「以下」の読み方は「いか」で、意味は「基準となるものを含めて、それよりも小さい(少ない)」です。例えば「10以下」であれば「10を含む、それより小さい数」を表します。記号は不等号の「≧」です。今回はそんな「以下」の使い方を例文付きで詳しく解説していきます。類語や英語も紹介しますので是非参考にしてみてください。
「以下」の読み方は「いか」です。 「以」は音読みで「イ」と読む漢字です。 「下」は音読みで「カ・ゲ」、訓読みで「した」と読みます。
「以下」は「基準となるものを含めて、それよりも小さい(少ない)」を指す言葉です。 例えば 10以下なら、10, 9, 8, 7 ...と10を含めて、10よりも小さい数を表します。 500円以下なら、500円を含みそれより小さい金額となります。 12歳以下なら0歳〜12歳を表します。 また、小さいだけではなく「劣っている」という意味でも使います。 「こんなのも分からないなんて小学生以下だよ」などと使い、「小学生よりも能力が劣っている」といった意味になります。
「以内」を記号で表すときは不等号の「≦」を使います。 「A≦B」とした場合Aの数字が、Bの数字以下であることを表します。 主な読み方は「A小(しょう)なりイコールB」です。 ほか「AはB以下」「AはBよりも小さい、もしくは等しい」などがあります。
「以下」という時は「已下」と書くことも出来ます。 「已」の意味は「以と同じ」になります。 他にも「やむ、やめる」「すでに」といった意味があります。
「以下」は数値と組み合わせてよく用いられます。 ビジネスシーンでは予算や資料の提示の際など、数字を取り扱う場面で「以下」を使用します。 さらに「二十万円以下」「25%以下」など、金額や割合などの数値に用いられることも多くなっています。 一般的にも「20人以下」「60歳以下」とよく数値と組み合わせて使われています。
例文
「以下」は、基準となる数値を含まないこともあります。 例えば、「彼がした行為は人間以下だ」ならば、「彼がした行為は人間ほどの能力がない、人間の能力にも達しないことである」という意味になります。「人間と同じ程度であるか、人間よりも下である」という意味ではありません。 この場合の「以下」は「あるものよりも劣っていること」という意味で使われています。 それは「以上」も同じで、例えば「友達以上、恋人未満」の場合、友達関係よりも進展していることを表します。
例文
「以下」はビジネスメールなど、文章でもよく用いられています。 ただし、「以下の通り」「以下省略」というように文章で使用する場合は意味合いが変わってきます。 文章で使用する場合の「以下」の意味は「それよりも後、その文章から後に述べること」です。 例:「事故が起きた原因は以下の通りです。 原因その一・・・***」 他にも
などと用いられます。
例文
また『以下「○○」という』という使い方をします。 これは、以下の前に来る文章を、その後は「○○」と表記するといった意味になります。 主に、契約書や法律など堅い文章で使用しています。 例えば長い条例の名前があった際に、それ以外の条例が出てこない場合など『以下「条例」という』とします。 そうすると、いちいち長い条例の名前を表記せずに「条例」とするだけで表すことができます。 また、『パーソナルコンピュータ及びワードプロセッサ(以下「パソコン等」という。)』などとも使います。 毎回2つや3つの品名を表記すると読みづらいため、「○○等」でまとめることが出来ます。
「以下」は代表とその集団を表すことが出来ます。 たとえば「社長以下10名」とした場合、社長を含めて10人、つまり社長と社長の部下9人、合計で10人を表します。 この場合、集団の代表として「社長」とだけ名前を出して他は以下に含んで表します。 他にも「部長以下20名」とすれば、部長を含めて20人、部長とその部下19人となります。 部長が代表だった場合は、部長が代表とする集団、すなわちその部に所属する社員19人ということになります。
例文
「未満」の意味は「ある一定の数に達しないこと」です。 「未」は「まだ〜ないこと」、「満」は「足りないこと」を表します。「未だ満たない」と書くように、「ある数字に達していないこと」という意味になります。 例えば、「身長140cm未満は利用禁止」ならば「身長が139cmまでの子は利用できない、140cmの子は利用できること」を表します。 このように、「未満」は基準となる数字を含みません。 他にも、「友達以上、恋人未満」と使うこともあります。これは「友達よりも恋愛として意識しているが、恋人と言えるほど深い関係ではないこと」を意味します。
例文
