「健康」と「健全」の意味と使い方の違いを正しく理解できていますか?どちらも日常会話において使うことがある言葉で、どことなく似ていますよね。しかし、実際には意味が異なりますので、「健康」と「健全」の違いについて一つずつ解説していきます!
「健康」・・・病気や怪我なく、心身ともにすこやかで元気なこと 「健全」・・・心身が正常に機能していて、健康であること。転じて、ものごとが欠陥やかたよりがないこと
「健康」と「健全」はほぼ同義語と考えて問題ありません。 ただ、「健康」の方が「身体」「肉体」に重点を置いています。 「健康」ということはまず第一に「体調に異常がない」ということで、その結果「精神」「内面」も元気であるという意味合いがあります。 「健全」には「身体」を強調するニュアンスはありません。 「健全」は「心も肉体も正常に機能している」という意味です。 つまり、「健全」ならば「健康」ということができます。 逆に「健康」だからといって必ずしも「健全」とは限りません。 怪我も病気もなく日常生活で全く問題がないほど心身ともに元気だとしても、乱れた食生活で体のどこが正常に機能していなかったり、過労により知らぬ間に精神が少しずつ病んでいってることもあり得ます。 この場合は「健康」だが「健全」ではない、ということができます。 細かいですが、「健全」の方が「健康」より意味が広いということになります。 また「健全」は「健全な娯楽」「健全な財政」などと人の心身だけではなく物事全般に対して使うことができますが、「健康」はこのように使うことはできません。
「健康」は「けんこう」と読みます。 「健康」の意味は、
です。 病気であったり体調が悪かったりということがなく、日常生活を問題なく送ることができるほど良好な状態であることが「健康」です。 「健康」は「身体」に重点を置いています。身体的に問題ない上で、精神面も良い状態であるということを表します。
というような使い方をします。 「健康」は「ご健康」という形で、「ご健康をお祈りします」などとビジネスメールや年賀状などで用いることもあります。相手の健康を願ったり、気遣う言葉として使います。 「ご健康」の類語には「ご健勝」などがあります。
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「健全」は「けんぜん」と読みます。 「健全」の意味は、
です。 身体と心が良好な状態であることが「健全」です。「健全な精神」「健全な発達」などと使うことができます。 「身体」か「心」のどちらかに重点を置いているというわけではなくて、心身ともに正常であることを表します。 「健全」は人の状態だけではなく、「健全な経営」などと物事に対しても使うことができます。
というような使い方をします。 ことわざに「健全なる精神は健全なる身体に宿る」というものがあります。 これは「身体の状態が良ければ、精神も良好である」という意味です。 これは、ローマの詩人ユベナリスの『風刺詩集』に出てくる言葉が由来しています。本来は「神に対して人は、健やかな身体に健やかな心が与えられるように祈るべき」という意味でしたが、誤訳がされ、その間違った意味で使われるようになりました。
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