「ご所望」と「ご要望」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?どちらも「何かを望む」「何かを欲する」ときに使う言葉です。意味は同じですが使い方が少々異なります。「ご所望」と「ご要望」の違いについて知っておけば、ビジネスシーンでよく使用するため大変便利です。いざという時に使えるよう今一度見直しておきましょう。
「ご所望」は「ごしょもう」と読みます。 「願望」「希望」「志望」など「◯◯ぼう」と読む言葉が多いため、「ごしょうぼう」と読み間違えやすいですが混同しないように注意しましょう。 「所望」の意味は「あるものが欲しい、またはこうしてほしいと望むこと」です。 「所望」は文字通り「望む(のぞむ)」「所(ところ)」で、「自分は望んでいる」という意味の名詞になります。「所望」は名詞のため、敬語表現ではありません。 敬語表現にするには「所望」に尊敬を表す接頭語「ご」を付けて、「ご所望」とします。 「ご所望」は、敬意を払う上司や取引先の相手といった、目上の相手が何かを欲したり望むときに使う言葉です。 自分が何かを欲したり、希望したりすることを改まって表現する際に、「~を所望する」などと使います。 「所望される」「所望いたす」といった場合は敬語表現になります。
「ご所望」の使い方としては、
といったようになります。 「ご所望される」は二重敬語になりますが、ビジネスシーンではよく使われる表現なので使っても問題ありません。 また「ご所望」を使った言葉の中で「ご所望の品」といったフレーズは、よく使用されます。これは「(相手が)希望している品・欲している品」という意味になります。 また同じ意味で「ご所望品」といった言葉もあります。これは「ご所望品がありましたら、いつでもお申し付け下さい」といった形で、文章に使われます。 「ご所望の品」を使うときの注意点としては、まだ何も具体的なものを注文されていない状態で使うと誤りになります。相手の希望をしっかり理解し、具体的な品物まで明らかになった状態で使うフレーズです。
「ご要望」は「ごようぼう」と読みます。 「要望」の意味は「物事の実現を強く望むこと」です。 尊敬を表す接頭語「ご」を付けて、「ご要望」とします。 「要望」は「要(かなめ)」と「望(のぞむ)」で成り立っています。 「要」は、「要点」や「概要」といった言葉があるように、「大事な部分ではあるが概念的なもの」を指す表現です。「要望」にも同じニュアンスが含まれます。 つまり「ご要望」は、敬意を払う上司や取引先の相手といった、目上の相手が何かを欲したり望むときに使う言葉です。 「ご要望」とは「相手の漠然とした望み」を指していて、「目上の人が強くそうなって欲しいと思っている」という意味合いになります。
「ご要望」の使い方としては、
といったようになります。 「ご要望」は具体的な対象がなく、抽象的な望みに対して使います。 「ご要望」を使う場面は大きく分けて2通りあります。 1つは「相手が要望していたのにも関わらず、こちらが対応できなかった場合に謝罪するとき」で、もう1つは「これから良い関係を築いていくのに当たって、要望があったら伝えてくださいという旨を伝えるとき」です。
「ご所望」と「ご要望」ですが、意味がとても似ていて違いがないように感じた方も多いのではないでしょうか?? 「ご所望」も「ご要望」も「望むもの・望むこと」と意味は同じです。 2つの違いはニュアンスが少々異なるという点です。 「ご所望」は「希望するものの対象や目的が具体的で、明らかなこと」に対して使用します。 一方「ご要望」は「希望するものの対象や目的が抽象的で、曖昧なこと」に対して使用します。 確かに、「ご所望」は「ご所望の品を〜」といったように、対象が限定的ですが、「ご要望」は「ご要望がありましたら〜」といったように対象が広範囲に及んでいます。 簡単に言ってしまうと、「ご所望」は目に見えるものを希望するときに使い、「ご要望」は目に見えないもの・漠然としたものを希望するときに使うことになります。 したがって、2つの違いは言葉の指す対象であると覚えておきましょう。 ビジネスシーンでは比較的「ご要望」の方が使用頻度が高いですが、「ご所望」の使い方も把握しておけば、会話でもメールでも使い分けることができます。
「ご所望」と「ご要望」の例文について紹介します。
<「ご所望」の例文>
<「ご要望」の例文>
「ご所望」と「ご要望」の類語について紹介します。
「意見」は「ある物事や判断に対しての私的な考え・見解・主張」という意味になります。 尊敬を表す接頭語「ご」がつくので、目上の相手の意見となります。 「ご意見賜る」といった形で使う場合は、「物をもらう・恩恵を受ける」という意味になります。 「ご意見」は「ご要望」と非常に似ている言葉です。違いとしては「相手に行動を促す」ニュアンスになっているかという点です。 例えば、「この部屋はとても汚いので、掃除した方が良いと思います」といった場合は、自分の考えを相手に伝えているだけなので、あくまでも「ご意見」となります。 逆に「この部屋はとても汚いので、掃除してください」といった場合、これは掃除してということを指図しているので、「ご要望」になります。 使い分けるには、「ご要望」は相手に行動を促す、「ご意見」は相手に考えを伝えているだけと覚えておきましょう。
<「ご意見」の例文>
「用名」の意味は、「用事(仕事)をいいつけること・商品などを注文すること」です。 つまり「用事を申し付けてください・用事があったら自分に命じてください」といった意味合いになります。 「ご用命」は注文を受けるとき・用事を命じられるときに使う言葉で、「必要があればいつでも力になります」といった意志を伝えることができます。 「ご用命」の「ご」は尊敬を表す接頭語なので目上の相手に使うことが一般的で、目下の相手や同等には使わない表現です。 「ご用命」は相手に敬意を払いつつも、自分の誠意を示すという役割を持っています。 「注文してください」や「用事を言ってください」と言うと直接的すぎますが、「ご用命ください」と言うことで丁寧な印象を与えることができます。 また「ご用命を賜り〜」「ご用命お待ち申し上げております」とすると、より丁寧な表現になるので、相手や状況によって使い分けるのが良いでしょう。 「ご用命」は少々堅苦しい印象を持ちやすいですが、ビジネスメールや文書では非常に使いやすい言葉になります。
<「ご用命」の例文>
「意向」の意味は、「どうするつもりなのかという考え・思惑」のことです。 敬を表す接頭語「ご」がつくので、目上の相手の意向となります。 「ご意向」は、ある事柄についての目上の相手の考えや思惑、これからどのようにするかという考えの方向性を指す言葉になります。 「ご意向」の使い方としては、
といったようになります。
<「ご意向」の例文>
「希望」の意味は、「あることの実現をのぞみ願うこと・その願い」です。 「ご希望」は「ご要望」とほぼ同じ意味で使う言葉になります。
<「ご希望」の例文>
日本国の「ご所望」と「ご要望」のような差異は英語ではあまり意識されません。
などを使うとよいでしょう。 例文です。
Please take a look at the attached document that you have requested.
ご要望の通り、資料を添付しておきますので、ご覧ください。
This is exactly what you have been asking for.
こちらがご所望の品です。
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「ご所望」と「ご要望」について理解できたでしょうか? ✔︎「ご所望」も「ご要望」も「望んでいる」という意味 ✔︎「ご所望」は希望するものの対象が具体的 ✔︎「ご要望」は希望するものの対象が抽象的 ✔︎ 類語は「ご意見」や「ご用命」などがある
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