「縋る」と「頼る」の違いについて正しく理解しているでしょうか?それぞれ似ているため、同じように使っているという方が多いのではないでしょうか?実はこの二つの言葉はそれぞれ異なります。そこで本記事では「縋る」と「頼る」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「縋る(すがる)」・・・(自分ではどうすることもできなくて)たよりとする。 「頼る(たよる)」・・・(自分ではどうすることもできなくてor自分でさらなる高みを目指すために)たよりとする。
「縋る」と「頼る」は同義語です。 しかし「縋る」は「自分には能力がない」というネガティブな意味合いが強いです。 例えば、「大学卒業後、就職もせずに親に縋る」などと使います。 「縋る」というのは、元々「(体が落ちないように)しがみつく」という意味なので、自分がピンチな状態に置かれているという前提で使う言葉です。 一方「頼る」は「自分のさらなる成長のために」というポジティブな意味合いでも、「縋る」と同じく「自分ではどうすることもできなくて」というネガティブな意味の両方で使うことができます。 例えば、「上京するために兄貴を頼る」などと使います。「地方から東京に出てさらなる機会を求めるために」ということなので、すごく前向きなニュアンスをありますよね。 「縋る」と「頼る」の英語は「depend on」「rely on」です。 「縋る」と「頼る」以上に、「depend on」と「rely on」は似ています。ネイティブでも厳密に使い分けをしている人は少ないです。 あえて意味を区別するなら、「rely on」の方が自分のやるべきことを続けるためにたよりにするというニュアンスがあるので、「頼る」に近いです。 「depend on」の方が「依存する」というニュアンスが強く、「縋る」に近いです。
「縋る」は「すがる」と読みます。 一般的には「縋る」と漢字で表すよりも、「すがる」とひらがなで表記することが多いです。 「縋る」の意味は、
です。 一つ目の意味は「しっかりとつかまる、しがみ付く」です。この場合の対象は物理的なものになります。 例えば、「手すりに縋って階段を降りる」と使います。 二つ目は「(自分一人ではどうにもできないので)何かを頼りにする」という意味です。 例えば、「親に縋って生きる」ならば、「仕事をしないで家にこもったり、お金を親に出してもらって生活している」というニュアンスになります。 「縋る」は「他人に任せっきりにする、依存する、物を頼みにする」というネガティブな意味合いが強く、自分が苦しい状況にあるという前提のもと使用します。
というような使い方をします。 「藁にも縋る」とは「せっぱつまったときに頼りにならないものまで頼りにする」という意味で、「藁にも縋る思いで」の形で使います。 「溺れる者は藁をも掴む」ということわざもあり、「藁をも掴む思いで」とも使います。それと混同して「藁をも縋る思いで」とするのは誤用なので注意してください。 「縋る」の類語には、「しがみつく」「寄りかかる」「依存する」などがあります。
例文 ①の意味
②の意味
「頼る」は「たよる」と読みます。 「頼る」の意味は、
です。 「頼る」という言葉は自力本願な意味でも他力本願の意味のどちらでも使うことができます。 一方「縋る」は常にマイナスな意味合いを含みます。 「頼る」という言葉をどう解釈するかは話し手と聞き手次第ですが、近年では「『頼る』ことは悪いことじゃないんだ」という文脈のお話が多い気がします。
というような使い方をします。 「頼る」の類語には、「信用する」「信頼する」「信任する」「見込む」などがあります。
例文 ①の意味
②の意味