「以内」は、「基準とする値を含めて、距離や時間、数量がそれより小さい範囲」を指す言葉です。 例えば「開封後3日以内にお召し上がりください」と書いてある商品があったとします。 この基準値は「3日」となります。 つまり、「開封をしてから3日目までに食べてください」という意味になります。 「以内」は、基準値を含むので開封してから3日目までは食べてOKということです。 「以内」や「以上」「未満」といった範囲を示す言葉で混乱を招いてしまうのは、やはりその基準値を「含むのか」「含まないのか」ということですよね。 「◯◯以内」の「◯◯」に入る距離や時間、数量は「含まれる」と覚えておきましょう。
例文
日程では「以内」より「まで」を使います。 「まで」には、「時間・距離・状態・動作が続いて、それが及ぶ到達点」という意味があります。 「まで」は、基準とする数値を含むので、例えば「5月15日までに提出」なら、「5月15日 23時59分」で猶予があるということになります。 ただ、ビジネスの場合はほとんどの一般企業が17時〜19時には営業を終えるので、15日の23時59分に提出したのでは遅すぎます。 基本的には会社であれば、就業時間までに提出するという考え方をします。 また、振り込みなどであれば15時までの猶予ということになるでしょう。
例文
「下記」は「かき」と読みます。 意味は「ある内容の下に書き記すこと」です。 ある記事や文章の後に記されていることや、その記事や文章を表します。 「詳細は下記の通り」「日時や場所については下記をご参照ください」などと記します。 「下記」は「書き記したもの」を指しているので、書き言葉として使うのが一般的です。 「下」には「後」という意味があるので、「下記」は文書が横書きの場合に用いることができます。 ただ、「下記」は内容が二枚目や三枚目など別のページに及ぶ場合は使うことができません。 「以下」と「下記」は使い方に違いがあります。 主な違いは「以下」は長文メールや書類が何枚もある場合に、「下記」は短文メールや書類が一枚に収まる場合に使います。 また「以下」は改行しなくても使うことができますが、「下記」は改行が必要になります。
例文
「後述」は、「こうじゅつ」と読みます。 「後述」は、「後で述べること」という意味があります。 「後」は、「のち・あと」という意味があり、「述」は「のべる」という意味があります。 「後述」は、「後で述べます」「あとで説明します」というニュアンスで使用される言葉で、メールなど文章で使用されます。 文章内で同じ内容が重複しないように、詳細を後の部分で説明する場合に使われます。 例えば、イベントをお知らせする文章において、まず大まかな流れを先に説明します。 ○時から開会式、○時からAさんより挨拶、○時から立食パーティー、○時から全員参加のレクリエーションなどと時間割が記されています。 その後にひとつひとつの詳細を説明することが多くなっています。 そのため、最初の大まかな流れの部分で「立食パーティーのメニューにつきましては後述しております」「レクリエーション内容は後述しております」などと使います。 すぐ次に書かれていることに対して「イベント詳細は後述の通りです」などとは使いません。 この場合は「以下」や「下記」を用いましょう。
例文
「続いて」は「あることが終わった後、すぐに次のことを始めることを伝える言葉」です。 突然、次の内容を説明しだすと先ほどの説明と繋がっているのかと思ってしまうことがあります。 そういった際に「続いて、」を用いて、次の別の内容を説明し始めることを表すことが出来ます。 例えば報告書などにおいて、まず結果を表記します。 その後、前例との相違点の説明をするとした場合「〜という結果となりました。続いて、前例との相違点についてですが、〜」と使います。 また、話し言葉として用いられることもあります。 資料の説明をする際や、司会者などが使う場合、敬語で「続きまして」と使うことが多くなっています。 先ほどの資料を読み上げる際に「〜という結果になりました。続きまして、前例との相違点を説明していきます。〜」となります。 結婚式などでも「続きまして、新郎の友人によるスピーチです」などと使われていますよね。
「以上」は「基準値を含み、それより大きい(多い)」を指す言葉です。 例えば、「5000円以上ご購入で、送料無料となります」ならば「5000円を含んでそれよりも多くお買い物いただけると、送料が無料になります」ということを表します。 この場合は、5000円でも送料が無料になります。 「以内」は、基準値を含み、それより下の範囲を指す言葉なので「以上」は対義語になります。 また、「以上」は大きいだけではなく「優れている」という意味でも使います。 「先生以上の出来栄え」などと使い、「先生よりも出来栄えが優れている」といった意味になります。
例文
