「変える」「替える」「代える」「換える」は、すべて「かえる」と読む同訓異字です。「変える」の意味は、物事や状態などを今までとは違ったものにすることです。類語は「変更」です。「替える」の意味は、古い物をどけて、新しい物をもってくることです。類語は「変替」です。「代える」の意味は、あるものに別のものと同じ役目をさせることです。類語は「代理」です。「換える」の意味は、あるものをどけてそれと同じ価値を持つ別のものをもってくることです。類語は「交換」です。
「変える」には二つ意味があります。 一つ目の意味は、「物事や状態、作用や行動などを今までとは違ったものにすること」です。 「変」は「誓いの糸を切り離す様子」を表していました。そこから、「物事を前とは違う状態にする」という意味になりました。 物事や行動などを、以前とは違った状態にすることを表します。 例えば、「髪型を変える」ならば「髪型を以前と違う異なるものにすること」を意味します。 二つ目の意味は「物事が行われる日時や場所を、別の時間や所に移すこと」です。 居場所や物の位置を別の場所に移すことや、日にちや時間を別にすることを表します。 例えば、「開店時間を変える」ならば「今まで9時から営業していたのを10時からにする」ということになります。 「変える」は「変更する」「変化する」「移り変わる」などと言い換えることができます。
例文 ①の意味
②の意味
「替える」の意味は、「古い物をどけて、新しい物をもってくること」です。 「替」は「夫」+「日」で成り立っています。 「夫」は「口を開けている人」、「日」は「太陽」を意味します。「替」は「二人の人が太陽の下で、声をあげながら引き継ぎを行う様子」から「新しいことをする」という意味になりました。 今まであった、使っていた物を同じ種類の新しい物と入れかえることを表します。人に対しても、ものに対しても使うことができます。 例えば、「パソコンを新しいものに替える」と言います。 「建て替える」「立て替える」「並べ替える」「植え替える」「切り替える」「席替え」「着替え」「日替わり」などと使うこともできます。 「建て替える」ならば「ビルや家などの建造物を新しくつくり直すこと」を意味します。
例文
「代える」の意味は「あるものに別のものと同じ役目をさせること」です。 「代」は「人」+「弋」で成り立っています。 「人」は「横側から見た人の形」、「弋」は「二本の木を交わっている形」を意味します。そこから、「人が入れかわる」という意味になりました。 あるものの役割を、本来は違う役割を持つ別のものにさせることを表します。 例えば、「雨が降ってきたので、傘の代わりにタオルをかぶる」と言います。タオルは本来は雨をしのぐものではありませんが、傘がないのでタオルにその役割をさせることを表します。 「代理」「代用」「代行」「交代」などと言い換えることができます。 また、「代える」には「食事のおかわりをすること」という意味もあります。「ご飯を代える」「お代わりする」などと使うことができます。
例文 ①の意味
②の意味
「換える」の意味は「あるものをどけて、それに匹敵する別のものをもってくること」です。 「換」は「手」+「奐」で成り立っています。 「手」は「五本指がある手」、「奐」は「妊婦が足の間に両手をあてた状態」を意味しています。「換」とすることで、「次々と赤ん坊を取り出す」という意味から、「あるものの代わりに別のものを手に入れこと」を表すようになりました。 あるものと、それと同じくらいの価値がある別のものと取りかえることを表します。例えば、「本を売ってお金に換える」と言います。価値は同じものの、全く違う別の物にかえることを意味します。 「交換する」と言い換えることができます。 「書き換える」「乗り換える」「言い換える」「取り換える」「置き換える」などと使うこともできます。
例文
「変える(かえる)」は物事や状態などを今までとは違ったものにすることを表し、「替える(かえる)」は古いものをどけて新しい物をもってくることを表し、「換える(かえる)」はあるものに別のものと同じ役目をさせることを表します。 例えば使い古したカバンを新しいカバンにするのであれば、「替える」を使います。