燃えさかっていた」 「尽日は毎年家族で過ごしています」
「朝晩(あさばん)」・「朝夕(あさゆう)」・「旦夕(たんせき)」は元々は「朝と晩」という意味です。そこから転じて「いつも」という意味になりました。 「一日中」は1日だけにしか使えませんが、「いつも」は日をまたいでも使うことができます。
「いつも」を使った例文 「最近、朝晩が涼しくなってきた」 「快速列車は朝夕のみの運行となる」 「旦夕は冷えるので服装に気をつけた方が良い」
「日夜(にちや)」・「夜昼(よるひる)」・「昼夜(ちゅうや)」は「昼と夜」「絶えず」という意味です。 「昼夜を問わず」という言葉があるように、「絶えず」とはずっと継続している様子を表しています。「いつも」よりも長い期間を指しています。 「昼も夜も関係なしに事を行う様子」を表現したいときに使います。
「日夜・夜昼・昼夜」を使った例文 「彼は日夜仕事に励む」 「彼女は夜昼なくお酒を飲みまくった」 「その作業は昼夜関係なく、続いた」
「寝ても覚めても」は「寝ているときも起きているときも」という意味です。 実際には、寝ているときに行動や思考をすることは不可能なので、日常会話での「終日」や「一日中」、「朝晩」などと同じで「自分が起きている時間内」のことを指しています。
「寝ても覚めても」を使った例文 「寝ても覚めても、仕事のことが頭から離れない」 「娘はうさぎのぬいぐるみが気に入っていて、寝ても覚めても手離さない」
「一両日中」は「今日〜明日中」のことを指す言葉です。 最近では「明日〜明後日中」と解釈され使われていることもあります。
「こちらの商品は一両日中にお召し上がりください」 「一両日中にお返事差し上げます」
「終日」を表す英語表現はいくつかあります。
などが一般的に使われる言葉です。 お店などの「24時間」は「24/7」と表現します。 「24」は24時間、「7」は一週間ずっと、を意味します。 例文を見ていきましょう。
I'll be out all day tomorrow.
明日は終日外出しています。
Almost every convenient store in Japan is open 24/7.
日本にあるほとんどのコンビニは終日営業しています。
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「終日」について理解できたでしょうか? ✔︎「終日」の原義は「日の出から日没までの間」 ✔︎ 一般企業で使用する「終日」は「会社に出勤してから帰るまで」という意味 ✔︎ お店などで使用する「終日」は「営業時間中」という意味 ✔︎ 日常会話で使用する「終日」は「自分が起きている時間内」という意味 ✔︎「終日」は一日に焦点を当てた言い方で、「全日」はすべての日に焦点を当てた言い方。