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「反駁」「反論」「弁駁」「論駁」「論破」の意味の違いと使い分け

「反駁」という言葉をご存知でしょうか。「反駁」は日常的に使われる言葉ではないので、初めて聞いたという方も多いと思います。字面からして、難しそうな意味をイメージしてしまいますよね。また、「反駁」と似た言葉には「反論」や「論駁」などとたくさんあります。普段使わない言葉であっても、いざという時になったらしっかりと使いこなしたいですよね。そこで今回は「反駁」「反論」「弁駁」「論駁」「論破」の意味の違いと使い分けについて解説していきます。それぞれの意味や使い方を知って、正しく使い分けできるようにしましょう!

「反駁」「反論」「弁駁」「論駁」「論破」の違いまとめ

▶︎「反駁」・・・自分の意見を擁護するために、他人から受けた主張や批判に対して論じ返すこと ▶︎「反論」・・・相手の意見はおかしいと批判するために、言われたことに対して反対の意見を述べること ▶︎「弁駁」・・・相手の説の誤りに対して、相手が何も言い返せないほど攻撃をすること ▶︎「論駁」・・・裁判所などで相手の説の誤りを議論または証拠を挙げて、相手が何も言い返せないほど打倒すること ▶︎「論破」・・・理論的な言い回しにより、相手を言い負かせて屈服させること

「反駁」の意味と使い方

「反駁」は<はんばく>と読みます。 「反駁」の意味は

  • 他人の意見に反対して、その非を論じ攻撃すること
  • 他より受けた非難攻撃に対して、逆に論じ返すこと

です。 「反」は「はねかえる・対立する」 「駁」は「他人の説に反対する・反論する」を意味します。 他人の主張や批判に対して論じ返すこと・言われたことに対して言い返すことを表します。 自分の意見を擁護することが目的であって、相手の主張を批判することが目的ではありません。 ”相手の意見をとりあえず受けた上で、主張や批判を論理的に返す”といったイメージになります。

  • ◯◯に反駁する
  • 反駁を加える
  • 反駁の言葉もない

などと使います。 「反駁」は堅い言葉で口語的ではなく、書き言葉として使われることが多いです。 「反駁」は”ディベート用語”として多く用いられています。 ディベートとは、あるテーマについて肯定側と否定側とに分かれて行う討論のことです。

例文

  • わかりやすく伝えるために、例を挙げて反駁する。
  • ついついカッとなってしまい、非難に反駁してしまった。
  • 最新の機械は反駁できないほど、精巧に作られていた。
  • だんだんと熱が上がってきて、お互いに反駁を加えあった。
  • 彼の主張はとても明確で説得力があったので反駁の余地がなかった。
  • 私は彼の鋭い反駁にすっかり参ってしまった。
  • 何かあったら怖いので、心の中で反駁する。

「反論」の意味と使い方

「反論」は<はんろん>と読みます。 「反論」の意味は「相手の議論・批難に対して言い返すこと。また、その議論」です。 「反」は「はねかえる・対立する」、「論」は「筋道を立てて述べる」を意味します。 相手の論や批判に対して反対の意見を述べること・反対意見や反対の議論を表します。 反対の意見を言うことなので、”相手の意見を否定する”というイメージになります。 『あなたの意見は間違っている!』『おかしい!』と批判しています。 反対の意見を言うのは、自分の意見を守る目的と、相手の言っていることに矛盾点や辻褄が合わないなどと問題があることを指摘するといった目的が含まれます。 「反論」は日常的にも、「先生の言うことに反論する」「友達の言うことが間違っていたので反論する」などと使います。

例文

  • 彼女は周りを気にすることなく、堂々と反論した。
  • 部長の言っていることは筋が通っていて、反論の余地がなかった。
  • あくまでも相手の機嫌を損ねないように、反論する。
  • 新しい企画に対する批判について、反論する。
  • 全て間違っていたが、めんどくさかったのであえて反論しなかった。
  • 彼女の反論は理にかなっていて、何も言うことができなかった。
  • 私が反論したために、相手はだいぶ困惑してしまった。