「以外」は「以」という漢字が使われていますが、「◯◯以外」は◯◯だけ含まないことを表します。 「以」は「ある場所を起点としてそれより」、「外」は「一定の考えからはずれること」を意味しています。 主に「◯◯以外」という形で使い、他の名詞や動詞に付いて用います。 例えば、「いちご以外の果物であったらメロンが好き」「ホラー以外だったら何でも見る」などと言います。 これは「いちごを除いた中で一番好きな果物はメロン」「ホラーではなかったら見る」という意味です。 このように、「ある事柄を取り除い」「他のもの」ということを表す場合に「以外」を使います。
例文
「超え」は、「基準や数値を上回ること、優れていること」という意味で使用される表現です。 数量や限度、能力が基準を上回るという場合に「◯◯超え」と言ったり、「◯◯を超過している」と言ったりします。 例えば ①ある基準・数値を上回る。「10万人を超え」など ②自分の立場や考え方をこす。「利害を超える」など ③他よりすぐれる。「同年代を超えた」など といった使い方をします。
例文
「上記」の意味は「ある内容の上に書き記すこと」です。 また、ある文章においてそれよりも上または前に書いてある文章を表します。 例えば、「上記で説明した◯◯は〜」「上記にも出てきた国◯◯は〜」などと使います。 一回出てきた内容がもう一度出てくるという場合に「上記」を使えば、わざわざ「***」と再度内容を書くことを省くことができます。 「下記」と同様に、内容が書類一枚に収まる場合に用います。「上記」も書き言葉として使うのが一般的です。
例文
「前述」の意味は、「前に述べたこと」です。 「前」という漢字は、「承前」と同じように「空間的に前・進んでいくほう」「時間的に前」という意味で使用されています。 「述」は、「のべる・言う」という意味があります。 なので、「前述」は「前に述べる」という意味になるということがわかります。 前にも述べたことを繰り返し言うときに、「前に述べましたが〜」という意味で「前述した通り〜」といった言い回しで使用されます。
例文
「以前」は「その時よりも前、ある時点より前」を表します。 「1月15日以前」といった場合、「1月15日」は含みます。 ただ「以」という言葉は、基準の数値を含むのが一般的ですが「昭和時代以前」や「第二次世界大戦以前」などとした場合は、「昭和時代」や「第二次世界大戦」を除いたそれより前を表すこともあります。 「〜より過去において」という意味になります。 その場合の意味は「ある状態や時期に達する前までの段階、ある段階レベルまでまだ至っていないこと」となります。 「以後」は「その時点から後」「これから先」を表します。 基準となっている日時・年齢・時期・事柄を含んだその後からを表します。 「15時以後」「16日以後」「それ以後」などと使います。 「以降」とほぼ同義ではありますが、「以降」はある時点からの時間経過そのものを示すニュアンスが強く、「以後」はある時点から後に起こった事象に注目するニュアンスが強くなっています。 そのため「以後、気をつけます」などの表現は後に重きが置かれているからこそ適切となります。 「以降、気をつけます」は不自然な表現となります。
「上下」があるなら「左右」もあるのでは、と思う方もいるかも知れませんが、「以左」「以右」という日本語はありません。
「less than...」は「...より小さい」という意味で、該当する数字を含めませんので注意してください。 よって、厳密に「以下」と表現したい場合は「is less than or equal to...」とする必要があります。 しかし、この表現は数学などで主に使われ、日常会話では使用されません。
The value of X is less than or equal to 10.
Xの値は10以下である。
You can't buy this computer for less than 1000 dollars.
このパソコンは1000ドル以下では買えない。
「less than」ではなく「under」を使う場合もあります。 「under...」で「...より小さい」という意味になります。 年齢に対しては「under」を使います。
とすれば、10を含み、それより下と意味になります。
He may be under 30 years old.
彼は30歳以下かもしれない。
Children at age of 10 or under are not allowed to enter this place.
10歳以下の子供はこの場所に入ることは許可されていません。
「下記」を意味する英語には、
などがあります。
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より詳しい情報は、以下のリンクを参照してください。
いかがだったでしょうか? 「以下」について理解できたでしょうか? ✔読み方は「いか」 ✔意味は「それを含めて、それより小さい」 ✔記号は不等号「≦」 ✔数値と組み合わせて「10以下」などと使う ビジネスシーンでも日常的にもよく使われる言葉ですので、しっかりと覚えておきましょう。