「校了」は「原稿の最終確認を終え印刷可能な状態にすること」という意味があります。主に出版物業や印刷業の現場で使われる印刷用語です。原稿の誤字脱字や図面や色味調整などの校正を行い、修正箇所が全くなく印刷をしても差し支えのない状態になることを指します。「校了」は「こうりょう」と読みます。
「校了」の読み方は「こうりょう」です。 「きょうりょう」と読むこともあります。
「校了」の意味は「印刷できる状態になること」です。 「校」には「校正する」という意味があります。 「校正」とは「文字や図の誤りを正すこと」という意味です。 「了」には「終わること」という意味があります。 「校了」は「校正が完了し印刷しても差し支えない状態になること」というニュアンスで使われている印刷用語です。
「校了」は主に出版業や印刷業でよく使います。 雑誌や本などの出版物は、それらを印刷する前に原稿のチェック(校正)を重ねます。 校了された原稿は印刷業者へと渡り、印刷業者は実際に印刷の工程に入ります。 「校了」は「校了にする」「校了となる」「校了した」という形で使うのが一般的です。 「校了紙」という言葉もあります。 「校了紙」とは「赤字が一切なくそのまま印刷できる原稿」という意味があります。 出版社内部で「校了」を使う場合、本来の「校了」の意味ではなく、「自分の担当分はこれで完了なので、後は編集さんで確認をお願いします」というニュアンスで使われることもあります。
「校了」を英語で表現する、「OK」という言葉を使います。 「OK」は同意や承認する際に使われる言葉です。日本語でも「オッケー」などとして使いますよね。 「間違いがない原稿」というニュアンスで使います。 例えば「校了になる」は「OK the proofs」となります。 「proof」には「校正刷り(校正用にためし刷りしたもの)」という意味があります。 受動態にして「The proofs were OK'd.」と表現することもできます。 「校正する」という意味をもつ「proofread」を使って「校了」を表現することもできます。 例えば「校正が完了する」という意味で「proofreading completed」「finish proofreading」や、「最後の校正」という意味の「final proofreading」などで「校了」のニュアンスを伝えることも可能です。 「印刷する準備が整った」というニュアンスで「ready for the press / publication.」と表すこともあります。
We finished proofreading for the July issue.
7月号の校了した。
The proofs for the August issue were OK'd.
8月号は校了になった。
校正や校了などの作業で忙しいからといって連絡を怠ることはよくありません。 素直に忙しい旨を相手に伝えてみましょう。 また状況が落ち着いたらこちらから連絡を入れる旨を伝えておくと安心かもしれません。
例文
原稿内容を確認してもらう際に依頼メールを送ります。 校了の連絡がないと次の工程に進めない旨も合わせて伝えられるとベターでしょう。
例文
校了が完了した際はその旨を印刷業者などに伝える必要があります。 印刷業者は校了の連絡を受けてから出版物の印刷、製本作業に入ります。
例文
主に印刷業者から顧客に送られます。 顧客から校了の連絡があった際はお礼のメールを送ることが好ましいです。 その際に商品が出来上がったら再度連絡するという旨を合わせて伝えると尚良です。
例文
「入稿(にゅうこう)」とは出版社によって書き上げられた原稿を初めて印刷会社や制作会社に送ることです。 入稿は原稿原本を郵送で送ったり、PDFなどのデータ版をメールで送ったりします。 原稿を入稿するまでに、企画や打ち合わせ、見積もり作成などが行われます。
「初校(しょこう)」には主に2つの意味があります。 一つ目の意味は「入稿された原稿の試し刷り」です。 この場合、「ゲラ(刷り)」や「校正刷り」と呼ばれることもあります。 二つ目の意味は「最初の校正」です。 ゲラや校正刷りに対して始めて校正をすることを指します。 文字や図面などの修正箇所に赤色のペンで書き入れ、印刷会社に戻すことを「初校戻し」と言います。 同音異義語で「初稿」という言葉があります。 「初稿」は「最初の原稿、原案」という意味になります。
「再校(さいこう)」は「再び校正する」というニュアンスの言葉です。 「再校」には「初校の修正箇所を反映したゲラや校正刷りに対する校正」という意味があります。 また「再校」は「二回目の校正」という意味で「二校(にこう)」と言うこともあります。 「再校」では、初校の修正がきちんと反映されているか、修正漏れがないかなどを確認します。 また必要に応じて再校で新たに修正箇所を書き入れる場合もあります。 再校(二校)後の校正は「三校」、「四校」、「五校」などとなります。
「責了(せきりょう)」とは「責任校了」の略で「印刷会社の責任のもと修正をし校了とすること」という意味があります。 通常原稿の校正は発注社(者)本人が行いますが、修正箇所が少ない場合は印刷会社に責任を持たせて校了させることがあります。 その際に「以降の校正は編集者や印刷会社にお任せします」というニュアンスで使われる言葉が「責了」です。 「責了紙」とは「赤字の内容が明確で、指示通り修正すれば正しく印刷できる状態の原稿」という意味があります。 校正担当者や印刷会社と信頼関係が築けていれば「責了」を行うことは良いかもしれませんが、トラブルやミスを防ぐため基本的には自身での校正を推奨します。
「念校(ねんこう)」の意味は「念のためにさらに校正すること」です。 責了や校了とすべき段階でも修正箇所が多い場合や、校了にするのが不安な場合に再度内容を見直す場合に使います。 「校了するにあたっての内容確認するための校正刷り」を「念校」と言うこともあります。 また「念校」は、校了前の最後の校正という意味で使われることもあります。
ここまでの工程を経てやっと「校了」となります。 ちなみに校了後は「下版(げばん)」といって「校了された原稿を印刷する」工程に入ります。 印刷物が全数刷り上がった状態のことを「刷了(さつりょう)」と言います。
原則、責了・校了後は内容を変更、追加、削除することはできません。 上記でご説明した通り、校了とは「印刷可能な状態」を示すためです。 万が一校了後に修正箇所がある場合は、編集者や印刷会社に相談するのは良いでしょう。 ただし別途印刷代や製本料金が発生する可能性が高いです。 校了になるまでに全ての誤りを正しておくことが必要となります。
原稿に数字が含まれている場合は、数や桁が合っているかを入念にチェックしましょう。 例えば、
などは一つのミスも許されません。 校了前に複数回確認を行うことをおすすめします。
意外と見落としがちになるのが日付や曜日の確認です。 例えば
などがあります。 天候などの事情で開催日などの日付や曜日に変更が生じる可能性がある場合は、その旨も記載しておくと良いです。
固有名詞を正しく表記することも重要です。
などのチェックは必ず行いましょう。 正しい表記方法が不明な場合は、発注者に確認をしたりインターネットで検索をしましょう。
いかがでしたか? 今回は「校了」についてご紹介しました。 「校了」の読み方は「こうりょう」です。 「校了」の意味は「校正が完了し印刷できる状態になること」です。 主にビジネスの印刷用語として使われる言葉で「校了する」「校了になる」という形で使います。 「校了」は英語で「OK」「finish proofreading」などと表現します。 出版物が印刷されるまでは「入稿」「校正」「念校」などのステップがあり、「校了」は印刷前の最後のステップとなります。