「いずれにせよ」という言葉をご存知でしょうか。日常会話でも「いずれにせよ◯◯だ」といったように使われることがあります。では、「いずれにせよ」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。話をまとめたり、結論を出す場合に使う表現ですが、きちんと意味を知っておかないと相手に失礼にあたります。そこで今回は「いずれにせよ」の意味や使い方、漢字、類語について解説していきます。正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「いづれにせよ」と表記するのは間違いです。 「いづれ」は歴史的仮名遣いです。 「歴史的仮名遣い」とは昔使われていた仮名遣いのことで、現在では使われていません。 「づ」を現在仮名遣いにすると「ず」になります。 よって「いずれにせよ」が正しい表記です。
「いずれにせよ」を漢字で表すと「何れにせよ」「孰れにせよ」となります。 「孰れにせよ」は基本的に使うことはありません。 「何れ(いずれ)」「何処(いずこ)」などと使われているように、漢字表記では「何れにせよ」が普通です。 しかし、「いずれにせよ」はひらがな表記が一般的です。
「いずれにせよ」は「どうなったとしても」という意味です。 「どうなったとしても」というのは、「いくつかの条件があるが、どれを選択したとしても(結果は同じだ)」という意味合いです。 「いずれにせよ」は、複数の条件を考慮しながら譲歩する言い方で、後に結論の表現が続きます。 「いずれにしても」「いずれにしろ」なども同義です。
「いずれにせよ」を敬語変換すると「いずれにしましても」となります。 「いずれにせよ」は敬語ではありませんが、「いずれにしろ」を丁寧にした表現なので、目上の人に使っても問題ないとされています。 しかし、「せよ」という言い方に抵抗がある場合は丁寧語「ます」が加わった表現である「いずれにしましても」を使うとよいでしょう。 敬語ではありませんが「いずれにしても」は「いずれにせよ」よりも柔らかい印象な言葉で、かつ「いずれにしましても」ほど堅苦しくない表現で無難です。
「いずれにせよ」の使い方には2つの使い方があります。1ずつ見ていきましょう。
◯と▲には真逆の(もしくは全く違う)2つの選択肢がきます。 この場合の「いずれにせよ」は「どちらの選択肢を選択しても、結果は同じだ」という意味合いになります。 選択肢は三つ以上あっても使用可能です。
例文
文頭で「いずれにせよ、〜」と使う場合もあります。 今まで話してきた様々な条件を考慮し、一旦結論を出すときに使います。 この場合の「いずれにせよ」も「どの選択肢を選択しても、結局のところ結果は同じだ」という意味です。 諦め・投げやりの意味合いで使うこともあれば、すべての選択肢がベストではないが〜しなければならないという前向きなニュアンスのときもあります。 まだ相手が話をしている最中に「いずれにせよ」と結論を急ぐのは失礼なので、ビジネスシーンで使う場合は注意してください。
例文
どの条件をとっても結論は同じだ、という場合の類語は「どうせ」「どっちみち」「どのみち」「どっちにしても」などがあります。 「どうせ」「どっちみち」「どのみち」「どっちにしても」は「成り行きがどうであっても結果は同じこと」を表します。
例文
一旦結論を出すという意味合いの類語は「それはともかく」「それはさておき」などになります。 「それはともかく」「それはさておき」は一旦話題をおき、別の話題に変えるときの接続詞として用います。
例文
「いずれにせよ、〜」の英語は、
などと言います。
Anyway, we must make a decision within 24 hours.
いずれにせよ、我々は24時間以内に決断をしなければならない。
In any case, I guess it's too big.
いずれにせよ、それはでかすぎると思います。
「AとBいずれにせよ」は、「no matter whether」を使います。
It's really time-consuming to learn a foreign language no matter whether it is French or Chinese.
仏中いずれにせよ、外国語を習得するのは本当に時間がかかるものだ。
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「いずれにせよ」について理解できたでしょうか? ✔︎「いづれにせよ」と表記するのは間違い ✔︎「いずれにせよ」は「どうなったとしても」という意味 ✔︎「いずれにせよ」でも十分丁寧な言い方だが、より丁寧にしたい場合は「いずれにしましても」とする ✔︎「いずれにせよ」はどの選択肢を選んでも、結局は結果は同じであることを表す場合に使う