「弁駁」の意味と使い方

「弁駁」は<べんばく>と読みます。 「弁駁」の意味は「他人の説を攻撃して言いやぶること」です。 「弁」は「理屈を立てた議論」、「駁」は「他人の説に反対する・反論する」を意味します。 相手の説の誤りを突いて論じ、攻撃をすること・相手の説に反論して言い破ることを表します。 ”間違っている相手の説の本質を突いて、攻撃または言い負かす・相手が反論できないぐらいに論じ詰める”というイメージになります。相手の間違いを教えるというよりは、相手を屈服させるという意味合いが強いです。 「弁駁」は「反駁」の一手段と言えます。 「弁駁」は少々堅い表現で、主に文章語として使われます。あまり多く使われる言葉ではありません。

例文

  • 論敵の説を弁駁する。
  • 反対派の説を一気に弁駁する。
  • この事柄についてはしっかりと弁駁しなくてはならない。
  • だいぶ誤りがあったので、正しく弁駁する。
  • 彼はものすごく憎たらしいので、なんとか弁駁したい。
  • あの人の説はいつも理路整然としているので、どうも弁駁することができない。
  • 誤ったことばかり言っている相手の説を鋭く弁駁する。

「論駁」の意味と使い方

「論駁」は<ろんばく>と読みます。 「論駁」の意味は「相手から加えられた意見に対抗して論じ返すこと」です。 「論」は「筋道を立てて述べる」、「駁」は「他人の説に反対する・反論する」を意味します。 相手の論や説の間違いを論じて攻撃すること・誤った意見を非難して論じ返すことを表します。 ”議論または証拠を挙げて相手を打倒する”というイメージになります。「論駁」は「反駁」の一手段と言えます。 「論駁」は、裁判所などで相手の主張や説に反対を唱える場合に使うことが多いです。 「論駁」は「弁駁」と同様に少々堅い表現で、主に文章語として使われます。日常会話で使うことはほとんどありません。

例文

  • 証拠を挙げて論駁する。
  • わかりやすいように反証を挙げて論駁する。
  • 彼女であったら、彼の言っていることを有効に論駁することができることだろう。
  • 誤った陳述を鋭く論駁した。
  • このことについては論駁できないほど、立証されていた。
  • はちゃめちゃな議論を一瞬にして論駁した。
  • 論説を論駁してくれると確信した。

「論破」の意味と使い方

「論破」は<ろんぱ>と読みます。 「ろんは」とは読まないので注意しましょう。 「論破」の意味は「議論して他人の説を破ること。言い負かすこと」です。 「論」は「筋道を立てて述べる」、「破」は「相手を打ち負かす」を意味します。 議論をして相手の説を打ち破ること・相手の説を言い負かすことを表します。 ”議論において、理論的な言い回しによって相手の説を打ち破り、屈服させる・何も言わせない”といったイメージです。 複数の意見が衝突する場合、相手の間違っていることを理論的に指摘して、最終的に自分の正しい意見を導くことを意味します。 最近では、ネット上や日常会話においても「はい、論破!!」「リア充を論破する」などとよく使われています。 「はい、論破!」は議論において、相手の言い分を言い負かした時に発する言葉です。

例文

  • 反対意見をことごとく論破する。
  • 対立する意見をかたっぱしから論破する。
  • 論破ばかりしていたら、周りから愛想を突かれてしまった。
  • 彼の言っていることが間違いだらけで、論破したい気持ちが沸々と湧いてくる。
  • 感情任せで論破してしまうと、ろくなことがない。
  • 徹底的に論破するのは、とても痛快である。
  • 彼女の意見はいつも的外れだ。誰か論破してくれないかな〜。

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