「瑞々しい(みずみずしい)」とは「新鮮で生き生きしているさま」「つやがあって若々しい」です。野菜や果物など水分の含まれる植物や人の肌に対して主に使います。また、人の様子や感性など新鮮な場合に褒めるのに使うこともあります。「瑞」の音符である「耑(タン)」がものの生まれの意味であるのが漢字の語源です。
「瑞々しい」の読み方は「みずみずしい」です。 「端」と漢字が似ていますが「はたばたしい」「はしばししい」と読むのは間違いです。
「みずみずしい」を「水々しい」と書くのは誤用です。 意味からも「水々しい」が適しているように思ってしまいますが、注意しましょう。
「瑞々しい」の意味は「新鮮で生き生きしているさま」「つやがあって若々しい」です。 生気に満ちていて美しい様子や水を含んだようにつやがあることを表す言葉です。 あるものの新鮮さや若さを表現する際に使います。
「みずみずしい」は大和言葉です。 元々は「みずみずし」の形で使われており「光り輝き若々しい」「新鮮で美しい」といった意味です。 「瑞」の意味は
です。 そのため、意味合いの近い「瑞」という漢字をあてて、現代では「瑞々しい」と使われています。 「瑞」は、王+耑です。 「王」は「玉」から点が省略されたものです。「玉」が使われていることから、「瑞」には「めでたいしるし」という意味があります。 「耑」は「物事のはじまり」という意味があり、それが「若々しい」という意味に由来になっています。
「瑞々しい」または「瑞々し」は俳句では夏、とくに初夏の季語にあたります。 「瑞々しい」を使った有名な俳句には下記のようなものがあります。
あぢさゐの残花といへどみづみづし 山口誓子(1901~1994) みづみづしセロリを噛めば夏匂ふ 日野草城(1901~1956) 風寒き今宵高空に街の灯の反映のなき雲みづみづし 香川美人(1915~2008)
「瑞々しい」は主に野菜や植物に使います。 採れたての野菜や果物は、新鮮で水分も多く美味しいですよね。 その様子を「瑞々しい」と表現します。 また植物などの新緑や、綺麗に咲いた花に対しても「瑞々しい」と使います。 元気に育ち、綺麗に色づいたものを褒める言葉です。
例文
「瑞々しい」は人の肌に対しても使います。 透明感のある肌や、うるおいがたっぷりでツヤのある肌、若々しくてパッと明るい肌を「瑞々しい」と表現します。 メイク道具の謳い文句でも使われることが多いですよね。 「瑞々しい肌へ」「瑞々しい肌を作る」と宣伝されています。 特にナチュラルメイクでは「ツヤ肌」が注目されています。 ハリのあるツヤツヤな肌に仕上げるために、瑞々しい肌を作るメイク道具が人気になっています。
また「瑞々しい」は人そのものに対してや、感じ方や考え方に対しても
などと使われます。 主に「初々しい」「若々しい」「フレッシュ」といった意味合いです。 実際に新人や年の離れた若い子に対してその若々しさに「瑞々しい」と使うこともありますし、元気のある様子や古びていない時代にあった感覚や若い子のような感性に対しても用いられています。 また身なりがちゃんとしていて美しい人に対しても使います。
例文
「瑞」は素晴らしい意味を持つ漢字のため、人名にもよく使われています。 男性であれば
などが多いです。 また「ず」が真ん中に付く三文字の名前で「瑞」があてられることもあります。 例えば「志瑞也」で「しずや」や、「和瑞希」で「かずき」などがあります。 女性であれば
などが多くなっています。 他にも「み」とだけ読ませて「瑞緒/みお」や「亜瑞/あみ」などもあります。
「瑞々しい」の類語には
などがあります。 「青々しい」の意味は「草木が生い茂るさま」「植物の青色(緑色)が鮮やかなさま」です。 「いかにも青く際立っているさま」といった意味があり、それが転じて「草木の色合いが目立って瑞々しい様子」を表しています。 「フレッシュ」は「新鮮なさま」といった意味ですが、「若々しく元気な様子」「新しく生き生きしているさま」を表す言葉です。野菜や果物に対してよく使われますが、人に対しても使われる言葉です。
「瑞々しい」はポジティブな意味で使う言葉です。 そのためネガティブなイメージのある「水っぽい」は類語にあたりません。 「水っぽい」の意味は「水分が多く、味が薄い」です。 「瑞々しい」はフレッシュなイメージが強いのに対し、「水っぽい」はシャバシャバなイメージです。 そのため
なども類語にはあたりません。
「乾涸びた」は「ひからびた」と読みます。 意味は「自然乾燥によって水分が全くなくなった状態」です。 そこから潤いや張り、生気がなくなったことも表します。 そのため感情や内容、頭脳などにも用いられます。 また人そのものにも表し、楽しいことがない状態や人とあまり関わっていない状態、恋愛をしていない時などにも「乾涸びた」と使われています。
例文
他にも「瑞々しい」には「新鮮、若々しい、美しい」といった意味があります。 そのため、
なども反対語となります。 「覇気がない」は「はきがない」と読みます。 意味は「積極的な意気込みが感じられないさま」「気分や様子などが暗く落ち込んでいるさま」です。 「悄然とした」は「しょうぜんとした」と読みます。 意味は「元気がなくしょげている様子」「ひっそりと寂しい様子」です。
「瑞々しい肌」は「fresh and youthful skin」もしくは「youthful skin」とします。 「young」は「若い」という意味で人を修飾するのに対して、「youthful」は「若々しい」という意味で物に対して使えます。
She has very youthful skin.
彼女の肌はとても瑞々しい。
What keeps her so youthful?
彼女があんなに若々しいはなぜだ?
果物や野菜に対して使う「瑞々しい」は「fresh and juicy」です。
いかがだったでしょうか? 「瑞々しい」について理解出来たでしょうか? ✔読み方は「みずみずしい」 ✔意味は「新鮮で生き生きしているさま」「つやがあって若々しい」 ✔野菜や果物、人の肌や様子・考え方などに幅広く使う ✔対義語は「乾涸びた」