「一角」と「一画」は、どちらも「いっかく」と読む同音異義語です。「一角」の意味は、ある地域や領域などの隅にある一部です。類語は「片隅」「一部」です。「一画」の意味は、土地の区切りです。類語は「区域」「ゾーン」です。例えば「所有地のいっかくを売りに出す」であれば、一画を使います。
「一角」・・・ある地域のすみにある一部分。また、建造物などを構成するものの一部分 「一画」・・・土地の一区切り。また、漢字のひと続きの線
「一角」と「一画」はどちらも「いっかく」と読み、意味も非常に似ておりますが、微妙に違いますので使い分けが必要です。 「一画」は意味が限定的で、土地のいち区分に対して使用する言葉です。 例えば、「所有地の一画に家を建てる」「ぶどう畑の一画ではオレンジを栽培している」「分譲地の一画を購入した」などと使います。 また、「一画」は「漢字の一つの字画」という意味もあります。 「一角」の意味はもう少し広く「ある地域のすみにある一部分」という意味です。 例えば、「街の一角」「商店街の一角に店を出す」「IT界隈の一角で確固たる地位を築く」などと使います。 また、「一角」には「建造物の一部分、またはあるものを構成するものの一部分」という意味もあります。 例えば、「氷山の一角」「天井の一角に穴があく」「優勝候補の一角が崩れる」などと使います。 さいごに簡単なクイズですが、「港区のイッカクに土地を買う」ならば「一角」と「一画」のどちらでしょうか? 港区全体も「土地」とみなすことはできるので「一画」でもよい気がしますが、港区はかなり広い「地域」にあたるので「一角」が自然です。 このように話者の感覚で「土地」と解釈するか、「地域」と解釈するかの違いがありますが、「土地」は地面に立って見通せるくらいの広さに限定して使うと考えておけばよいでしょう。
「一角」は「いっかく」と読みます。 「いっかど」「ひとかど」と読むこともできますが、意味が異なるので注意してください。 「一角」の意味は、
です。 ある場所やエリアなど、ある程度の広がりを持つものの一部分を表します。 主に「◯◯の一角」という形で用います。例えば、「そのお店は繁華街の一角に構えている」と使います。 土地だけではなく、ある分野の一部分という意味で「ゴルフ界の一角で確固たる地歩を築く」などと使うこともできます。 また、「Aチームは今大会の優勝候補の一角だ」などと、「あるものを構成するなかの一つ」という意味でも用います。
というような使い方をします。 「氷山の一角」とは「表面に現れた事柄は物事全体のほんの一部」のたとえで、「氷山の一角に過ぎない」「氷山の一角である」などと使います。 「一角」の類語には、「片隅」「一部分」「一隅」「一部」「一端」などがあります。
例文 ①の意味
②の意味
「一画」は「いっかく」と読みます。 「一劃」と表記することもできますが、一般的には「一画」を使います。 「一画」の意味は、
です。 土地や地面などの、いくつかに分けられたなかの一つを「一画」と言います。 「一角」と比べると、「一画」が表す範囲は狭いです。 他にも、「一画」は「漢字の一続きの線」という意味でも用います。
というような使い方をします。 「一点一画」「一措一画」とは「漢字の一つの点と一つの線」を意味します。ここから転じて、「丁寧に字を書く、物事をしっかりと行う」という意味でも使われます。 「一画」の類語には、「区域」「ゾーン」「地帯」などがあります。
例文 ①の意味
②の意味
「一角(いっかく)」は、ある地域のすみにある一部分という意味で「商店街の一角」などと使いますが、「土地のいっかく」という場合は、土地の区切りという意味の「一画(いっかく)」を使います。